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注目すべき中国KOLからマーケティング活用法まで「KOL大全」

「KOLとはいったい何者なのか」「なぜ中国においてKOLの発信する情報が信頼されるのか」といった基本的なことから、注目KOLの強みやフォロワーの属性、施策に活用する際に注意すべき点など、KOLマーケティングを検討する上で知っておきたい情報をお届けします。

KOLとは 

KOLとはKey  Opinion Leaderの頭文字をとった略称で、特定の分野おいて最先端かつ影響力を持つ人々を指す言葉です。端的に言えば、中国版のインフルエンサー解釈することができます。 

KOLと芸能人の違い 

中国においても「芸能人」非常に大きな影響力を持ち、インフルエンサーと表現することができます

では芸能人はKOLなのか――そこはイコールではなく、同じインフルエンサーでもKOL専門性が高く特定の分野おいて影響力があるということが特徴になります。つまり、特定分野や人物においては、芸能人以上に影響力があることも少なくありません

もしかしたらあなたにも「YouTuber」がおすすめする商品を買った(もしくは購買の後押しになった)、という経験があるかもしれません。それと同様に、人の購買に対する態度変容を生む強烈なマーケティング手段としてKOLは注目されているのです。 

KOL起用により想定されるリスク。その際の企業のマーケターの立ち回り方

では、KOLプロモーション手法として起用する際、どのようなことに気をけるべきかを考察していきましょう。 

KOLの影響力を図る指標の一つに特定のSNSにおける「フォロワーがあります。人気があるKOLには非常に多くのフォロワーがいるため、たくさんの見込客にリーチできると思いがちです。しかしそれだけ判断するのは時期尚早です。 

大切なのは、自社製品にマッチしたKOLを自分の目で見て選定することKOLの得意としているテーマは?フォロワーの属性は?世界観は?さらに自社のブランディングメッセージにフィットするか?など、中国消費者のインサイトまで立ち返り、そのKOLを起用する意図をいまいちど掘り下げていかねばなりません。

自社の顧客像、KOLとその先のユーザー像の解像度を上げて鮮明なイメージを描くことが重要です。 

なぜKOLの言葉は信頼されるのか

そんなKOLですが、そもそも人気の理由はどこにあるのでしょうか。なぜ中国でKOL発信する情報に大きな効果が期待できるのか、その最大の理由として挙げられるのは、企業の一方的な広告に対する不信感です。 

2000年代に入ってから、国内大手企業の品質問題などが明るみになるなどしてから、企業の商品や商品広告に対する信頼感低下が顕著になっていく中、誰かのおすすめや実際の使用感など、クチコミの信頼度が一層高まっていったのです。 

なかでも、その商品分野に一定の知見を持ち、影響力を有している人物が、実際に使ってみた感想というのは、消費者にとっては非常に貴重な情報であることは想像に難くないでしょう 

これらがKOLが登場する土壌となったというわけです。 

さらに90後世代や、95後世代など、ファッションや流行に敏感な新世代たちが、こうした影響力を持つKOLたちの情報を参考にしながら実際に商品購入するようになったことで、消費行動への強烈なトリガーとしてKOLマーケティングに火がつきました。 

2017年の618(京東の設立記念日)では、KOL・ライブ配信・E-コマースが融合したKOLライブコマースが展開され、2019年のダブルイレブンにおいてはライブコマースが全体売り上げを左右するなど、大型EC商戦時におけるキャンペーンのフォーマットが作られるまでに。今やKOLは中国で認知度を高め、市場競争を有利に展開していく中では欠くことのできない存在です。 

注目のTOP KOL

それでは各分野のTOP KOLを4名ご紹介いたします。様々なジャンルに特化したKOLが存在すること、また彼らの強みもそれぞれ異なることがお分かりになると思います。

 

  • 張大奕(チャンダーイー)

ファッション系KOL
主な活躍の場:Weibo
Weiboフォロワー数:約1100万人
元モデル。Taobaoにて自身のECショップを持ち、年収は1億元以上といわれる。

 

  • 李佳琦(リージャーチー)

コスメ系KOL
主な活躍の場:小紅書(RED)
Weiboフォロワー数:約300万人(※2019年10月現在)
小紅書フォロワー数:約680万人

コスメ系男性KOL。もともとはロレアルのBA。当時、店頭で口紅を塗って試すという手法が受け入れられなかったが、自分でその口紅を塗ることで消費者からの信頼を集めトップセールスとなった。
男性ならではという理由と、メーカーへの忖度が一切ないと思わせるストレートな表現、また絶妙な言葉選びのセンスから非常に人気が高い。

 

  • PAPI酱(パピジャン)

KOLの草分け的存在
主な活躍の場:Weibo
Weiboフォロワー数:約3100万人

」とは日本語で「ちゃん」というニュアンスなので「PAPIちゃん」。中央戯劇学院の大学院在学中にアップしたオリジナルムービーが注目を集め、KOLの道へ。
くだらないけれどクスッと笑える小さなネタを、加工された高速再生される口調とシンプルな構図で1分程のショートムービー化。中毒性があると言われている。

 

  • 林萍在日本(リンピンザイリーベン)

在日中国人KOL
主な活躍の場:Weibo、TikTok、Taobao(店舗を有する)
Weiboフォロワー数:約500万人(※2019年10月現在)

彼女が日本で見聞きして感じたことや、日本の生の情報などを配信することで、在日中国人や訪日 リピーター、日本への旅行を計画している人、また日本の商品・文化の愛好者が主なフォロワーとなっている。
本人も「常にファンのことを考えている」という通り、常にファンが知りたい情報を第一に考えて発信。それが彼女の人気につながっている。
大阪府北部地震の際には現地まで赴き、リアルな被災地の情報を配信したことは有名。

 

KOLを起用したマーケティングを上手く行うには

ここまでKOLについて考察してきましたが、KOLに限らず、中国市場向けにマーケティングを実施する上で大事な考え方があります。 それは、自社のポジションを理解することです。

フェーズ毎の戦略・戦術・KPIを簡易的に示したロードマップ

自社製品中国市場における現在地を知り正しい戦略を描くこと――これが成功への必須条件です。これから認知をさせていくフェーズなのか、それとも認知はある程度されているためブランディングを促進していく段階なのか――これらを踏まえたうえで「どこで、誰に、何を、どう伝えるか」一番効果的な戦術に落とし込むことが必要です。 

そしてそのためには、中国の生活者のインサイトを知ることが必要です。彼ら・彼女らがどのように暮らし、何を感じ商品を認知し、いつ購入していくのか――その一連のカスタマージャーニー、パーセプションフローを可視化することで、製品にフィットするKOLが見つかるはずです。 

これらを念頭に置いて、上手にKOLを活用していきましょう。

 

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