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中国ターゲティング型サンプリングのススメ 「1度使ってもらえれば…」を叶える方法とは?

【今回はトレンドExpressのサービスのご紹介です】

日本企業が中国市場展開で必ず口にするのが「1度使ってくれれば、この良さがわかる!」という言葉である。

日本企業の技術力、生産される商品の品質の良さは中国でもよく知られている。しかし、だからと言って簡単に「試すために買わない」のが中国消費者であり、その「試しに使ってもらう」というのが非常に難しいという点に気づくまでには、中国市場で多くの経験を積まなければならない。

今回はその背景をもう一度整理しながら、その中国消費者に使ってもらうマーケティング手法を考えたい。


「1度使う」の難易度が高い中国消費者

中国消費者の財布の紐は堅い。

購入するまでにSNSで商品情報を調べ、成分を調べ、小紅書などの体験共有アプリで体験者の経験を探し、同時にそれが本当の購入者であるか、それとも企業の広告であるかを判断しつつ、同時にECサイトでは実際の購入者のレビューを調べ、購入を吟味する。

 

その姿は訪日観光において買い物かごに商品を詰め込む姿とは対照的に映るかもしれない(実は訪日前に上述の調査はしている)。

 

しかし、中国で行われた消費者の実態調査では、消費に対して慎重な姿勢が見えてくる。

 

現在日本でも注目されているライブコマースについて、2020年2月に中国消費者協会が消費者の意識調査を行っている。

その中の「ライブコマースの問題点」についての設問において、中国消費者は「衝動買いを誘発する」ことに次いで「商品の実体験ができない」という点を問題として回答している。

【グラフ】「ライブコマースの問題点は?」に対する回答

出所:『直播電商購物消費者満意度在線調査報告』(中国消費者協会)

またそれは大都市だけのことではなく、地方市場でも同様である。

 

国元証券が行った地方都市市場、いわゆる「下沈市場」における国産・国際化粧品ブランドの需要度合いに関する調査の中で、国際ブランドを使用する理由をヒアリングしている。

その中では「効果の良さを体験した経験」が2番目に多く、「国産ブランドへの不信」という理由を上回った。

 

【グラフ】国際ブランドを使用する理由

出所:『深入低线城市,洞察最真实的低线美妆市场』(国元証券)

 

ここからも、現在国際ブランドが開拓を狙う下沈市場開拓においても消費者が「よい使用体験をしたことがあるか・ないか」がポイントとなっているのである。

 

つまりはECやライブというオンライン上で見たり聞いたりするだけではなく、「どこかで使ってみて“良い”と感じる」ことがなければ、本格的な購入につながっていかないのである。

 

特に日本製品は「品質が良い代わりに、価格が高い」という印象、実体がある。日本のようにお試し購入が起こりにくい状況にあるといえるだろう。

「使えば分かる」商品でも、ECサイトで一見しただけでは「使ってもらえない」のである。

中国消費者に「使ってもらえる」ツールが登場

使ってみてよい体験ができれば購入につながるとわかっていても、どのように消費者の実体験を増やしていけばいいのだろうか? 使ってもらうといっても単純に「配っただけ」で企業側にメリットはあるのだろうか?

 

そうした声によって生み出されたのが、トレンドExpressの「意中盒- SURPRISE BOX-」である。

 

同サービスは、まずは1500万人の中国の消費者の中から年齢や性別、さらには嗜好などによって、日本企業の商品ターゲットに合った消費者を抽出。その消費者に向け試供品を「ギフトボックス」という形で郵送し、使用してもらうというものだ。

ここで消費者が「良い商品」であることを体験し、認知すれば、彼らの正式購入につながり、同時にそれが周囲に波及していくことも期待できる。

 

また忘れてはならないのは、きちんと使用者のフィードバックを得ることである。実際に使ってみる中で生まれる改善意見などは、企業にとっては貴重な情報である。

 

この「意中盒- SURPRISE BOX-」では、そうした利用感想をアンケートという形で収集、分析をし、企業へとフィードバックする。

それによって単に配布するだけのサンプリングよりも、商品の改善やマーケティングにおける新たな訴求点など、より有益な情報を得ることができるのである。

ちなみにリアルにおける体験の重要性はマーケティングや販売のオンライン化が進んでいる中国でも再認識されており、オフラインで体験することをコンセプトにするリアル店舗が人気を集めている。

 

その代表が以前紹介したコスメのセレクトショップである。

ここのコンセプトは、いわゆるSNS映えがする店舗設計で話題を作って店内に人を呼び込み、そこで「全商品をテストできる」というもの。

その効果は明らかで、すでに多くのコスメブランドがセレクトショップを有力なチャネルとして活用している。


▼参考記事

中国Z世代を虜にする新型セレクトショップ「The COLORIST」 クチコミから見える人気ポイントは?


次回は、2020年12月に行われたウェブセミナーで語られた「意中盒-SURPRISE BOX-」活用企業の声に耳を傾けてみよう。

※中国消費者に向けたターゲティング型サンプリング調査サービス「意中盒-SURPRISE BOX-」について詳細をご希望の方は「こちら」までお問い合わせください