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【中国人気商品】赤ちゃん肌に触れる物にもハイレベルの安心を!-「EC人気商品」ランキングから

Text/松本果歩

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。

今回は2019年5月22日〜5月28日の「ECサイト人気日本商品」ランキングから、中国のママさんたちの不安を取り除く、純植物性の無添加洗剤の人気について分析してみたいと思います。

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まずランキングトップ10はこちら。

2019年5月22日〜5月28日の「ECサイト人気日本商品」ランキング

今週の中国人気商品:「アラウ 洗濯用せっけん」

今回は「ECサイト人気日本商品」ランキングで21位にランクインしている「アラウ 洗濯用せっけん」に注目したいと思います。

クチコミ上では「アラウ 洗濯用せっけん」となっており、家庭用の商品と乳幼児衣類用の「アラウ 洗濯用せっけんベビー」の2種類がありますが、Weiboなどの中国SNSを見てみると、登場するのはほぼすべてアラウ 洗濯用せっけんベビー」ばかり。

そのため、このクチコミも乳幼児衣類用商品を指していると思われます。

同商品のクチコミ件数はじわじわと右肩上がりを続け、ここ1年ほどは30~40位前後を維持しています。

この洗剤の特徴は「石油系合成界面活性剤や合成香料、着色料、保存料などの合成添加物を一切使用していない」というところ。純植物性せっけんであること、無添加で柔軟剤なしでもふっくらすることから、敏感肌の方や子どもの肌に優しいことが魅力なのでしょう。

口に入れる物だけではなく、肌に触れる物にも安心を

こうした子供用洗剤、日本ではそこまで珍しくない気がしてしまいますが、近年中国では洗剤などによる健康被害への意識が高まっていることもあり、「国内の物より、日本のもの方が安心だ」という意識があるように見受けられます。

その背景には、やはり身の回りのものの安全度合いへの不安感。特に乳幼児へ使う物にはより高いレベルの安心感を求める傾向にあります。

 

たとえば食べ物。

中国では農作物への農薬が問題視されています。害虫の被害を減らし、収穫量を増やすために農薬が使われますが、国で使用できる基準は定められているものの、基準をはるかに上回る農薬が使用されているという調査もあります。

そのため、消費者は人体に蓄積するとも言われる農薬に対する不安が大きく、weiboでも「野菜用洗剤で洗ってから食べましょう!」という注意喚起の声もあるほどです。

 

このような状況は、食べ物に関してだけではありません。身につけ、直接皮膚に触れる衣類への不安の声もあります。

日本でも「糊落とし」という習慣がありますが、中国では糊だけでなく、乳幼児用衣類に使用されている「化学塗料」へ不安を感じる人が多いようです。

さらに、ECでの購入が増えている昨今は、服そのものに対してももちろんですが、衣類の保管場所の衛生状態、また包装されている素材の安全性などなど、心配が尽きません。いささか神経質にも思えますが、中国のお母さんたちはした不安をできるだけぬぐい、子どもに安全なものを使おうと心を砕いています。

 

それを考えれば、衣類を購入したらまずは「安心・安全な洗剤で洗いたい」と考え、同商品を手にする気持ちもわかると思います。

一人っ子政策から二人子政策への移行……子どもの数は増えなかったもののベビー市場拡大へ

さて、2015年10月、中国では1979年から行っていた「一人っ子政策」が終了しました。その後「二人っ子政策」へと変更し、夫婦は二人まで子どもを産むことができるようになりました。

日本では当時、この政策で「中国の子どもの数は増え、市場が拡大する」という報道がなされました。

しかしながら、昨年2018年の出生数は過去30年で最低レベルだったというから驚きです。全体的に見れば出生率は右肩下がり(ちなみに2000年付近の出生率が上がっているのは、2000年が「龍年」で縁起が良いとされたため)。

このように出生数自体は増えていないのに、中国ではベビー市場が拡大しています。

その秘密は「子どもに投資する金額が増えてきている」ということです。

 

以前は自分の両親や祖父母からの情報しかなかったのに対し、インターネットが発展した現在では気軽に海外の商品の情報が入手できるばかりか、海外製品をクリックひとつで購入できる環境があります。

さらに、上述のように、とにかく子どもに与えるものに対し敏感な親が増えており、「良いモノが手に入るのであれば、できる限り良いモノを与えるべきだ」と考える傾向にあります。

 

そうしたなか、日本の商品はその品質の高さから、中国の消費者に多く選ばれているのです。ベビーマタニティブランドは、自信をもっての進出ができる環境にあると言えるでしょう。