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【特集】2018年は何がアツい?2017年の「買った」「買いたい」から探る(2)~都市部では「子供の歯」健康ブーム?

2017年の「買った」「買いたい」ランキングから、2018年に売れそうなモノについて探る本特集、(1)では化粧品市場をけん引するスキンケア・基礎化粧品カテゴリについて探りました。クチコミからは、従来人気だった化粧水や洗顔料、マスクなどから乳液・美容液へ関心が拡大、かつ高級志向が高まっていることが伺えました。
(2)では、メイクアップカテゴリに加え、オーラルケアやヘアケアカテゴリについてお伝えしていきます。

アイテープはもう古い、「落日ライン」で目力アップ

メイクアップカテゴリについて、「日本で買いたい」クチコミ件数推移を見てみましょう。

もともとメイクアップ用品は小さくて軽いことからお土産として人気ですが、その中でもアイライナーが去年の春ごろから増加傾向にあります。マスカラと口紅がそのあとを追っている状況です。中国ではいま目力に注目が集まっているのでしょうか?

2017年の京東でのアイクリームやアイライナーの売上上昇率が加速していることは(1)でもお伝えした通りで、中国でアイメイクへの関心が高まっていることが伺えます。京東ではMaybellineが「目を大きく見せる効果がある」として人気を集めているようで、ビッグアイ・シャドウ(ブラウン)の売上は250%、ヌードパレットに至っては1000%以上という驚異的な伸び率を見せています。アイクリームでは、ESTEE LAUDER、LANCOME、Kiehl’sなどの有名ブランドに人気が集中しています。

まぶたの上のラインに貼って目を大きく見せるためのアイテープも人気で、トレンドExpressがお届けしているECサイト人気商品ランキングには、ダイソーの「のび~る アイテープ」が上位にランク入りしています。一方で中国の有名メイクブロガーらがもはやアイテープは時代遅れ、といった情報を発信しています。


▼アイテープをはじめ100均コスメに注目!

【週次ランキング解説】2017年12月20日~12月26日「ECサイト人気日本商品」ランキング


そんな中注目されているのが、「落日ライン」で、中国の人気アイドルが最近はみなこぞって落日ラインでアイメイクをしているという情報もあります。ネット記事では、中国トップアイドルの「落日ラインビフォーアフター」の写真を見つけることができます。

落日ラインとは、目を開いた時にできるまぶたのラインを地平線にたとえ、まぶたの上より2mmだけ広くアイカラーをのせるメイク方法です。裸眼よりデカ目になり、アイホールにべったりアイカラーをのせていた以前のメイクよりもナチュラルに仕上がり、二重でも一重でもデカ目効果が期待できるようです。今後ますます、アイメイク用品の人気が期待できそうです。

参考:
2017线上超市美妆消费盘点:年轻用户偏爱国际大牌 唇部与精华产品受追捧(出典:DONEWS) 中国語
“落日线”眼妆,2017年最流行的眼妆,你知道吗?(出典:SOHU.com) 中国語

都市部では「子供の歯」健康ブーム?

次に、オーラルケアカテゴリについて、「日本で買った」「日本で買いたい」クチコミを比較してみたいと思います。

「日本で買った」クチコミ件数推移には緩やかな減少傾向が見られますが、「日本で買いたい」クチコミ件数は上昇傾向にあり、今後も関心が高まっていくと考えられます。

ある記事によれば、今の親世代が、自身が子供のときあまり歯の健康に関心が払われなかったこともあり、子供の歯の健康に関心を寄せているとしています。歯並びの良さは就職活動にも有利で、自信もついて良いことがたくさんあるというクチコミも見られました。都市部には歯科医院も多くあり、最近では子供の歯にフッ素コーティングを施す親が増えているといった情報もあります。この動きを裏付けるように、トレンドExpressがお届けしているECサイト人気商品ランキングにおいて「ライオンこどもハミガキ」が順位を再び上げています。

一方で、農村地域における口腔医療の普及には、都市部と比較していまだ隔たりがあると報じられています。今後さらに、オーラルケア製品は農村部へ広がっていくことも期待できます。

参考:
外媒:中国人开始注重牙齿保健(出典:網易新聞) 中国語

シャンプー市場は供給過多?拡大するも競争激化

最後に、ヘアケアカテゴリについて見ていきましょう。

「日本で買いたい」クチコミ件数が「日本で買った」クチコミ件数を抜こうという状況です。昨年11月に入って下降傾向の兆しも見られますが、今後の動向に注目したいところです。中国のヘアケア市場は現在どういう状況なのでしょうか?

中国ヘアケア市場調査によると、中国はシャンプーの生産量及び消費量が世界トップで、国内のシャンプーメーカーは2,000件以上、市場に出回っているブランドは3,000を超えています。そのため個人のヘアケア用品の中でもシャンプー市場は競争が激しくなっているとのことです。

シャンプー産業の市場規模はすでに300億元に迫っており、2014年と比較すると伸び率は2.68%と堅調です。2020年までにシャンプー産業の市場規模は350億元に達すると見込まれており、その規模を考えると市場としての魅力はまだあります。フェイスマスク同様、年代や効能をしっかり打ち出していくことで、勝機が見えるかもしれません。

中国では、洗髪店や美容院で洗髪、ヘアパックなどのケアを行うのが以前から日常的になっています。というのも地域によっては自宅に温水の出るシャワー設備が整っていなかったり、また冬場に髪を洗うと体が冷えるとの考えから、自宅ではなく美容院で髪を洗ってもらう習慣がありました。

また美容院で髪を洗うとそのあとヘアセットもしてもらえるため、最近では出勤前に美容院に行く女性もいるようです。美容院での洗髪はそれほど高額ではないため、オフィスの中で誰か一人が始めると、オフィスのみんなにあっという間に広まる、そんな光景がクチコミからも見られました。これらの事象からは、ヘアケアに対する意識が高いことが伺え、自宅でのヘアケアの効果についてアピールしていくことも効果的なのではないでしょうか。

参考:
2017年洗发护发行业大数据报告 洗发护发品牌数据分析(出典:鹿豹座)中国語
为什么女人很喜欢在外面理发店里 洗个头(出典:バイドゥ知道)中国語

まとめ

メイク用品やオーラルケア用品などについては、「目力」「子供の歯の健康」など、今後注目すべきキーワードが見えてきました。一方シャンプーは化粧品同様競争が激化していることが伺え、日本におけるマーケティングと同様にターゲットごとの効能を打ち出していく重要性を確認できました。

つづく(3)では、衛生・健康カテゴリや日用品カテゴリなどについて見ていきます。売れている日用品に共通するキーワードとはどのようなものなのでしょうか?

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【特集】2018年は何がアツい?2017年の「買った」「買いたい」から探る(3)