【特集】中国美容事情（２） ～年代別クチコミランキングで年齢とともに変わる肌質も見える？～

今回の特集では、中国の女性の美容意識に迫ります。（１）では、中国女性のお肌の悩みについてクチコミの件数からその傾向をさぐってみました。日本も中国も、オイリー肌の方が解決策を求める切実さは変わらないのかもしれません。

中国美容事情（１） ～どんな悩みが多い？　クチコミ件数から中国女性の肌質を調査！～

さて、今回はオンラインツール「トレンドViewer」を用いて算出した、訪日中国人が日本で「買った」「買いたい」と書き込みしている化粧品について、特徴を探ってみたいと思います。

まずは、訪日中国人が日本で買ったランキングの、コスメ・美容カテゴリ上位 30位について、中分類ごとのクチコミ件数をグラフに表しました。それぞれの件数の推移を見てみましょう。

対象SNS：新浪微博
対象期間：2017年1月4日～6月20日
検索ワード：「日本　買った」と書き込まれている化粧品を分類

「コスメ・美容」上位30位のクチコミ件数推移を見てみると、「スキンケア・基礎化粧品」の割合が圧倒的となっています。訪日中国人が購入する化粧品のメインは、今のところスキンケア・基礎化粧品といえるようです。そこで今回は、「スキンケア・基礎化粧品」カテゴリ４月のTOP10アイテムについて、クチコミのユーザー属性を分析してみたいと思います。

その前に、メイクアップ用品は需要がないのだろうか、という疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。三菱総合研究所の政策経済センター研究員の劉氏が東洋経済オンラインで執筆しているところによると、中国には「自然美」という伝統意識があり、「健康に注意を払えば肌も美しくなる、化粧をすることは欠点を隠すことである」というように考えるそうです。健康を実現して隠さなければいけない欠点を根絶するという考え方は、正論のように思えますし、自分に自信をもって生きる中国の方らしいと言えるのかもしれません。そうはいっても、メイクアップ商品のクチコミも一定数ありますので、こちらの今後の動きにも注目していきたいところです。

参考：
中国女性はなぜ｢自撮り加工｣に超必死なのか　日韓とは｢整形｣｢化粧｣の意識がこんなに違う（出典：東洋経済オンライン）

ニキビ対策に余念がない若者、アルビオンのアラサー、雪肌精のアラフォー

ここからは、日本で「買った」「買いたい」クチコミランキングにおける、「スキンケア・基礎化粧品」カテゴリ４月のTOP10アイテムについて、クチコミのユーザー属性分析を進めていきたいと思います。

【調査概要】
対象SNS：新浪微博
対象期間：2017年3月29日～5月2日
調査概要：「日本　買った」「日本　買いたい」書き込みの4月分において、大分類「化粧品」から中分類「スキンケア・基礎化粧品」のTOP10を算出し、クチコミユーザーの属性を収集・分析

まずは年代別に、「買ったランキング」クチコミ件数4月月間TOP5を見ていきます。最初は19～24歳です。

19～24歳　「買った」4月月間TOP5

1位は肌美精 大人のニキビ対策シリーズとなりました。

美容特集（１）で、中国女性の肌質で一番多いのがオイリー肌、そしてお肌の悩み2位が吹き出物という結果が出ましたが、その結果を裏付けるようなランキングではないでしょうか。

ニキビ対策の1位だけではなく、2位が洗顔フォーム、3位がクレンジングオイルとなり、オイリー肌の方が日々の洗顔に気を使っている様子がうかがえます。

では次に、25～34歳を見てみましょう。

25～34歳　「買った」4月月間TOP5

1位と5位にアルビオンの商品がランク入りし、この年代における人気の高さがうかがえます。また、3位のハイピッチ ディープクレンジングオイルW、4位のカウブランド 無添加洗顔フォームは19～24歳同様上位にランク入りしており、ここでも肌質からくる洗顔への関心の高さがうかがえます。

最後に、35～50歳を見てみます。

35～50歳　「買った」4月月間TOP5

35～50歳においては、1位と3位にコーセーの商品が、2位と4位にアルビオンの商品が入り、これらのブランドへの信頼度の高さがうかがえます。また、マスクが2商品ランク入りしており、年齢を重ねた肌への一歩進んだケアを大事にしている様子がうかがえました。肌の張りや潤いを回復させたいという思いがあるのではないでしょうか。

続く特集（３）にて「買いたいランキング」を年代別にご紹介し、その後「買った」の結果と合わせて考察を行いたいと思います。

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中国美容事情（3）～「買いたい」に表れる19歳の憧れと、アラフォーのデリケートなお肌が求める商品とは？～