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【インバウンドニュースまとめ】リアル店舗はますますショールーム化、様変わりするECのラインナップは消費者の心の現れ?

先週の中国メディアの報道では、訪日中国人の間で第三類医薬品※の人気の高まりが伝えられていました。特に「アリナミンEXプラス」が多く購入されているとのことです。

中国人消費者の爆買いの対象は常に変化しており、市場参入のチャンスはまだまだ残されているようです。先週は、その他にも「中国人消費者の変化」に関する報道がありました。これらの報道から、変化にどうキャッチアップするかのヒントを探っていきたいと思います。

参考:
新たなブームは「第3類医薬品」! 中国人観光客が「あのクスリ」を「万能神薬」と崇めて爆買い中(出典:サーチナ)
※一般用医薬品のうち、安全・健康上のリスクが比較的低い医薬品についての分類。主にビタミンを有効成分とする製品が多い

第三類医薬品(出典:Weblio辞書)
1類、2類、3類…「第○類医薬品」の違いは何?(出典:All About)

旅行中だってネット通販! より合理的に、魅力的に

先週、越境ECサイトを運営するインアゴーラが、来日したユーザーにネットで免税相当価格での土産品や消耗品の販売を開始したと報じられました。商品は帰国時に空港で受け取れるそうです。ショールームにあたる実店舗は来春までに30店開業予定、訪日外国人(インバウンド)を囲い込み、帰国後も継続的に越境ECで商品を購入してもらうことを目的としているとのことです。

日本旅行の経験が引き金となり、帰国後の消費行動につながる…こういった、日本旅行が消費行動につながる構図ができつつあることを、トレンドExpressでは「日本のショールーム化」と呼んでいます。

日本化粧品工業連合会(東京・港)が財務省の貿易統計を分析したところ、16年は化粧品の輸出額が初めて輸入額を上回った点に改めて言及している報道があり、こういった点からも「日本のショールーム化」の加速が改めて感じられます。

また、先週来日したアリババグループ越境EC部門の総経理へニューズウィークが行ったインタビュー記事が公開されました。インタビューでは、新中産層(可処分所得の高い30代以下の層)が従来と異なる新しいニーズを抱き、それに合わせて消費の質を上げていく「消費昇級」を引き起こしていること、結果として従来の「中国人の欲しいもの」とは異なる消費の需要が発生していることが語られています。

越境ECのプラットフォームには毎週のように新たな製品が販売開始されていますが、ここにも新中産層のニーズの変化が表れているのかもしれません。インバウンド消費における消費トレンドの変化を「先読み」するヒントは、越境ECのラインナップにも潜んでいるのではないでしょうか。

参考:

買い物は帰国後にネットで 地方を潤す3つの「逆転」(出典:NIKKEI STYLE)
「豌豆公主(ワンドウ)」が見せるインバウンド、アウトバウンド双方における需要の掘り起こし方(出典:ECのミカタ)
中国人の欲しい物が変わった――アリババ越境ECトップ訪日の理由(ニューズウィーク日本版)
免税価格でネット販売 インアゴーラ、訪日中国客向け(出典:日本経済新聞電子版)
株式会社China Commerceがヤマダ電機の都内各店舗で「インバウンド向け国際配送サービス」を展開(出典:産経ニュース)
UA原宿本店、越境EC「Farfetch」に出店(出典:通販通信)
【お知らせ】カメラ専門店『Map Camera』がeBayに出店 越境ECを8月28日にスタート!(出典:ValuePress!)
まくら 取扱商品絞り込みへ、中国向けは好調(出典:通販新聞)
大丸札幌店、時計売り場を1.5倍に拡張 訪日富裕層取り込む(出典:日本経済新聞電子版)
ヤーマンの5~7月、営業益1割増 インバウンド需要好調(出典:日本経済新聞電子版)