【中国人訪日観光】バイリンガル・イケメン車夫の人力車で旅をより楽しく! ~「◯◯したい」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。
今回は2019年1月9日〜1月15日「◯◯したい」ランキングから、日本発で中国に伝わり、今や日本らしさの体験アミューズメントとなっている観光要素を分析してみたいと思います。
まずランキングトップ10はこちら。
今週の中国人気訪日クチコミ:「人力車に乗りたい」
今回注目するのは、旅行の行程に加えるだけで、旅そのものが楽しくなる「人力車」です。
東京・浅草や京都・嵐山などの観光地で見かける人力車。
中には着物を着て人力車に乗り、観光を楽しんでいる人も少なくありません。この人力車に乗りたいと思う中国人観光客が増えています。どこが人気のポイントなのでしょうか。
実は日本から中国で伝来した、馴染み「人力車」
実は人力車、1870年頃に日本から中国に伝わって使われ始めていたのです。
日本とはカラーリングが違いますが、二輪のタイヤのフォルムはほぼ同じ。中国語で「人力车(rén lì chē)」、「黄包车(huáng bāo chē)」、「东洋车(dōng yáng chē)」と言うそうです。
持ち込まれた時の呼び名が「东洋车」(「東洋」は日本のこと)だったそうですが、タクシーのような営業を開始するにあたり目立たせる必要があったことから、車体を黄色く塗り「黄包车」と呼び名が変わったそうです。
中国からの個人旅行客が増え、モノからコトへと旅のスタイルが変わり始めていくと、旅行前に日本情報を熱心に収集し、旅行中あるいは帰国後に旅の思い出をブログやSNSで発信し始めます。
そんな中、浅草や嵐山などの日本の人気観光スポットでは人力車が営業しており、車夫は「礼儀正しく、力強く、ユーモアと洒落っ気がある」と、とっておきの情報を紹介したことも後押しして、人力車人気が高まってきているようです。
現在人力車が営業しているのは、東京の浅草、京都の嵐山、東山、九州の関門、湯布院、北海道の小樽、さらに鎌倉、倉敷、広島の宮島などになります。
イケメンで語学も堪能な車夫に訪日客もドキドキ
日に焼けた爽やかな笑顔の車夫たちはキリリとした顔立ちに細マッチョ体型で、そのイケメンっぷりが人気です。
でも見た目だけではなく、ほとんどの人は英語が堪能、さらに中国語やフランス語、スペイン語まで話せる人がいるほどです。
好評を博しているのが、狭い路地でもスイスイと自由自在に進むことができることから、車や電車に乗っていては決して見られない下町情緒が残る雰囲気や穴場的な景色を満喫できるところっです。
さらに車夫たちは専門の訓練を受けていることから、歴史にも地理にも詳しく、その街の魅力を余すところなく伝えることができ、あらゆる質問にも答えられるのです。
時には車夫からカメラマンになり、旅の思い出をしっかりと残してくれるのです。
人力車では初導入の「Alipay 店舗掲示型QR決済」
店舗掲示型QRコードによるアリペイ決済が、観光人力車「えびす屋浅草店」で使えるようになっています。この仕組みは中国本土ではお馴染みですが、日本のサービス業や飲食店で利用できるようになったのは初めてなのだそう。
「店舗掲示型QR決済」は、予め店頭のステッカーやPOPによって掲示されているQRコードを来店者がスキャンし、決済する方式です。
この方式は、中国では飲食店をはじめとした小規模店や、個人間の送金で多く使われており、加盟店がスマートフォンやタブレットのような特別な通信デバイスを使わなくてもアリペイ決済ができる点が大きな強みになっています。
このシステムを導入した「えびす屋浅草店」では、多言語に対応できる車夫を多く配備しており、訪日外国人客がよく利用する観光情報サイト、トリップアドバイザーでも高評価を得ています。
事前予約・当日申込ともに訪日外国人客の利用がおよそ半数を占めているほどで、アリペイ導入前の現金支払い率はおよそ8割。浅草店では全ての車で、アリペイの掲示型QR決済が利用可能となっていることから、今後、中国人観光客のさらなる利用が見込まれるのではないでしょうか。