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【特集】もうすぐ夏休み!今夏の消費動向を予測(6)~性別と年代でセグメント! きれいになりたい若者と「典型的日本体験」重視のアラサー~

(5)ではSNS上で「したい」と書き込まれているコト消費全体のランキングの男女比率と年代別構成比についてみてみました。旅程決定のキーパーソンとなりそうな女性の姿、家族旅行をさらに快適にしてファン化を狙うための施策のヒントが見えたのではないでしょうか。


▼男女別、年代別の「したいこと」分析の前半はこちら

もうすぐ夏休み!今夏の消費動向を予測(5)~体験別ターゲット像とターゲットの求めるサービスとは?


男女別ターゲット像、メンズにとって旅行は「ハレの日」! だからしたい〇〇

では次に、男性の割合が多い体験を見てみましょう。

「〇〇したい」男性割合TOP10

  〇〇したい 割合
1位 オートバイを運転したい 96.6%
2位 日本でサイクリングをしたい 71.9%
3位 撮影をしたい 71.0%
4位 富士山に登りたい 70.5%
5位 カプセルホテルに泊まりたい 69.9%
6位 新幹線に乗りたい 68.3%
7位 日本の農家で働きたい 64.2%
8位 日本料理を食べたい 60.0%
9位 紙漉きをしたい 43.6%
10位 人力車に乗りたい 41.9%

オートバイの運転は25~34歳が52.3%、次いで35~50歳が43.7%となり、サイクリングは19~24歳がトップで47.2%と半数近くに、次いで25~34歳が32.6%となりました。オートバイ運転やサイクリングなどアクティブなものが上位を占める中、意外なのが3位の「撮影をしたい」ではないでしょうか?

女性が撮影に積極的なのはすでに言うまでもないところですが、男性も旅行を「ハレの場」としてとらえ、撮影をして回りたいと考える方も一定数いるようです。また、中国人社会に存在する「圏子」という考え方の影響により、日本旅行に関する情報を仲間にシェアしたいという思いが、男女変わらず根底にあることも考えられます。


▼シェアしたい、中国人の心理についてはこちらの記事にて解説をご覧ください!

中国人社会に存在する「圏子」とは? ~メンバーの利益が最優先。中国でクチコミが共有される社会的背景~


ちなみに、撮影をしたいと回答した年齢層で一番割合が多かったのが19~24歳で、47.2%と半数近くを占めています。
やはり若い方ほど、フォトジェニックにこだわるという傾向があるのでしょうか?そこで次に、年齢層別の「〇〇したい」TOP5を見てみたいと思います。

年代別に見る特徴~20代前半は「フォトジェニック型」、20代後半から30代前半は「王道を極める型」、35歳~50歳は「文化体験型」

では年齢層別のTOP5を見ていきたいと思います。年齢層によって大きな特徴はあるのでしょうか?

「〇〇したい」19~24歳割合TOP5

  〇〇したい 割合
1位 美容院に行きたい 69.1%
2位 カプセルホテルに泊まりたい 62.4%
3位 着物を着たい 58.4%
4位 舞妓さんになりたい 54.4%
5位 日本でサイクリングをしたい 47.2%

19~24歳の層では、きれいになって自撮りする、中国で見たことのない宿泊施設に泊まるなど、ある意味フォトジェニックなものが上位に並びました。若い世代を引き付けるにはフォトジェニックであること、これは世界共通なようです。

次に、25~34歳を見てみましょう。

「〇〇したい」25~34歳割合TOP5

  〇〇したい 割合
1位 日本料理を作りたい 81.1%
2位 エステに行きたい 57.2%
3位 オートバイを運転したい 52.3%
4位 温泉に入りたい 50.4%
5位 買い物したい 46.5%

この年齢層は、TOP20 の書き込みユーザーの4割強を占めていることから、全体ランキングの傾向と類似が見られます。買い物や温泉などは「日本旅行」の定番として認識されているものであり、この世代は典型的ともいえる日本旅行を楽しみたい傾向があるのかもしれません。

最後に35~50歳の層を見てみましょう。

「〇〇したい」35~50歳割合TOP5

  〇〇したい 割合
1位 日本の農家で働きたい 45.3%
2位 オートバイを運転したい 43.7%
3位 人力車に乗りたい 37.2%
4位 お寺に行きたい 29.8%
5位 富士山に登りたい 28.9%

1位はなんと、「日本の農家で働きたい」でした。

他の年齢層と比較すると、「人力車」や「お寺」、「富士山」「農家」など、「日本らしさ」「日本文化」といった言葉で表現されそうな存在への関心が高いことがうかがえます。

まとめ

以上の分析からは、一口に「コト消費」といっても、年齢層や性別で、関心を抱く対象に違いがあることがわかったと思います。夏休みは家族連れや、卒業旅行の学生グループなどが来日することが予想されます。「中国人」とひとくくりにすることなく、彼らがそれぞれやりたいコトにたどり着けるよう、プロモーションや子供預かりなど周辺サービスの整備を行っていくことが重要なのではないでしょうか。

参考:
中国経済新聞に学ぶ~夏休みは3,000万人超が海外へ(出典:NetIBNews)
中国人学生の卒業旅行、海外が国内上回る!中でも人気は…―中国メディア(出典:レコードチャイナ)

 

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もうすぐ夏休み!今夏の消費動向を予測(7)~書き込みユーザーの居住地から、各体験の魅力度をチェック!~