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【クララオンラインレポート】中国の薄毛対策事情

(株式会社クララオンライン コンサルティングチーム)

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中国の人口は 13 億人を越えるが、薄毛に悩む人はおよそ 2 億人に上る。その大半が 男性で、約 1.3 億人は男性型脱毛症(AGA)だという。AGA に悩む人は年々増えている というが、薄毛対策商品は日本に比べてまだ少ない印象を受ける。ちなみに中国では、「髪を愛する」という意味の中国語の語呂合わせから、5月28 日が「髪の毛の日」だ。

薄毛の理由と対策、玉石混交の情報があふれる

中国でも薄毛の要因として、男性ホルモンの影響、仕事や勉強によるストレス、遺伝などが知られているが、他にも間違った方法による洗髪、頻繁な洗髪、パーマや毛染めのやり過ぎ、安全でない食品の摂取、大気汚染、デジタルデバイスの長時間の利用、ヘアブラシを洗わない、貧血、伝染病、長期的な薬の服用など、真偽のほどが定かでない様々な情報が出回っている。

また、薄毛対策についても、塩水で週に2回5 分間頭皮を洗う、生姜のしぼり汁を週に数回頭皮に擦り込む、朝昼晩に10 回ずつブラッシングするといった民間療法的なものから、特定の食品(魚、青菜、豆、ニンジン、ゴマ、鳥 肉、タマゴ、脱脂粉乳など)を多く食べる、 適度に運動して6 時間以上の睡眠をとる、楽観的になる、大気汚染を避けるといったものまで様々な情報がインターネットや SNSを通じて広がっている

 第一の選択肢は「育毛剤」

中国では特に中高年の男性の間で、若々しくみなぎる自信を印象付ける黒髪が好まれる傾向があるが、薄毛に悩む男性の95%が明確な診断を受けていないのだという。

薄毛人口が増える中、手軽に始められる育毛剤はやはり最初の選択肢となるようだ。かつては日本でもブームになったと聞く「章光 101」をはじめ、中国メーカーの製品には漢方エキス入りのものが目立つ。海外メーカーの製品も輸入販売されているが、価格 が高く、あまり一般的ではないようだ。

中国の育毛剤「章光101」

翻って、中国のインターネットや SNS 上で「日本に行ったら買うべき」と紹介されている育毛剤・発毛剤としては、大正製薬の「リアップ」シリーズ、柳屋の「ヘアトニック」、資生堂の「不老林」シリーズ「薬用アデノゲン EX」、アンファーの「スカルプ D スカルプジェット」、第一三共ヘルスケアの「カロヤン プログレ EX」、小林製薬の「アロエ育毛液」、女性用では資生堂の「セラムノワール N」、資生堂の「ベネフィーク スカルプエッセンス」、ローコスメティクスの「髪潤々」、ポーラの「グローイングショットBK」などの名がよく挙がっている。

男性用はドラッグストアで手に入る商品だが、女性用はデパートの化粧品カウンターで一緒にお勧めされて購入したもの、という印象だ。

このほか育毛シャンプーとしては、花王の「サクセス薬用シャンプー」、資生堂の「アデノゲン スカルプケアシャンプー」、ライオンの「PRO TEC」といった商品がよく紹介されている。

近年はシート、パウダー、そして手術も

一方、インターネット上に出回る「爆買いリスト」には、日本に行ったら絶対買いたい商品として様々な育毛剤やシャンプーが挙げられている。男性向けはドラッグストアで手に入るものが多く、日本在住の中国人による 代理購入の案内もよく見かける。

かつら市場はまだ規模が小さいが、医療用かつらを含めこれから需要の拡大が期待される。一般的なかつら以外に、頭皮に直接貼り付ける増毛シートや粉状の繊維をふりかけてふんわり見せる増毛パウダーもあるが、まだ輸入品が多い模様だ。

さらに本格的な治療となると、数万元の費用がかかる植毛手術も広く行われている。全国展開する専門 病院が数多くあり、今ではインターネット上に豊富な症例写真や経験談がある。

CCTV で植毛手術を紹介する番組を放送したり、共同購入サイトに格安の体験プランを出品したりして、手術の安全性や効果を宣伝しているほか、病院のWEB サイトではチャットで直接専門医に治療内容や費用の不安を相談できるようになっているのが一般的だ。

近年は人々の消費能力が向上し、身なりに対する意識が変化していることから、薄毛対策 市場はさらなる拡大が期待されている。

 

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