【特集】2018年は何がアツい?2017年の「買った」「買いたい」から探る(1)~男性もフェイスマスクでお手入れ?!
2017年後半には国内百貨店や空港免税店の好調ぶりが報道されるなど、インバウンド市場における消費意欲の高まりが再び期待されています。また越境ECの活況については、みなさんもご存知の通りです。
そこで年始1回目の特集では、2017年の「買った」「買いたい」ランキングから、2018年に売れそうなモノについて探ってみたいと思います。
化粧品がぶっちぎり!衛生・健康カテゴリも健闘
まずは商品カテゴリー分析で全体を確認してみましょう。トレンドViewerの機能である「商品カテゴリー分析」とは、買ったランキング上位100位について、「アイテム数」「クチコミ数」を集計し、その内訳をカテゴリで分析したものです。
昨年11月22日の週についてクチコミ数を見てみると、化粧品の人気は依然として高く30%を超えて他を突き放しています。化粧品カテゴリを追う衛生・健康カテゴリが健闘しているものの、推移を見てみると化粧品カテゴリ以外のクチコミ数は大きく伸びていないのが現状です。「日本で買った」「買いたい」全クチコミ数の推移を見ても、上記と同様の傾向となっています。
今回の特集では上位の化粧品カテゴリ、衛生・健康カテゴリなどを中心に、詳細を見ていきたいと思います。
化粧品市場をけん引するスキンケア・基礎化粧品
まずは化粧品カテゴリから見ていきましょう。
「日本で買った」クチコミ件数推移を見ると、スキンケア・基礎化粧品だけが継続して伸びています。ボディケア・オーラルケアが2位と健闘していますが、推移はほぼ横ばいとなっています。メイクアップは春先から3位に浮上していますが、やはり大きくは伸びていません。
「日本で買いたい」クチコミ件数推を見ても同様の状況です。
スキンケア・基礎化粧品がダントツ、次いでボディケア・オーラルケアもじわじわと増加しています。さらに、ヘアケア・スタイリングも緩やかではありますが同様に増加傾向が見られます。
今人気のスキンケア商品は?
ここからは、各カテゴリを細かく見ていきます。
スキンケア・基礎化粧品カテゴリの上位100位を見てみると、昨年11月末の段階では、「日本で買った」クチコミ数の3割近くを乳液・美容液が占めていました。乳液・美容液の人気が中国国内で高まっているのでしょうか?
京東が公表した2017年メイク関連の売り上げデータを紹介した記事によると、メイク関連各部門とも急速な成長がみられ、中でもリップ(140%)、美容液(130%)、アイクリーム、アイライン、フェイスマスクなどの売上が急速に伸びているとのことです。京東の中でもDiorのアディクト リップ・グロウの伸び率は300%、美容液ではSKⅡが首位を独走していると報じられています。
2017年に京東が販売したブランドTOP10を以下にご紹介します。
順位 | ブランド名 |
1位 | L’OREAL |
2位 | OLAY |
3位 | SKⅡ |
4位 | NIVEA |
5位 | PECHOIN(中国) |
6位 | 自然堂(中国) |
7位 | メンソレータム |
8位 | 御泥坊(中国) |
9位 | KANS(中国) |
10位 | Maybelline |
記事によると、購入者の画像から判断するに購入者の70%は女性、そのうち16~35歳が占める割合が70%で若年層が京東のメイク関連の主要な消費グループであるとのことです。
また、京東が発表したデータからは、中国人消費者の高級化粧品への需要が強烈であることが読み取れる、と記事は伝えています。たとえば、2017年の化粧品単品でのランキングTOP5は海外のいわゆる高級ブランドが多い状況で、SKⅡやエスティローダーなどがランク入りしています。
「日本で買いたい」ランキングを見てみると、クレ・ド・ポー ボーテ 美容液キットが11月の段階では件数でも上昇率でも上位となっています。タオバオで見ると、同ブランドにおいてよく売れているのは、乳液・美容液もさることながら、化粧下地のようです。化粧下地の購入者が乳液や美容液もクレ・ド・ポー ボーテで揃えるようになってきていることも推測されます。また、年末年始に販売された福袋的なセットも人気だったようです。
参考:
「2017线上超市美妆消费盘点:年轻用户偏爱国际大牌 唇部与精华产品受追捧」(出典:DONEWS)中国語
有名人がけん引するフェイスマスク人気、男性も愛用?
