中国トレンドExpress

国慶節まであと1か月!(2) ~アンケート調査で訪日中国人の日程・予算・「モノ」ニーズを的確に把握~

中国トレンドExpress恒例の国慶節特集、2回目はいよいよアンケート調査の結果をお伝えします。旅行日程や予算などについて確認したうえで、まずは今一番日本で買いたい「モノ」にスポットを当ててみたいと思います。


▼前編はこちらから

国慶節まであと1か月!(1)~2017年「十一」の日本旅行動向を占うユーザー属性を発表~


【アンケート調査概要】
新浪微博上で「国慶節で訪日を予定」していると思われる書き込みをしたユーザーにアンケートを実施、有効回答300件を集計

国慶節期間の日本旅行はコンパクトな旅? 低予算も増加し二極化の可能性

 滞在日数

まずは国慶節期間における滞在予定日数について、昨年と比較して見ましょう。

グラフ:国慶節日本滞在予定期間:2016年:3日12、4日34、5日65、6日120、7日54、8日以上15:2017年3日8、4日42、5日116、6日84、7日37、8日以上13

 

昨年より1日休みが長いにも関わらず、予定滞在日数のピークは6日間から5日間に減少、6日間、7日間という回答も昨年より減少しており、滞在予定の減少傾向が見られます。昨年の調査では、2015年と2016年を比較したところ長期化の傾向が見られたのですが、その傾向は続かなかったようです。

今年は休みが長い分、前半または後半は自宅でのんびり過ごそうというところもあるかもしれません。ただし、「日本は長期滞在に向かない」というイメージが定着し、短期旅行の行先にとどまってしまうのは、観光地としての日本にとってはデメリットです。より幅広い層の中国人観光客に訪日観光を選択してもらうために、日本各地で、短期旅行だけでなく「長期滞在が楽しい地域」のブランディングが必要であることが見えてきます。

予算

次に予算を見てみます。2,500元から4,000元がボリュームゾーンとなりました。
2,500元未満も26%となっており、クチコミユーザーに若い世代が多いことの影響も考えられます。

グラフ:2017年国慶節訪日予算:~2500:26%、2500~4000:40%、4000~6000:23%、それ以上:11%

 

滞在日数ごとに予算をみたところ、各日数において特に予算の大きな偏りは見られませんでした。8日以上の滞在でも予算が2,500元未満という回答もあり、民泊などを利用して予算を安くおさめる方も今後増えていくと思われます。【2017年上半期まとめ&国慶節予測】中国旅行事情 前編 ~訪日旅行のスタイルは二極化する!?~でお伝えしたように、訪日中国人の過ごし方が二極化していく可能性がうかがえる結果となりました。

日本で「今一番買いたいもの」、男性の多様化が顕著に

今年は少し趣向を変えて、カテゴリ選択ではなく、自由回答で「一番欲しいもの」を調査しました。

 順位 買いたいもの  件数
1 化粧品 82
2 日本の服 41
3 ベビー用品 30
4 医薬品 24
5 美顔器 16
6 腕時計 10
7 カー用品 8
8 任天堂Switch 7
8 電気シェーバー 7
8 オニツカタイガー 7
8 アニメフィギア 7
12 ランドセル 6
12 電動歯ブラシ 6
14 ミラーレス一眼レフカメラ 5
15 スニーカー 4
15 日本のお菓子 4
15 ブランドバッグ 4
15 高級ヘッドホン 4
19 高級調理器具 3
19 ゴルフセット 3
19 日本の文房具 3
19 3
23 プラモデル 2
23 釣り竿 2
23 スーツケース 2
23 ウイスキー 2
23 スーツ 2

1位は化粧品となり、順当な結果となりました。注目すべきは今年の2位です。「日本の服」がランクインし、ファッションカテゴリが9位だった去年と比較すると、ファッション関連の「服」が大幅なランクアップとなったことがわかります。

昨年のほしいものカテゴリTOP10(複数回答可)

 順位 カテゴリ 件数
1 コスメ・美容 443
2 医薬品 340
3 健康食品・サプリメント 186
4 ベビー・キッズ 170
5 衛生・健康 118
6 食品 68
7 玩具・グッズ 66
8 スナック菓子 63
9 ファッション 44
10 健康・美容家電 21

ファッションに注目するのは若い層と考えがちですが、回答を年齢別でみると、それぞれの年齢層で15%前後の回答があり、昨年に比べて日本のファッションに注目が集まっていることがわかります。美顔器、腕時計、オニツカタイガー、ミラーレス一眼レフカメラなどが上位にランクインし、お土産だけでなく自分のためにこれだけは買っておきたい、といった気持ちがうかがえるラインナップとなりました。

性別、年齢別「ほしいもの」

今年のランキングについて、男女別、年齢別でもう少し見ていきましょう。

女性のTOP5は全体ランキングの1~5位と同じ結果となりました。男性は1位がカー用品、以下腕時計、任天堂Switch、電気シェーバー、オニツカタイガー、アニメフィギア、と総合ランキングの7位以下の商品の大半を占めるという結果となっています。買いたい商品のカテゴリ多様化を促進するのが男性、化粧品などの限られたカテゴリの中で、商品自体の多様化を促進するのが女性といえるかもしれません。

年代別で見てみると、19-24歳は化粧品、日本の服のTOP2に集中が見られ、25-34歳は総合ランキングと結果が類似しており、35-50代も総合ランキングに結果は類似しつつも、そこまで多様化は見られなかったという結果になっています。若者は興味がメイクやファッションに集中しているという傾向が、25-34歳は消費意欲が男女とも旺盛、といったことがうかがえる結果となりました。

いかがでしたか? 多様化する訪日中国人のニーズ、特に「買いたいもの」の具体像が把握できる結果だったのではないでしょうか。

9月第二週公開の(3)では、「コト」にスポットをあててお伝えしたいと思います。「買い物」が引き続き人気を集めている一方で、確実に起きている昨年との変化、そして「体験」別のターゲットのセグメントについてお伝えします。


▼続きはこちら

【特集】国慶節まであと1か月!(3) ~躍進の美容体験と「新中産層」の訪日を思わせる「走りたい」~