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【中国関税】中国関税のさらなる引き下げ、輸入博覧会開催も 習近平国家主席、ボアオ会議で経済開放政策を確約

4月10日から始まったボアオ・アジア・フォーラム。その開幕演説において、中国の習近平国家主席は、継続的な経済開放政策に関して言及しました。

その要旨を紹介します。

10の経済開放施策について

  1. 昨年末宣言した銀行、証券、保険業界における外資持ち株比率規制の緩和
  2. 保険業界における外資開放施策、外資金融機構の設立制限の緩和、外資金融機構の中国における業務範囲の拡大を加速させ、海外の金融市場との提携範囲を広げる。
  3. 外資企業の持ち株比率制限のさらなる緩和。特に自動車業界における外資規制を緩和し、より魅力的な外資投資環境を整える。
  4. 国際的ビジネス習慣、規制との連携を強化し、より透明度を増し、知財権を強化、法治化の堅持、また市場競争を促し、一部企業による独占には明確に反対する。
  5. 2018年上半期には外資投資ネガティブリストの修正を完成させ、参入前における国民待遇およびネガティブリスト管理を実施する。
  6. 2018年委は国家知識産権局を改編し、法律の執行力をより改善させ、企業に対する「不法行為によるコスト」を大きく増加させることで、中国知財権保護の法律の効力をより強く発揮させる。
  7. 中国企業と海外企業における正常な技術交流の展開を促し、中国における外資企業の知的財産権を保護する。
  8. 2018年、一定レベルで自動車関税を引き下げるとともに、その他一部商品の関税も引き下げる。
  9. 中国国民のニーズが集中する特色ある優良商品の輸入強化に努め、WTO『政府調達協定(GPA)』加入活動を加速させる。
  10. 今年11月、上海で第一回中国国際輸入博覧会を開催する。これは巨大なプラットホームとして、今後毎年開催を企画。一般的な展示会ではなく、市場開放における重要な政策宣伝および行動としてである。

同時に習近平国家主席は以下の3つの希望を海外に伝えています。

  1. 外国政府の中国の知的財産権保護強化を求める。
  2. 中国は貿易黒字を目的としない。心より輸入拡大を求め、同時に経常プロジェクト収支のバランス化促進を期待している。
  3. 先進国は正常かつ合理的なハイテクノロジー製品の貿易において人為的な制限を停止させ、中国に対するハイテクノロジー製品輸出規制の緩和を求める。

これらの内、10の開放政策に関しては「早い段階で実行し、開放による成果をより早く中国企業、国民にもたらし、同時にその恩恵を世界各国の企業、国民にも享受してもらいたい」と述べています。

中国関税のさらなる引き下げについて

日本にとっては今後のビジネスにおいて期待を見せる開放政策が並んでおり、これが実行されていけば、対中国ビジネスもよりよい環境になっていくことが予想されます。

ただ同時に米中貿易摩擦の激化が懸念される中でのこの宣言。アメリカがどのような反応を見せるのか、またそれによって日本の企業にどのような恩恵が与えられるのか、注意深く分析していく必要もありそうです。