中国トレンドExpress

【訪日中国人】日本のラーメンのコダワリに虜になる中国人が増加中!―「食べた」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。

今回は2018年6月27日〜7月3日「食べた」ランキングから、「日本に来ているのになぜ?」と思ってしまうメニューを紹介します。

まずランキングトップ10はこちら。

2018年6月27日〜7月3日「食べた」ランキング

今週のInbound Word:「ラーメン」

今回注目するのは、食べたランキングの上位に入っている「ラーメン」です。

日本の国民食ラーメンは、今や世界中で愛されていますが、ラーメンの本場中国でも親しまれています。

日本食と聞けば寿司や天ぷらを連想する人が多いのですが、日本に来たら食べたい料理の一つとして必ず名前があがるほど人気で、ランキングでは多少の上下はありますが、トップ10常連メニューとして定着しています。

ラーメン発祥の地、中国ではありますが、同地にはすでに日系ラーメン店が数多く出店していることもあり、日本のラーメン人気は上昇の一途をたどっています。

そして訪日の際には、日本の味を求める中国人が列をなしています。日本のラーメンの何がそこまで彼らを突き動かすのでしょうか?

中国と日本のラーメンはまったくの別物

本場中国の麺は非常に種類が豊富です。特に上にのせるトッピングも多く華やかなのですが、その反面、スープはシンプルな鶏がらベースのうすしお味です(近年、日本でも知られるようになった蘭州拉麺は少しスパイス風味がきいた牛ベースのスープ)。

それに比べ日本では、出汁へのコダワリが強く、大きく分けると「とんこつ」、「鶏がら」、「海鮮」ベース、また味もしょうゆ、味噌、塩などに分かれています。さらにチャーシュー、味玉、メンマなど「標準装備」のトッピングは見た目こそ似ていますが、スープに合わせてそれぞれの味や食感を変えるこだわり様。

それに対し中国SNSでは、

「日本のラーメンは見えないところに力を入れている。」

「コクがある濃厚なスープは堪らない、中毒になる。」

「日本のラーメンに入っている味玉を食べたら、好きにならない人はいない!」

などネットで日本のラーメンの虜になった中国人のクチコミが数多く投稿されています。

日本のラーメンを絶賛した中国人女性の記事

日本を訪れた中国人女性が「日本のラーメンは蘭州ラーメンより100倍おいしい」と絶賛したことが記事になっていました。

記事では、日本のラーメンの歴史に触れ、現在は多様化する味にも触れ、いかに日本のラーメン文化が発展してきたかを説明しています。

そして前出の女性が、日本のラーメンがおいしいという話を確かめるべく、行列のできるラーメン店に行き、自身のSNSにあげた内容を掲載しています。店員がラーメンを作る際の熟練した手さばきやスピード感に唖然としたこと、濃厚なスープやコシの強い麺に絡みつくスープのことなど、写真と一緒に実際の食事の感想を事細かに記載し、日本のラ1ーメンは素晴らしいと評しています。

メディアが個人のブログを取り上げるほど、日本のラーメンは注目されているのです。

日本のラーメンのマニアも続々

日本のラーメンといえば、豚骨ラーメンが中国人の中ではダントツの人気ではあります。なかでも、日本のラーメンにハマりだした中国人には、様々な日本のラーメンを食べ歩く人もいるようです。

わざわざ地方へ出向き、地元民に愛されているラーメンを食べる人や、そのラーメンの歴史を調べ、SNSへアップする人。

SNS上にアップされる食べ物のブログは、写真とともに何かを食べて美味しかった、というシンプルなものが多かったのですが、ラーメンに関してはそれだけでは終わらない自身のラーメンに対するこだわりや詳細なレポートが書き込まれています。

日本のラーメンが大好きになってしまったばかりに、自分の好みを求め、話題の店から気になる店までを網羅すべく、ひたすら食べ歩くマニアックなラーメン通も増えているようです。もちろん「一蘭」や「一風堂」など、根強い人気のラーメン店もありますが、まだ多くの人が訪れていないラーメン店でおいしいラーメンを見つけることに楽しさを感じている中国人もいます。

余談ですが、中国で「一蘭」を完全にコピーしたラーメン店が登場しているほど。日本のラーメン人気はうれしいのですが、こういった行為はちょっと困りものですね。

なにはともあれ、中国でもますます高まる日本ラーメン人気。マニアックなファンも現れていることから、もしかすると思いもよらない場所でラーメンを食べている中国人に出会うかもしれません。