【中国人気】訪日外国人は口内炎!?口内炎治療薬が常に上位にランクインする理由-「買った」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。今回は5月23日~5月29日「買った」ランキングから、ランクイン常連の「口内炎パッチ大正A」を分析します。
今回の「買った」ランキングトップ10は以下のとおりです。
今週の注目Word:「口内炎パッチ大正A」
今回は「今週の買った」ランキングで5位にランクインした「口内炎パッチ大正A」に注目し、中国における医薬品事情について考えたいと思います。
トレンドViewerの推移を見てみると、上下はありますが、2018年に入ってから安定した上昇を見せており、現在は「買った」ランキングトップ10の常連商品となっています。
中国人は口内炎が多い!? ECサイトでも人気の日本製口内薬
毎回なぜ「口内炎パッチ大正A」が上位にランクインし続けているのか、おそらく誰もが疑問を感じていたと思います。筆者も7年半の中国生活を経験していますが、特に中国人に口内炎に悩んでいる患者が多いという印象もありませんでした。
どちらかというと、中国生活をしている日本人が、ストレスや栄養の偏りが原因と思われる口内炎やヘルペスで悩んでいるのはよく目にしていました。
しかし、現実は「口内炎パッチ大正A」が訪日中国人に売れており、中国国内のECサイトでも同商品や、他メーカーの日本製口内薬が多数販売されているのです。
SNSなどを辿り、なぜ訪日外国人が口内薬、特に「口内炎パッチ大正A」を求めるのか、ヒントを探ってみましたが、「貼るだけで簡単」「飲食時の痛みが軽減する」など、日本でも見られるような口コミがあるばかり…。
さらに、中国人と口内炎の関係性についても、香辛料が効いた刺激的な料理を食べるから?食品添加物の影響?など想像してみたのですが、明確な答えを見つけられませんでした。
中国通が分析する口内炎パッチが人気の3つの驚くべき理由
そこで、中国国内で生活をしている日本人5名と、中国籍の友人5名に「どうして訪日外国人に口内炎の薬が人気なんだと思う?」とインタビューを行ってみました。
いくつかの返答が得られた中で、見事全員の意見が一致したのは「中国にはないから珍しいのでは?」ということでした。確かに、中国国内でも薬局に口内炎の薬はあるはずですが、『貼る薬』はないかもしれません。
そして次に多かった7名の意見は、「口内炎治療薬=口内炎パッチ大正Aが浸透しているから」というものでした。
中国国内のネットショップでは、軟膏タイプの取り扱いもありますが、日本の口内炎治療薬として圧倒的に取り扱いが多いのは「口内炎パッチ大正A」です。口内に使用する医薬品ですから、「実績」がある信頼の置けるものを使いたいという気持ちは十分わかります。
そして興味深い返答として半数が挙げたのが、「中国の薬を信用していないから」という驚くべきものでした。成分はもちろん、製造過程も気になるそうで、日本製は安心して口にすることができるとのことでした。
中国製の医薬品は効き過ぎる!?
さらに、中国人の友人のひとりは「中国製の薬は効き過ぎてこわい」と話していました。
私はその話を聞いて、ふと中国在住時に日本人同僚の間で「魔法の風邪薬」と呼んでいた薬があったことを思い出しました。
どうしても仕事を休めない時、風邪症状が長引いて手持ちの薬がなくなってしまった時の「最終手段」として飲む緑のカプセルです。薬局で誰でも購入できる風邪薬なのですが、服用してしばらくすると、あんなに苦しんでいた熱も鼻水も咳もピタッと止まるのです…。
中国の薬局では、日本では処方箋が必要な薬剤も、一部の抗生物質などを除いてカウンターで気軽に買うことができます。
あの「魔法の薬」も結局のところ、詳しい成分等など分からないまま飲んでいました。効き目が強い薬が安易に手に入るのは便利な反面、危険も伴っていることを理解しなければなりません。
訪日外国人に医薬品の服用方法を正しく伝えられるかが課題
言うなれば、効き目の強さに限らず日本のドラッグストアで販売している医薬品は薬です。「口内炎パッチ大正A」も同様、医薬品です。日本の薬事法の基準をクリアした安全な製品とはいえ、正しい使用方法を守らなければ危険を伴います。
今後ますます多くの訪日外国人が、日本製の医薬品を求めてドラッグストアを訪れることでしょう。その時、いかに正しく服用方法や注意事項を伝えるかが我々の課題になります。