【中国人観光客に人気】2017年夏を振りかえる(3)~流行先取り!紅葉の時期はさらに来客も?箕面ほか人気急上昇スポットTOP10~
夏の振り返り、最後の1編です。この夏「日本で行った」と言及されているスポットのうち、ランキング順位の上昇が著しかったTOP10を、新浪微博の書き込みと合わせて紹介します。
夏に「行った」ランキング順位急上昇のスポット、人気の秘密は
トレンドViewerの新機能である「上昇率ランキング」と「ランキング期間集計」を利用し、この期間に上昇率の高かった(以前と比べ話題となった)スポットを見てみてみたいと思います。
まずはTOP5からです。
上昇率ランキング TOP5(期間:7月5日~8月22日)
順位 | スポット |
---|---|
1 | 箕面(大阪府箕面市) |
2 | 観月橋(京都市伏見区) |
3 | サンリオピューロランド(東京都多摩市) |
4 | 堺 |
5 | 伊勢丹新宿 |
- 1位「箕面」
1位は大阪府の「箕面」となりました。件数ランキングでは昨年秋からランクインし、少しずつ順位を上げており、この夏上昇率がアップしています。何が人気なのでしょうか? 新浪微博のクチコミを見てみると「箕面の滝」の写真が並び、自然の美しさを求めて訪れていることがわかります。
そのほか、旅行体験共有サイトであるmafengwoにも「箕面公園」のトピックが出来上がっていました。こちらには滝だけではなく、大阪の郊外で交通が便利なこと、桜と紅葉の見どころであることが紹介されていますが、このサイトのクチコミはまだ7件だけです(同サイトで日本の観光地としてクチコミ件数で一番となっている奈良公園は約1,800件、次点のディズニーランドは約1,300件のクチコミがアップされています。編集部確認、いずれも2017年9月21日)。
おそらく「知る人ぞ知る」スポットで、人気の大阪でも知られざる(しかし比較的交通手段が整っている)名所として、価値が上がっているのではないでしょうか。
その価値を証明するかのように、つい先週大手ニュースメディア「鳳凰網」が紹介した「日本の紅葉、楓」特集では、トップバッターに箕面公園が取り上げられています。調べてみたところ箕面公園の紅葉に言及するウェブニュースは昨年複数ありましたが、一昨年は2月に滝の紹介があっただけでした。ネットで情報が露出したことで集客につながっている可能性がありそうです。
- 3位「サンリオピューロランド」
3位の「サンリオピューロランド」は、ここ1年は緩やかな下降傾向にありましたが、8月に入りランキング順位が急上昇しています。サンリオピューロランドでは、中国で電子チケットを販売したり、アリペイを導入したりと訪日中国人の需要に応える様々な策を講じています。
室内のテーマパークとあり、暑い夏にも訪れやすいという点も集客に一役買っているかもしれません。7月には「美少女戦士セーラームーン」のファンミーティングが開催されこれに参加しているとのクチコミもあり、話題には事欠かないようです。
特に、例年開催されている「夏祭りinサンリオピューロランド」では、今年はテーマが「夏イルミ!『キャラクター昼祭り&イルミネーション夜祭り』」となっており、夜はライトアップを目玉とした構成になっていました。トレンドExpressで週次のクチコミ件数から作成している「日本で〇〇したいランキング」では「ライトアップ(夜景)をみたい」がTOP10の常連となっています。イルミネーションに心惹かれる中国人観光客が、このフックで関心を高めた可能性も考えられます。
- 4位以降~
5位には「伊勢丹新宿」がランクインしました。いよいよ国慶節を迎えるまでのラスト1週間となりますが、週次クチコミ集計ランキングの一つ「日本で行ったランキング」では、「Ginza SIX」「有楽町マルイ」「ラフォーレ原宿」などのショッピングスポットがランキング順位を上昇させており、買い物意欲の高まりを感じさせます。訪日中国人の「ショッピング熱」再来となるのでしょうか。
続いて6~10位です。
上昇率ランキング 6位~10位(期間:7月5日~8月22日)
順位 | スポット |
---|---|
6 | 那須 |
7 | 大阪駅 |
8 | 池袋 |
9 | 勝浦市 |
10 | 由布院 |
- 7位「大阪駅」
7位の「大阪駅」に関して、新浪微博をのぞいてみると『水の時計』が話題になっていました。落ちる水が数字やチューリップの形を作り上げる様子が動画でアップされています。
また『梅田空中庭園』の所在地として言及もありました。
まとめ
地域別ランキングでそれぞれの地域の人気アイテムを確認しました。中国人消費者の生活スタイルが見えてきたのではないでしょうか。
人気となりつつあるスポット、1位にはウェブでの情報量の増加と、実際に足を運んだ人の少なさで、目新しさが高まっている可能性がうかがえました。クチコミ件数によるランキングは各種公開していますが、上昇率ランキングをチェックすることで、訪日中国人の「先取り感」を満たせるコンテンツが見つけ出せるのかもしれません。
他に人気の上昇しているスポットには「ハード面での利用しやすさ」「アニメコンテンツ」「ライトアップといった今ムーブメントを起こしているコンテンツ」「ショッピング」「驚きを与える美しいアート」といった要素が確認できました。
上記のような「価値あるコンテンツ」は、情報として拡散しなければ、中国人観光客が訪日旅行の計画を立てる際の選択肢にすら入れなくなってしまいます。訪日中国人に響く魅力の創造と、情報発信が中国向けマーケティングの要であることは間違いありません。
引き続きトレンドExpressでは「中国人観光客」「中国人消費者」に響くコンテンツ、要素を、ソーシャルビッグデータを軸に解き明かしていきたいと思います。
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