【中国人に人気】ベビー用品の「moony」
トレンドExpressでは、一週間の中国ソーシャルメディアでの日本関連書き込み総件数の推移、および日本で「行った」「買った」「食べた」「買いたい」「したい」と言及されている投稿の件数を毎週集計しランキング化しています。また独自集計によるECサイト人気日本商品ランキングも週次で公開しています。
今週の【週次ランキング解説】は、2017年9月13日~9月19日の日本で「買った」ランキングです。
ベビー用品の「moony」ついにトップの座を射止める
6月から夏の間ほぼ1位を独占していた「液体ムヒベビー」が7位に転落、変わって1位におむつの「moony」がランクインしました。
前週のトップ3のうち「白い恋人」は2位にランクアップしましたが、前週2位の「スクワクレンジング」は5位となりました。トップ10のアイテムのうち8位「キッカ メスメリック リップスティック」(前週12位)以外はトップ10の中で順位が入れ替わった形となっています。
今週は「買った」だけでなく、「日本で買いたい」「ECサイト人気日本商品」のランキングでも、上位の順位変動が見られた週でした。これから気温が下がってくるということと関係しているのでしょうか。
一方で「行った」「食べた」には大きな変化が見られませんでした。季節の変化を先読みした変化が現れるのが小売市場の特徴であり面白さかもしれません。
身体の不調は「中医」が判断基準、対処法の転換期がやってくる?!
12位には「新コンタック風邪薬」がランクインしています。同商品は2016年の春節前後にランクが急上昇し、同年6月以降ランクが低迷したのち9月を過ぎて冬に入ると50位前後までランクアップしました。
2017年の春節前後には再びランクアップしトップ10にも入りましたが、今年の夏にはやはり一度ランクを落とし、八月後半から順位が上昇に転じました。気温の下がる季節には「風邪薬」を備えておく習慣があるようです。
「風邪薬」に関して新浪微博のクチコミをチェックしてみると、「旅先では当地の風邪薬を買ってしまう」という男性の書き込みがあり、海外製品を試したいというニーズがうかがえます。また「風邪薬で夜7時40分から朝7時まで寝た、効果抜群…」「風邪薬きらい、すっごい眠くなるんだもん」「父にもらった風邪薬、飲めば飲むほど具合が悪くなる…」というように、風邪薬の効能、副作用の理解が浅い人も多そうだという印象を受けます。
また「百度指数」で「風邪(感冒)」を検索してみると、「999感冒霊顆粒」「何を食べたら早く直るか」「風寒感冒」といったワードとの関連性が強いことが分かります。中国の風邪薬ではこの「華潤三九医薬株式有限公司」が製造する風邪薬がメジャーなようです。「999」は中国全土で知られている名であり、同社の上場コードも「000999」です。
二つ目の関連語からは、中国では体調不良の際に「薬」ではなく「食事」で体調を整えようとするのが主流である可能性をうかがわせます。中国では、体調がよくないときに「白湯」を飲むことを心掛けたり、また風邪をひいている人に白湯を飲むよう勧めたりするのはよく見られる光景です。
「薬」で対処するものというイメージはまだ広まっていないのかもしれませんが、SNSのクチコミでは必要に駆られて薬を使っている人も少なくない印象です。百度の指数検索からは、先ほどの3つよりは関連性の弱い語ですが「何の薬を飲んだらいいか」という情報が検索されていることからも、これから風邪薬を利用したいと考える人が増えることを思わせます。
「風寒感冒」の「風寒」は中国医学(中国語では「中医」)の概念で、気温が下がることで引き起こされる種々の体調不良を指します。その違いを理解するためか、「風熱」のワードも関連語に表れています。こういった関連語からは、中国人が「中医」の概念を生活に密着させてとらえていることがうかがえます。風邪薬に限らず、体調不良に対処するアイテムの訴求には、この「中医」の観点を織り込んだアプローチも一考に値するのではないでしょうか。
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