【中国人訪日観光】アウトドア市場とともに高まるニーズ「気球に乗って大自然を満喫したい!」―「◯◯したい」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」「食べた」「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。
今回は2019年6月12日〜6月18日「◯◯したい」ランキングから、高まるアウトドアアミューズメント人気を分析。地方へのインバウンド誘致のカギが見えてきました。
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今週の中国人気訪日クチコミ:「気球に乗りたい」
今回注目するのは、◯◯したいランキングで人気上昇している「気球に乗りたい」です。
中国人観光客の旅行スタイルが変わってきたこともあり、楽しむアクティビティも様々です。北京や上海などの都会からやってくる人たちにとっては、日本の風光明媚な田舎の風景は癒しにもなります。そんな大自然の中で楽しむ気球に注目が集まっているようです。
高まるアウトドアスポーツ市場と熱気球
中国では特に80後、90後世代のアクティブな世代が社会の中核になっていることで、よりアクティブなイベントのニーズが高まっています。
業界のレポートを見てみても、アウトドアスポーツ用品に市場規模は2012年で300億元程度であったものが、2017年で500億元超にまで成長しています。
【グラフ】アウトドアスポーツ用品市場規模の推移
熱気球に対するニーズも、こうしたアウトドアニーズの後押しがあったものと考えられます。
ちなみに中国では熱気球の活動は中国体育総局が管理しており『熱気球運動管理弁法』という法律の下に管理されています。
2002年ごろまでは中国各地で熱気球の大会が行われていましたが、何かしらの理由で下火になってしまいました。
日本で開催される熱気球大会を目指して
日本では年間を通して、毎月1回ほどのペースで熱気球大会が開催されています。有名なところでは、佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(佐賀県佐賀市)や北海道バルーンフェスティバル(北海道上士幌町)、佐久バルーンフェスティバル(長野県佐久市)などがあります。
日本でもこの雄大なイベントは人気ですが、近年、中国人観光客もこのイベントをお目当てに訪日しているようです。というのも、上海や北京などの都会に暮らす中国人たちの間で、休みの日に郊外の自然豊かな場所へ行く「農家楽」がブームになっている背景があります。
ただ自然を求めるだけでなく、そこにもっと壮大な自然、もっと冒険へというように何かしらの体験を求めています。
普段できないスリリングな冒険的体験を求めて
前述のアウトドア志向の高まりの中で自然の中を楽しむ体験が増えており、トレンドviewerでも「渓流下りをしたい」「火山をみたい」「森林浴をしたい」などが登場しています。
近年は、さらにスリルやアクティビティを求めて「スキューバダイビングをしたい」「バンジージャンプをしたい」「スキーをしたい」なども冒険的体験として人気になっています。
これらが人気になっている背景には、都会生活に疲れ、ストレス発散のためにアクティブな体験を求める中国人の思考が影響しているからで、そこに多様化する趣味にお金と時間をかける余裕が出てきたことも後押ししています。
ただ、気球の場合、いつでも気軽に楽しむことができません。
SNSにより、情報が増えたことと、非日常を体験するお金や時間に余裕ができたことにより、お目当てのイベントや気球に乗れるサービスを提供している観光地などを目指すのです。
わずかな時間ではありますが、雄大な自然を眼下にして、空中散歩ができるのは何にも代え難い体験と時間を与えてくれます。
この時の体験をSNSで発信することで、都会生活に疲れた中国人に影響を与えることになるのです。