【訪日中国人】中国でスキーの人気が高い!2022年オリンピックに向けて加速中
2015年7月末、冬季オリンピックが2022年に北京で開催されることが決まり、中国ではスキー人気が高まっています。
2016年に中国国家体育総局は、2022年までにゲレンデを800面に増やし、2025年までにはスキー人口を3億人に増やすことを目標に設定しました。2015年には1250万人だったスキーヤーは2016年には20.8%増加して1510万人となり、スキー場は78個所新設され、全国に646個所となっています。この勢いで増加し続ければ、2022年までには1000ものゲレンデができていることになります。
参考:
但大型雪场仍然是国外品牌的天下(出典:TMPOST) 中国語
2022年冬季五輪は北京 史上初の夏冬開催(出典:日刊スポーツ)
スキー熱は中国市民の間にも本当に広まっているのか?
2017年にTripAdvisorが行ったスキー客への意識調査によると、アンケート回答者は18~45歳が91%を占め、62%がスキー経験者であり、82%の人がスキーは好きだと回答しています。
スキーに行く目的地の設定では、近場を選んだ人が45%、敢えて遠くのスキー場を選んだ人のうち、37%は国内のスキー場、海外のスキー場を選んだ人は18%もいたそうです。国内で人気のスキー場は、黒竜江省・吉林省・北京・河北省・遼寧省などで、海外では日本・韓国・スイス・カナダ・アメリカ・フランス・ロシアなどが人気です。
3年以内にもう一度スキーに行く予定があるかという質問に対しては、経験者では90%、未経験者でも85%の人が肯定的な回答をしています。2022年開催の北京冬季オリンピックに向けて、政府だけでなく、市民レベルでもスノースポーツは盛り上がっていると言えるでしょう。
参考:
中国滑雪市场潜力巨大 2022年冬奥会将带动滑雪升温(出典:中華人民共和国商務部) 中国語
中国でスキーを楽しんでいるのはどんな人?
では、スキーを楽しんでいるのはどんな人なのでしょうか。2018年1月9日、第34回ハルピン国際氷雪祭の席上で、黒竜江省旅行委員会連合旅行消費者ビックデータ研究室がまとめたデータをご紹介します。
黒竜江省のレポートによると、スキー客の出身地は北京が一番多く、その次に多いのが上海・ハルピン・吉林、そして、3番目にウルムチ・瀋陽・長春・大連・広州・深圳と続きます。
また研究室主任・史文蛟氏は中国でスキー市場を拡大させるには、スキー+アルファのアクティビティが必要だと提言しています。+アルファになりうるものとして、(1)旅行(2)温泉(3)生活(4)教育があげられます。(3)の生活というのは、スキーだけでなく、旅先での飲食やショッピングなども楽しんでもらえるようにするアプローチのことでしょう。中国における日本のスキー場人気ランキングなどを見ても、これらのポイントが重要視されていることが見てとれます。では実際、どのようなスキー場が人気なのでしょうか?
参考:
2017中国滑雪旅游消费者大数据出炉 哈尔滨排名位居第二梯队(出典:東北網) 中国語
中国観光客に日本スキーツアー・ランキングTOP8
諸外国に比べればビザの取得が容易で、食文化が似ていて温泉もある日本は、中国スキーヤーに人気です。また、日本には2000m、3000m級の山岳地帯に多様なゲレンデがあり、ファミリー層から上級者まで、誰と行っても楽しめる環境が整っているのが魅力だと、中国の日本スキークラブは紹介しています。
ここで、中国の日本スキークラブがお勧めする、日本国内スキー場TOP8とその理由を紹介します。
- 志賀高原スキー場(長野県)
海抜2000mから見る景色は最高で、初級・中級・上級者向けのコースのバランスが良く、どのレベルの人でも楽しめます。バス+ホテルがセットになった東京発のツアーも多く、2~3日遊んでも1500人民元くらいであり、コストパフォーマンスの良いスキー場です。
- ルスツ・リゾート・スキー場(北海道)
3つの山にまたがり、とにかく大きいのが魅力のスキー場です。30以上のコースがあり、全部滑ると45kmにもなります。山頂からは洞爺湖と蝦夷富士を一望できる眺めも最高です。4人乗りの高速リフトや6人乗りのゴンドラのおかげで、あまり並ばず、時間を節約できるのも魅力です。
