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群雄割拠の中国スマホ市場! 市場シェアの変遷から変化の速さを感じ取る! ~〇〇と評される小米はウェアラブル端末に活路~

中国の「自主品牌」(国内メーカー)として、スマホ市場で底堅いシェアを誇ってきた中国・北京市に拠点を置く小米(シャオミ、小米科技)や、同国・深センに拠点を置くHUAWEI(ファーウェイ、華為技術有限公司)といったメーカーをご存知ですか?

2000年代を通じて、中国はスマホの世界有数の市場としての地位を揺るぎなくしました。中国市場でのスマホの売り上げのシェアはすなわち世界市場におけるプレゼンスの高さといえます。本編ではそんな一大市場におけるメーカーのシェア推移をデータから確認し、報道の様子と合わせて日本とはスピードの違う流行の移り変わりの速さを見てみます。

図1、表1とも参考:2016年第4四半期および2016年 世界ウェアラブルデバイス市場規模を発表(出典:IDC Japan)

2016年は小米が注目されていた

まずは昨年、2016年のスマホ市場で目立っていたメーカーについて、報道から振り返ってみます。

2016年は、前年のトップシェアであった小米が海外への進出やラインナップの拡大により注目された年でした。国内市場に限らず、2016年にはインド市場などの国外市場でも徐々に存在感を見せつつあることが、日経新聞(2016年7月7日朝刊)等によって報道されています。さらに、「驚くほど手頃でかつ高品質なスマートフォンをつくっていることで有名」な小米が、「驚くほど手頃でおそらく高品質なドローンを商品ラインナップに登場させた」ことがWIRED(2016年6月16日)によって報道されています。

参考:中国シャオミ参入、「ドローンビジネス」はどう変わるのか(出典:WIRED)

大小のメディアによる報道からは、国外市場への展開や新規分野への参入など、同社の「快進撃」の様子がうかがえます。しかし、こうした小米に関するポジティブな報道が賑わっていた昨年2016年の上半期が遥か昔に思われるほど、現在の中国のスマホ市場でのシェアランキングは変動を見せています。

「一年天下」!? 中国スマホ市場の近年の動向

中国スマホ市場の現状を、実際のデータから確認してみます。

図1は中国におけるスマートフォン会社の市場シェアの推移です(上位5社、2015年、2016年、2017年第1四半期)。これによると、「その他」の項目が2015年の時点で40.3%だったものが、2017年の第1四半期には29.6%まで大幅に低下していることがわかります。この二年間で、上位5社による市場の独占が進行していることが見て取れます。

中国におけるスマートフォン会社の市場シェア推移グラフ:2015年:vivo8.2、HUAWEI14.6、OPPO8.2、Apple13.6、小米15.1、その他40.3:2016年:vivo14.8、HUAWEI16.4、OPPO16.8、Apple9.6、小米8.9、その他33.5:2017年:vivo14.1、HUAWEI20.0、OPPO18.2、Apple9.2、小米9.0、その他29.8

(単位は%)

図1 中国スマホ市場(上位5社)のシェアの推移
※小数点の関係上、合計が100にならない場合がある
※2017年のみ四半期データ、他は年次データ。

次にこれらシェアの推移を順位で置き換えてみてみます。

2015年 2016年 2017年(第1四半期)
1位 小米 OPPO HUAWEI
2位 HUAWEI HUAWEI OPPO
3位 Apple vivo vivo
4位 OPPO Apple Apple
5位 vivo(同率4位) 小米 小米

表1 中国スマホ市場(上位5社)のシェアの順位の推移

小米の順位を時系列でみていくと、2015年には1位であったものの、翌年の2016年には5位に転落し、足元のデータである2017年第1四半期の時点でも5位に留まっています。

また、シェア1位のメーカーを時系列でみると2015年が小米、2016年はOPPO(オッポ、広東欧珀移動通信有限公司)、2017年第1四半期はHUAWEIと、毎年メーカーが入れ替わっていることがわかります。中国スマホ市場の「一年天下」がここにはっきりと表れています。比較的堅調に見えるHUAWEIですが、来年どうなっているかは誰にも分からないと言えるでしょう。

小米はスマホ市場での成長を糧に、次なる市場へ

2016年にシェア1位となったOPPO、そして同年3位のvivo(ヴィーヴォ、維沃移動通信有限公司)は日本では聞きなれないメーカーかもしれません。

両社は中国市場での躍進をベースに、世界市場でも屈指の実力を持つメーカーに成長しつつあります。2016年夏の日経新聞の報道では、ある中国人消費者の「今はOPPOかvivo、小米はもう古い。飽きたし、あんな安物は持っているだけでちょっと恥ずかしいよ」といった声が紹介されています。高品質な製品への支持が感じ取れると同時に、現在の移り変わりの激しい中国スマホ市場を象徴する一言とも言えるのではないでしょうか。

スマホ市場で消費者からそっぽを向かれているかのような小米ですが、ポジティブなデータもあります。IDC Japanのデータによれば、スマホ市場における小米のシェアは停滞していますが、一方でウェアラブル端末(スマートウォッチのような、身に着ける端末)では好調な業績を見せています。

2015年に同分野の市場シェア26.8%で1位を占めていた米国のフィットビットが翌年の2016年にはシェアを22.0%に低下させる一方で、小米は2015年のシェアが14.7%、翌年の2016年は微増の15.4%となっています。じわりじわりと1位に近づきつつある状況であり、今後市場規模の拡大が期待される分野で小米が堅調にシェアを伸ばしつつあると言えるのではないでしょうか。

次なるシェアトップから消費者の気持ちを読み取る

ここ数年の中国スマホ市場のメーカーシェア現状としては、中国国内メーカーは順位を入れ替えながらOPPO、vivo、HUAWEI、小米の4強が市場を争っています。ただし、本編で見てきたデータや消費者のコメントからわかるように、ついこの間一世を風靡した小米は現在スマホ市場では下位にしがみついている状況です。

こういった小米のエピソードから、中国市場では5年後には誰も聞いたことのないメーカーがトップに君臨している可能性もある、と想像することもあながち間違いではないと言えるのかもしれません。一方で、ここ数年「衰退」と評価されていた新浪微博が2017年の第一四半期でそのMAU(月間アクティブユーザー数)を盛り返すといった現象も起きています。スマホ市場で小米が再びトップに返り咲くこともありうる、と言えるのではないでしょうか。

参考:3.4億人が使う中国「ウェイボー」を支える3つの成長要因(出典:Yahoo!ニュース)

中国スマホ市場の次なる下剋上ストーリーに注目し、中国人消費者の心理の一端を覗き見たいと思います。