中国女性のお悩み相談室（３） ～“より美しく”ありたい女性たちのお悩みは？～

前回は中国の女性が抱える色々な「ストレス」について見ていきましたが、続いては、女性が毎日向き合う「お化粧」に関する悩みを見ていきましょう。

「お化粧」に関する悩み、全体の分類から見ると決して多くはありません。しかし、「お化粧」とは女性にとって切っても切れないもの。日常的、継続的な悩みとして中国の女性たちの心に存在し続けているようです。

【グラフ】中国の女性のお悩み分類と比率

中国女性の「お化粧」に関する悩みを見てみると、悩みの上位は肌に関するもの。特に「美白」そして「保湿」に関して悩む女性が多いことがわかります。

白く潤いある肌作りのために

【グラフ】中国のメイクに関するお悩み

ここで、本日公開のトレンドViewer最新「買った」、「買いたい」ランキングから、美容・コスメセグメントの商品を見てみましょう。

【表】「トレンドViewer」2018年2月21日～2月27日の「買った」・「買いたい」ランキングからコスメ・美容セグメントTop20を抽出

「買った」「買いたい」ランキングともに強さを見せているのは「雪肌精」。Weiboのコメントを見ても、多くのユーザーが同商品を写真入りでアップしています。同商品を使用すること自体が、中国女性のステイタスになっているようでもあります。

さて、お肌の大敵と言えば乾燥。

この分野に関しては日本の化粧品が極めて高い評価を受けているのはすでに広く知られています。

コスメ・美容セグメントの「買った」ランキングでは「馬油ナチュラルミルクローション」や「ベイビッシュ うるおいマスク」など、乾燥肌対策・保湿機能をうたった商品が上位にランクインしていることからも、このお悩みの重要度がうかがい知れます。

また両商品の推移をみると、いったん火がついた後は、季節的な影響を受けず高い人気を保っています。

これは中国女性の「肌の乾燥」という悩みが、季節によるものだけではなく、日本同様オフィスや家庭内の空調設備によることに起因しています。

中国ではエアコンの温度を非常に高め（冬）、低め（夏）に設定することが多く（夏場は「18℃設定」、冬場も「30℃近い」設定になる所も）。そのため「ウチのオフィス、夏場は寒くて、冬場は暑い」といった書き込みがSNS上に少なからず見受けられ、夏場のオフィス乾燥対策に関するWEBやSNS記事も多くみられます。

さらにランキングにはまだ反映されていませんが、花王の「ニベアクリーム青缶」や、中国有名女優ファン・ビンビンが紹介したナチュリエの「ハトムギ化粧水」も、保湿効果の優れた商品として中国国内で口コミされており、すでにソーシャルバイヤーが買い付けに走っているとの情報もあります。

白さは富と同レベルの条件？

中国では「女性はとにかく白い肌」という価値観が伝統的。ネット上でも好条件の女性を「白（色白で）・富（お金持ちで）・美（美しい）」といった形容をし、「白さ」とは富や端正さと同様、重要な要素とみられているようです。

その「美白」の悩みについては、上記「買いたい」ランキングでも「ホワイトラベル 贅沢プラセンタのもっちり白肌パック」や「トランシーノ 薬用ホワイトニングフェイシャルマスク」といった美白系パックなどが人気を集めていることから、うかがい知ることができます。

しかし近年、こうしたパックや化粧水では物足りない！という女性が増えています。彼女たちが求めているのは「内側から白く」。

代表的、かつ記憶に新しいのがポーラ化粧品の「ホワイトショット インナーロック タブレット IXS」。中国訪日観光客の爆買い対象となり、専門店でも欠品が相次いだという事例があります。

また、最近Weiboで散見するのがビタミンCサプリ。エーザイの「チョコラBBルーセントC」などは、上位ではないものの「買った」ランキング医療品セグメント内の常連となっています。

また第一三共の「トランシーノ」シリーズはフェイスマスクが化粧品分野で上位にランキングしていますが、サプリメントもWeibo内で紹介されており、注目されているのがわかります。

またよく見ると、「買った」ランキング上位では乾燥対策系が若干多く、「買いたい」側に美白系の商品が若干多く見受けられます。

おそらくは「乾燥対策は目の前の問題」、そして「美白は長期的かつ将来的な課題」ということなのかも知れません。

最後に、お化粧に関するお悩みの下位には「テクニック」や日々の「メンテナンス」という悩みがみられます。今後は、商品そのものではなく、こうした技術面も発信していくことで、中国の女性たちの心をとらえることができるかも知れません。

おまけ　「整形ってどうよ？」

今回の調査では、少し意地悪ですが「美容整形」の口コミについても調べてみました。全体的な件数は多くはないのですが、昨今はWeibo上に「訪日整形」を手配する企業の告知なども見られ、実際に都内の有名クリニックや有名医師のところに相談・施術に訪れる中国女性も少なくないとの情報もあります。

同様に「実際に日本に行って施術した」という書き込みもあるなど、注目はされている模様です。ただ、メディカルツーリズムのような目立った動きになっていない理由が下のグラフに見ることができます。

【グラフ】整形に関するキーワードランキング

「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」などの具体的な施術の上に「傷跡」というキーワードがランクインしています。

中国でも美容整形ニーズは高く、もともとは国内系・韓国系クリニックが多く進出していました。しかしトラブルも多く、「韓国まで行ってやったのに…」と失敗ケースを写真入りでアップする女性もいました。

「日本ではそんなことはないだろう」とは思いながら、情報量の少なさからか「傷跡が残ったら……」といった不安を抱えている女性も少なからずいるようです。

次回は中国女性の「健康」の悩みについて分析していきます。