- ニセコマウンテンリゾート・グランヒラフ(北海道)
世界屈指のパウダースノーと多彩なコースが魅力の国際スキー場です。ホテルやレストランなどの設備も充実しており、スキースクールからレストランのメニューに至るまで国際化が進んでいます。視界良好なコースから見る羊蹄山は絶景です。ニセコは日本有数の温泉地でもあり、小樽から電車1本でアクセスできる利便性も魅力です。
- NASPAスキーガーデン(新潟県)
緩やかなコースで急斜面がないので、初心者やファミリー層におススメです。
- ハンターマウンテン塩原(栃木県)
首都圏にあるスキー場です。スキー以外に東京観光も楽しみたい人におススメです。ただし、首都圏は緯度が高くないので、雪質に恵まれるかはお天気次第です。
- 白馬八方尾根スキー場(長野県)
1998年冬季オリンピックでは、ここ白馬で滑降、スーパー大回転、ジャンプ、クロスカントリーなどの競技が行われました。スキーヤーにとっての聖地です。脚に自信のある人は黒菱オフピステに挑戦してみましょう。東京から電車で2時間半と、アクセスが良いのも魅力です。雪質が良く、急峻なコースから眺める北アルプスなど美しい景色も楽しめます。
- 草津国際スキー場(群馬県)
スキーと温泉、両方楽しみたいならココがおススメです。標高差926mのコースは日本国内スキーヤーの修練場です。昼間はスキー、夜は日本の名湯草津温泉で疲れを癒しましょう。
- かぐらスキー場(新潟県)
11月から5月末まで、半年以上もスキーを楽しめるのが魅力です。親子連れに人気の苗場スキー場とはゴンドラで連結しており、共通リフト券で両方遊べるのでお得です。
参考:
日本滑雪攻略·日本滑雪场最强排行榜(出典:網易・日本スキークラブ) 中国語
日本顶级雪场6选,今冬必须走一个!(出典:バイドゥ) 中国語
一整天都玩不够,日本五大滑雪场! (出典:Ctrip) 中国語
中国スキーヤーにとっての日本の印象はいかに?
ここで、日本のスキー場に関するクチコミをご紹介します。
北海道のニセコのヒルトンホテルに泊まった旅行者は、北海道のパウダースノーがとても気に入ったようです。初心者3人を連れて滑りに来たけれど、パウダースノーは転んでも痛くないので、良かったと書いています。
また、ホテルでスキーの道具一式を借りられること、装着する場所にはロッカーもあるので、ちょっとしたものを預けられ部屋まで戻らなくてもいいことを便利だと感じたようです。この方は、ホテルの無料バスで倶知安(くっちゃん)や比羅夫(ひらふ)へ行き、食事や免税店での買い物も楽しんでいます。
北海道でのスキーを楽しんだという京都に留学中の中国人学生もいます。短い冬休みに帰国して飛行機代を無駄にするより、北海道で雪体験をしたかったということで、スキーだけでなく、札幌白い恋人パーク、旭川動物園、小樽市内、洞爺湖や支芴湖などの観光も楽しんでいます。
奮発して友達と2人で星野リゾート・トマムに泊まって、初心者向けのスキースクール、アイスビレッジで遊んだこと、露天風呂体験、北海道グルメ、雪景色などなど、楽しい思い出をつづっています。スキー体験について、5時間12000円でスキー板や靴、手袋や帽子までレンタルできて、しかも、手袋や帽子は返却不要でもらって帰れることにびっくりしたと書いています。
参考:
北海道二世谷滑雪及希尔顿酒店入住有感(出典:Ctrip) 中国語
北海道的雪国风光,有一封写给自己的情书(出典:Ctrip) 中国語
まとめ
2022年の冬季オリンピック北京開催に向けて、中国では官民挙げてのスキーフィーバーが起こっています。日本はアジアの中でもスキー場の設備が充実しているだけでなく、温泉も一緒に楽しめるとあって、初心者でも日本にスキーに来る人は増えています。
日本のスキー場ではレンタル用品も充実しており、その他のアクティビティも同時に楽しめることが多いことから、初心者でも気軽にスキーを楽しめるというのもメリットと言えそうです。中国トレンドexpressでは、2022年に向け増大していくであろうスキー旅行客需要について、これからもウォッチしていきます。