スキンケア・基礎化粧品カテゴリにおいては、パック、フェイスマスクも引き続き人気となっています。中国におけるフェイスマスク人気には、有名人が影響しているようです。中国で人気のアイドルや女優の中で、30代、40代でも肌のきれいな人はみなフェイスマスクを愛用していると言われています。中国人女性たちが、自分たちと同じ年代の有名人から影響を顕著に受け、同じブランドのフェイスマスクを購入していることも考えられます。
たとえば中国のトップアイドル・ファンビンビン(範氷氷)は中国ではフェイスマスク狂と呼ばれ、家でも、車や電車での移動中も、さらに道を歩いている時でもフェイスマスクをしているそうです。彼女は30代半ば、ドラマや映画の撮影で大忙しですがフェイスマスクのおかげか美肌を維持しているとのこと。彼女が1年で使うフェイスマスクはなんと700枚!家の冷蔵庫はフェイスマスクでいっぱいで、そこには肌美精のフェイスマスクも含まれています。あるブロガーは、SKⅡのフェイスマスクを5つ星と評価するなら、肌美精のフェイスマスクは4つ星、さらにそのコストパフォーマンスを評価しています。
また、台湾の人気モデルでバラエティー番組の司会も務めるトップアイドル、リンツーリン(林志玲)もフェイスマスクの愛用者です。彼女のフェイスマスク使用量はファンビンビンよりも多く、年間一千枚ともいわれています。
中国のフェイスマスク市場調査によると、やはり主要ターゲットは90後の女性で、23~28歳の層ではなんとフェイスマスクで美肌ケアをする男性もいると報告されています。フェイスマスクの消費量は北京・上海・広州・深圳などの一級都市が多く、その後、杭州・南京・成都・武漢・蘇州・重慶と言った二級都市が続きます。
売れているフェイスマスクのタイプは顔全体に貼り付けるタイプで、75.8%を占めます。2位に来るのは洗い流すタイプのフェイスマスクで、11%の人が使用しています。男性は国産を使っている人が多いそうですが、女性には韓国製や日本製が人気です。
調査結果によると使用者には70歳代の男女も含まれているとのことで、中国では高齢の男女もフェイスマスクで美肌を守ることに関心があることが分かります。売れているフェイスマスクの効能については、60%が保水や保湿となりました。またニキビケアは19~22歳の若者に、張りや弾力は1985年代生まれ以前の世代に好まれています。フェイスマスクが幅広い年代に人気なのであれば、年代に合わせた効能をより強く打ち出していくことが重要になるでしょう。
参考:
想知道范冰冰一年700张面膜都是什么牌子的?(出典:豆瓣小組)中国語
范冰冰只用10块一片的面膜,看着自己50块的面膜良心好痛(出典:SOHU.com)中国語
林志玲一年用1000张面膜,范冰冰用掉700多张面膜,你用了多少?(出典:新浪看点)中国語
CBNData:2017线上面膜相关消费研究(出典:199IT中国語インターネットデータ情報センター)中国語
まとめ
2018年に注目を集めそうな商品について、まずはさらなる競争激化が予想される化粧品から見てきました。スキンケア・基礎化粧品カテゴリにおいては従来人気だった化粧水や洗顔料、マスクなどから乳液・美容液へ関心が拡大、かつ高級志向が高まっていきそうです。今後は、いわゆるライン買いをどう促していくかがポイントかもしれません。
一方、フェイスマスクは大量に使用したいというニーズがあり、品質とコスパのバランスが重視されそうです。また幅広い年齢がターゲットになることから、年代や悩みに合わせた効能を強く打ち出していくことも重要であることがわかりました。
つづく(2)では、メイクカテゴリに加え、オーラルケアやヘアケアカテゴリについて見ていきます。
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