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【中国人観光客人気】無印良品が人気

トレンドExpressでは、一週間の中国ソーシャルメディアでの日本関連書き込み総件数の推移、および日本で「行った」「買った」「食べた」「買いたい」「したい」と言及されている投稿の件数を毎週集計しランキング化しています。また独自集計によるECサイト人気日本商品ランキングも週次で公開しています。

今週の【週次ランキング解説】は、2017年10月4日~10月11日の日本で「買いたい」ランキングについて取り上げます。

国慶節、日本は人気アップもタイに勝てず

今年の国慶節は10月1日となっており、中秋節も含め10月1日から8日までの8連休となる人も多かったようです。

国慶節は中国では春節休暇と並ぶ大きな長期休暇なので、多くの人が海外旅行に出かけています。中国旅行研究院の調査によると、今年の国慶節期間中(10月1日~8日)に旅行に出かけた人数(国内旅行含む)は、7.1億人という結果になっています。

中国大手旅行予約サイトのシートリップ(携程旅行網)によると、国慶節(建国記念日)の大型連休(10月1~8日)に合わせて海外を訪れる中国人の「人気渡航先ランキング」で日本はタイに次いで2位となりました。昨年の2位は韓国で日本は3位となっていましたが、今年は順位を一つ上げた形になります。

韓国はTHAAD配置による中韓関係の悪化が影響しランクダウンとなったようです。上述の通り、昨年の同時期旅行先ランキングでは2位だったところ今期は10位以下と大幅に下がっています。

これまでであれば韓国行きを選んでいたであろう層が代わりに日本旅行を選んだとも考えられますが、10位にまで陥落した潜在的な韓国への旅行客は相当数いたはずです。日本が第一位をとれなかったことからは、韓国の次の選択肢として日本以外の国を選択した旅行者もかなりいたとも考えられます。

日常にも非日常にもマッチ、無印良品の中国人気

さて、今週の日本で「買いたい」ランキング、TOP10は以下のような結果となりました。

買いたいランキング(分析期間2017年10月4日~10月10日)

前週に続き、1位には「無印良品 文房具」がランクイン。2位「雪肌精」は先週3位からワンランクアップ、3位の「ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ」が雪肌精に2位を譲る形となりました。

無印良品は中国でもシンプルなデザインと品質の高さで人気のブランドとなっています。中でも文房具は種類が豊富で「選ぶ楽しみ」もあるようです。

選ぶ楽しみは文房具だけにとどまりません。「仕事帰りにMUJIに寄って手帳とペンを買った。最初はそれだけ買うつもりだったけど、結局食べ物と洋服も見ていたら欲しくなって買ってしまった」というクチコミが見られました。生活に関わる商品が豊富な無印良品で、ついつい他のものまで買ってしまう消費者の姿がうかがえます。

無印良品は現在中国に約200店舗展開していますが、今後2021年迄に360店舗にまで増やす予定のようです。小売りだけではなく、食事が楽しめるCafé&meal MUJIも上海と成都に2店舗を構えています。

北京や上海など中国の主要都市では世界各国の飲食店が進出しており、それらを利用する中国人の姿も多くみられ、その一端で無印良品のカフェも受け入れられているようです。一方で、中国人が自宅で食する料理は炒め料理など伝統的な中華料理であることも多く、こういった事情から無印良品のカフェは普段とは違う雰囲気が楽しめる外食先として選ばれているのかもしれません。

無印良品の商品はほかにも、25位「無印良品 化粧水・敏感肌用」がランクインしています。無印ブランドには盤石なファン層が形成されつつあるようです。

 

中国無印良品が人気ファンの多数は90後の女性

今回は「微指数」を用いて、そんな「無印良品」のファン属性をクチコミから探ってみます。

「無印良品」を話題にしている微博ユーザーの属性分析(直近半年間)

▲「無印良品」を話題にしている微博ユーザーの属性分析(直近半年間)

「微指数」の分析では「無印良品」の微博書き込み層の70%が女性で、25~35歳が41.1となっています。同じく年齢では19~24歳も37.7に上り、19~35歳で全体の8割近くを構成しています。

微博のクチコミでは、「無印良品の文房具は品質が良いので気に入っている」「シンプルなデザインなのでいつまでも使いやすい」などがあり、長く使える良いものを買いたいと考えている女性に支持を受けているようです。専業主婦のあまり見られない中国では、無印良品を愛用しているこの年代の女性はほとんど働いています。オフィスシーンで購入した品を活躍させているかもしれません。

 

中国人のタグ比率でわかった「グルメ」を求めるMUJIファンの姿

タグでは「美食」「旅行」の比率が高く、旅行グッズや食品が話題に上っていることが予想されます。

微博内無印良品に関するクチコミ属性タグ

食品に関しては、Café&meal MUJIで提供されているような玄米や、有機野菜メニューに惹かれて来店するような、健康促進の意識の高い中国人が無印良品に注目しているのではないでしょうか。また「旅行」タグの多さからは、90後の女性の旅行シーンに無印良品のグッズを活用している姿が想起されます。

調査前日10月23日の地域別話題度では、江蘇省、福建省、北京市、広東省、上海市の順に話題性が高くなっていました。9月に福建省福州市、10月には江蘇省蘇州市にMUJIの旗艦店が開業しており、その地域での注目が高まったとも考えられます。

最強の布陣で臨むダブルイレブン、新垣結衣×「雪肌精」

中国のECモール天猫では11月11日のセールに合わせて雪肌精のセット(380元)を5000名限定で売り出しています。10月下旬には全て予約完売(10月23日調べ)となっており、中国人ユーザーの同商品に対する変わらぬ熱量の大きさが感じられます。

長らく人気の雪肌精ですが、今期のCMには新垣結衣さんが出ています。微博のクチコミを見てみると、男性からは「優しそうなので彼女にしたい」「ドラマ逃げ恥を見てとてもかわいいと思った」、女性からは「ファッション誌に載っている服がかわいい」「肌が白くてきれい」などとあります。男女問わず人気で、男性からはドラマの役柄のような純粋でひたむきな人物として、女性からはファッションアイコンとしてとらえられていることがわかります。彼女のイメージがもともと人気の同商品の地位を上昇、ファンを拡大していっている可能性もありそうです。

3位の「ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ」は、微博の公式アカウントのフォロワー数57万人を有する「@コスメ」(以下、アットコスメ)の人気商品です。

「アットコスメ」の名前は中国では権威で、同サイトの人気ランキングを参考にしている中国人女性は少なくないようです。クチコミの掲載の多さが同サイトの特徴ですが、「クチコミ重視」の中国人にうってつけの情報源と言えそうです。

その他ランキング10位内では「ワコール 女性用下着」、「CASIO BABY-G」「アトピタ保湿しっとりクリーム」がランクアップしています。気温が下がるにつれて引き続き保湿クリームへの需要が高まっていくのではないでしょうか。


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