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【中国人気商品】3位「ソフィーナボーテ 濃密リンクル美容液」がついにTOP3に、7位「ファンケル エイジングケア マスク」

トレンドExpressでは、一週間の中国ソーシャルメディアでの日本関連書き込み総件数の推移、および日本で「行った」「買った」「食べた」「買いたい」「したい」と言及されている投稿の件数を毎週集計しランキング化しています。また独自集計によるECサイト人気日本商品ランキングも週次で公開しています。

今週の【週次ランキング解説】は、2017年6月28日~7月4日の期間、中国のECサイトから独自集計(※)し作成した「ECサイト人気日本商品」ランキングです。

※京東商城、淘宝網について、販売数が多い日本商品(日本からの輸入)を両サイト上で毎週検索し、販売数情報と商品個別のクチコミ情報を組み合わせ独自にランキング化したもの。

国慶節期間「ショールーム」で消費者の心を打ちぬき「双11」で勝利を手にするのは!?

さて明後日、10月1日はついに国慶節です。この期間の消費動向はインバウンド消費、ECサイトでの消費に影響を与えないと考えていると、大事なチャンスを逃すことになりかねません!

11月にはECサイトのセール「ダブルイレブン」が待っています。国慶節期間の訪日旅行者により、SNS上にクチコミが投稿されれば、ダブルイレブン期間の消費動向にも影響を与えます。

インバウンド旅行者のショッピング体験は「日本製品のショールーム」を経験してもらうことにほかなりません。実物を手に取ってもらい、国内の消費者にその存在を広めてもらうチャンスと言えます。


▼国慶節期間のインバウンド消費が翌月のECセールに影響を与える!

【セミナーレポート】2017年国慶節需要を逃さない!(1)10月上旬の国慶節連休が最も重要な商戦期である理由


これからの越境ECでは「洗顔、化粧水のその先」

TOP10のアイテムは、順位が入れ替わったものの顔ぶれに大きな変化はありませんでした。そんな中、順位変動のあったアイテムに着目したいと思います。

今週のECサイト人気商品ランキングTOP10

3位「ソフィーナボーテ 濃密リンクル美容液」がついにTOP3にランクインしました。また7位「ファンケル エイジングケア マスク」は8月以来、二度目のTOP10入りです。

洗顔、化粧水という肌の手入れにおいて最も基礎の部分から、美容液、アンチエイジングとまた一段階上のケアを行うようになってきている、そしてそこで日本製品を手に取るという生活スタイルの変化が見えてくるようです。

秋に向かって顔ぶれに変化も、11位以降のアイテム

続いて11位以降を見てみます。

秋の気配に影響されてか、「女の欲望 COOL&UVアームカバー」はトップ10を逃して今回は11位となりました。またユニ・チャームの「シルコット」が同商品の最高順位12位を記録しています。これから乾燥する季節であることを踏まえ、需要が増してきているのかもしれません。季節の変わり目を感じさせる結果となりました。

保湿と関連してか、15位「ソンバーユ」も自己最高順位となりました。最高14位、今週16位の「いつかの石鹸」と同じく、5月あたりからそれぞれ68位、47位を底に順位が上昇しています。

「ソンバーユ」に関しては「妊娠中は妊娠線の予防に、子供が生まれたら(おむつによる刺激などに対する)皮膚の保護に使える」というクチコミが見られました。またネットの情報でも「無添加で安心」という認知がすすんでいることがうかがえます。

「妊娠中も、乳児も使える」というブランディングは中国のマタニティ・ベビー関連用品の市場では鉄板の売り文句であるといえそうです。


▼「妊娠中もOK」というキャッチコピーで成功した事例(会員限定記事)

【セミナーレポート】国慶節需要を逃さない!(5)事例から見る「発掘」「抽出」「選定」


マタニティ・ベビー関連用品は化粧品、お菓子と並んで中国人消費者のインバウンド消費の注目カテゴリです。鉄板の売り文句を生かさない手はないでしょう。

素肌をきれいに、ごまかしは不要、それが中国のスタンダード

「いつかの石鹸」は中国の検索エンジン「百度」(バイドゥ)で検索してみると、かなり粘度の高い大量の泡や、それを顔一面にたっぷり載せている写真などが現れます。角質ケアにより毛穴の黒ずみがなくなる効能をもった商品として認知されているようです。

29位には「プレミアム毛穴角栓ジェル」がランクインしていますが、ランキングの順位推移からは今年5~6月ほどの人気は今ありません。「いつかの石鹸」は、この商品がこれまで占めていた「毛穴対策」のニーズを受け止めるポジションを押さえ、順位上昇につながっている可能性もあるかもしれません。

販売会社の「水橋保寿堂製薬」の新浪微博アカウントには2000名以上のフォロワーがいます。更新も2日に一回ほど行われており、中にはプロモーションとは関係なく、関係者が中国の空港でくつろぐ姿を収めた写真をアップしたり、研究員の「えびちゃん」が奇妙なマスクをかぶってタブレットをのぞき込む「研究中」の姿をアップしたりと、ファンとの距離を縮めるような発信が見当たります。

商品の特徴を紹介する動画もアップしており、コメントが1800件とかなりの数がついていることからもファンの多さや商品の訴求に成功していることがうかがえます。またコメント欄から、日本関連のKOLも同商品を紹介したらしいことがわかります。SNS運用による認知向上、ファンとの交流やインターネット上の情報なくしてECでの人気には結び付かないことを感じさせられます。

また商品の効能が「素」の美しさを求めている中国人消費者の志向にマッチした可能性もあります。21位「肌美精 目もと集中リンクルケアマスク」は今回トップ20を逃しましたが、春節以降20位以内をキープしています。毛穴の黒ずみもクマも、隠すのではなく肌質を整える正攻法の商品がこれからも人気となっていくのではないでしょうか。

新浪微博では「シルコット」「ソンバーユ」「ロリエエフ」の三種を同時に販売しているソーシャルバイヤーが見られ、現在の「日本製品のスタメン」の顔が見えてくるようです。変化の速い中国人消費者のトレンド、季節の変化と合わせて今後の顔ぶれに注意を払っていきたいところです。

 


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