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2019年から出国税開始!中国人の訪日旅行に与える影響は!? 中国クチコミ・ランキングより

トレンドExpressでは、一週間の中国ソーシャルメディアでの日本関連書き込み総件数の推移、および日本で「行った」「買った」「食べた」「買いたい」「したい」と言及されている投稿の件数を毎週集計しランキング化しています。また独自集計によるECサイト人気日本商品ランキングも週次で公開しています。

今週の【週次ランキング解説】は、2017年10月25日~10月31日の日本に関するリツイートランキングについて取り上げます。

2019年から出国税開始! 中国人の訪日旅行に与える影響は!?

まずは「日本関連書き込み件数」です。

国慶節期間には書き込みの山ができていましたが、10月下旬の書き込み件数は低下しています。

日本関連書き込み総数

続いて新浪微博で話題となっていた投稿の内容と、リツイート件数のランキングを見てみましょう。

    件数
1 日本旅の攻略。 1,804
2 日本含む九カ国のビザの取得方法紹介。 1,554
3 スターバックスのクリスマス限定、ラズベリー ホワイト チョコレート フラペチーノ発売。 1,225
4 絵画のような紅葉!秋の京都「醍醐寺」。 907
5 岐阜県関市の「モネの池」がマジ綺麗すぎ。 764
6 うさぎの楽園として知られる大久野島。 511
7 本格的な雪化粧をした富士山 台風22号の通過で白帽子がすっかりなくなる。 270
8 阪急沿線で開催されているイベント「大政奉還150周年記念 アートアクアリウム城 ~ 京都・金魚の舞~」 263
9 長野にも雲海が広がるテラスが!絶景が楽しめる「SORA terrace」 231
10 世界遺産「白川郷合掌造り集落」 157

1位は「日本旅の攻略」でした。「10日間」「7日間」「5日間」の滞在に向けたおススメのプランを紹介しています。

この投稿は1,800件を超えるリツイートがあり、国慶節の期間が去ってもまだ「日本旅行」に注目が集まっているようです。

11月初頭には既に昨年1年間の訪日観光者数2400万人を突破したというニュースがあり、今年一年間の訪日外客数は過去最高を更新することになります。中国からの熱い視線にも納得です。

訪日外客数の記録が示すようにインバウンド市場の機運が高まる1年でしたが、夏には2019年から日本でも出国税が導入されることが決まりました。日本人、外国人問わず、日本から出国する旅客に対して一律1,000円を徴収するという制度です。

オーストラリアや韓国ではすでに同様の税徴収を開始しており、今回の導入により日本が「特別出費のかさむ国」ととらえられる可能性は低そうですが、インバウンド顧客を狙う企業や旅行者からは日本旅行者の減少を懸念する声があるそうです。

訪日旅行に必要な手続きに関する出費についての、新浪微博の書き込みを見てみました。

「60元?日本旅行に行きたい人がこれで減るとは思えない」(※編集部注:1元=17元換算で1,000元は約60元)

「ビザが500元かかるのを安くしてほしい」

といったクチコミが見られました。

日本ファンの中国人にとっては1,000円という金額は旅行先決定にはあまり影響のない額のようです。それよりもビザ申請の費用を負担に思っていることがわかります。

参考:出国税19年度導入へ 1人1000円 日本人も(出典:毎日新聞)

岐阜県や岡山県…日本では地味、でも中国では話題

第6位にランキングしたのは「岐阜県にある『モネの池』が美しすぎる」というツイートです。岐阜県関市にある名もなき池の様子があまりにも芸術的で美しいため「モネの池」という通称で人気の観光スポットになっています。

透明度の高い池には錦鯉が泳ぎ、睡蓮の葉っぱや木々の鮮やかな色合いが重なりあり、幻想的な一枚の絵画のようになっています。

同スポットに関するクチコミを見てみると

「とても水が綺麗で優雅に泳いでいる錦鯉が良い!」

「水の色が時間によって変わっていくのが幻想的」

などのツイートがありました。

岐阜県には他にも第11位にランキングされている「世界遺産白川郷合掌村」や、古い町並みを残した高山市の三町などもあります。

日本人の中では知名度がないと思われるような場所が、外国人観光客には人気となっていることもあります。今年、「地域ブランド調査」にて都道府県の魅力度ランキングでは40位とふるわなかった岡山県「後楽園」「圀勝寺(こくしょうじ)」といった名所が訪日中国人の間では話題となっていたりします。

日本国内のイメージにとらわれずに、中国人がどういった場所に惹かれているのか知るために、SNSを活用しない手はないでしょう。

参考:地域ブランド調査2017_魅力度都道府県ランキング表(出典:ブランド総合研究所)

中国でのキャラクター人気が影響?! 大久野島の●●が話題沸騰

第7位には「大久野島うさぎの楽園」についてのクチコミがランクインしました。

大久野島(おおくのしま)は広島県竹原市に属する、瀬戸内海に浮かぶ島です。

島には約1,000匹のうさぎが生息しており、船を降りたところからうさぎに迎えられます。島内のホテルではうさぎとふれ合うことの出来るイベントも開催されており、まさに「うさぎ島」となっています。

中国でのうさぎのイメージとはどんなものでしょうか?

実は、中国ではうさぎをペットとして飼う人も多く、人気の動物となっています。

また、いま中国で一番有名な「うさぎのキャラクター」がいます。その名は「兔斯基」(トゥスージー、英名”Tuzki”)です。

黒いシンプルな線で囲まれた、横一文字の目を備えた細い手足の白いうさぎですが、中国版のLINE、WeChatでやり取りをしたことのある人なら見たことのある顔かもしれません。

北京媒体大学の卒業生である王氏がデザインしたこのキャラクターにはFacebookページもあり、現在ページのフォロワー数は14万人を超えています。Facebookメッセンジャーのスタンプにも登場したこともあり、世界的知名度のあるキャラクターとなっています。

新浪微博での話題性を分析できる【微博指数】で、「兔斯基」の知名度を探ってみました。

【微博指数】|「兔斯基」の知名度

月の平均指数でみるとディズニーキャラクターの「ミッキーマウス」が5,742、中国の国民的人気キャラクター「喜羊羊」(シーヤンヤン)3,570、「兔斯基」は2,811となっています。(2017年11月15日確認)

「兔斯基」が第二の「喜羊羊」となる日も近いかもしれません。


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