【特集】中国美容事情(1) ~どんな悩みが多い? クチコミ件数から中国女性の肌質を調査!~
もうすぐ夏本番。アウトドアの楽しい季節ですが、反面気になるのが肌へのダメージではないでしょうか。アウトドア人気も増してきているという中国ですが、どんな肌の悩みを持つ人が多いのか、気になるところです。
今回の【特集】では「美容」をテーマに、複数に分けて中国の女性、そして男性の美容への関心について分析、考察をお届けします。第一回目の本編では、ネット上のクチコミから中国人の肌の悩みを探ってみました。
ネットでのスキンケア相談のお作法とは?
中国は国土が広く、一年中蒸し暑い地域もあれば、乾燥した地域もあり、その分女性のお肌の悩みも様々で、SNSやアプリの女性の悩みを発信するページをみると実に様々な内容が書き込まれています。
女性のお肌の悩みに関する書き込みには、掲示板が全盛だったころからの作法が今も残っています。『肌の悩みや相談事の書き込みには、必ず自分の肌についての基本情報を添える』というものです。
ネット上でパソコンのトラブルを相談する際には、パソコンのメーカー、OSのバージョン、利用しているソフトウェア、ネット環境等を詳細に伝えてから質問を投げかけるのではないでしょうか。中国の女性はまるでPCの不具合を相談するように、「肌のタイプは〇〇、使っている化粧品は××、メイクはファンデーションとマスカラを使っています。0時就寝6時起床、クルミが好き。最近肌荒れで困っています、何かいい商品はありますか?」と、詳細に現状の情報を含めた書き込みを行うのです。
整理すると、書き込みには以下の情報を記載することが、ネット上でお肌の話題を出す時のいわば「お作法」になっています。
◎ネット上の書き込みでマストな「お肌に関する情報」
- 肌のタイプについて(オイリー肌、乾燥肌、中性肌)
- 普段使っている洗顔料、化粧品
- 化粧をするかどうか
- 睡眠時間
- 食べ物の好み
- その他
もちろん中には、「肌あれで悩んでいます。どうしたらいいですか?」と悩みだけを発信する人もいますが、そのような書き込みには多くの場合あまり親切な回答は得ることはできません。
自分の置かれた状況を明らかにすることで、有効なアドバイスを得ようとする、これが中国のネットでの肌に関する書き込みの定石となっています。そのため、書き込みをみることで、肌に悩みを抱える中国の方の肌質までも見えてくるのです。次項では、肌質に関するクチコミデータを見てみます。
クチコミ件数別! お肌の悩みとタイプ~悩み多きオイリー肌
では、中国の女性はどのような肌の悩み、そして肌質なのでしょうか。
肌の悩み
2017年1月から5月の5か月間で、新浪微博上で発信された肌の悩みに関する内容を整理してみると以下のようになります。
肌荒れ | 38,984 |
吹き出物 | 22,898 |
クマ | 16,774 |
しみ | 11,893 |
ニキビ | 7,883 |
小じわ | 2,374 |
顔色 | 1,190 |
その他 | 894 |
対象期間:2017年1月-5月
対象SNS:新浪微博
対象ユーザー:女性
悩みの第一位は「肌荒れ」、続いて「吹き出物」、「クマ」となっています。
書き込まれている内容をみると、先天的な悩みというよりは、寝不足、不規則な生活が原因となっていることが多く、結果としてこれらの悩みに関する書き込み件数が増える傾向にあるようです。
肌のタイプ
また、上述した肌のタイプについてみると、肌のタイプを自己申告している書き込みから、肌質の傾向は以下のように分かれます。
オイリー肌 | 3,398 |
乾燥肌 | 2,134 |
混合肌 | 398 |
データ出処:上のデータから肌タイプを申告している書き込みを収集、整理
肌の悩みに関する書き込み発信が多いのは「オイリー肌」次いで「乾燥肌」となっていました。
オイリー肌の場合肌のテカリや吹き出物等のトラブルが起きやすいことで、書き込み件数が多くなっているのかもしれません。
乾燥肌の場合は、化粧が乗らない、ファンデーションが粉を吹くなど、化粧と関係した内容、また洗顔すると肌が痛い、ヒリヒリする等の悩みの内容が多くみられます。
二者と比べると、混合肌のユーザーは相対的に書き込み件数が少なくなっています。ネット上で肌の悩みを打ち明けているのは、オイリー肌、乾燥肌の女性のようです。
まとめ
一口に「中国の女性」といっても国土は広く、もちろん様々な肌質の人がいます。悩みもまた様々です。女性の肌タイプや悩みの種類をあらかじめ知っておくことは、日本の商品を知ってもらうためのコミュニケーションを行ううえで、リアル・ネットを問わず非常に重要なポイントとなります。
今回SNSの新浪微博の書き込みを収集、分析したところ、生活習慣からくる肌荒れや吹き出物、クマが悩みの主流とわかりました。また、肌質でいえはオイリー肌の方がトラブルを抱えがちなようだということがわかりました。
以上を踏まえれば、オイリー肌の方向けの商品であれば、「トラブルが減る!」といった訴求方法が有効となってくるかもしれない、という仮説も見えてきます。また、肌の悩みを抱えている方はストレスの多い生活を抱えているということも考えられます。
こういった中国の方の「リアルな感想」「本音」の出ているSNSを、ビッグデータから分析することで、顧客となるユーザーの心理を理解していくことができるのではないでしょうか。そしてつかんだ本音を施策に活かすことが、ユーザーを理解しファンになってもらう糸口となっていくでしょう。
▼続きはこちら