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【中国結婚】中国女性のお悩み相談室(6) ~理想の恋愛・理想の結婚&魅力的な装い~

これまで多くの中国女性のお悩みを見てきました。今回はその特集の締めくくりとして、中国女性の恋愛観、結婚観についてみていきましょう。また働く女性たちのファッションの悩みについてもご紹介します。

まず、全体の悩みに対する比率を見ていきましょう。

悩み全体における恋愛・結婚・ファッションの悩みの比率

ファッションの悩みもそうですが、意外にも恋愛や結婚に関する悩みが少ないのが特徴的かもしれません。

男性に求めるの経済力だけでなく…?

ではでは、気になる中国女性の「男性観」。パートナー探しの悩みについて具体的に見てみましょう。

パートナー探しの悩み グラフ

まず上位に来たのは「条件」という言葉。

中国において、特に彼氏選びや結婚相手選びにおける「条件」とはルックス、仕事、家庭、経済力など、すべてを含める包括的な言葉。ここにすべてが集約されているといってもいいでしょう。

ほんの少し前には、男性を選ぶポイントとして「高(高身長)」、「富(経済力)」、「帥(イケメン)」が理想形と言われていました。

ただ最近はそうした面だけでなく「性格重視」という声も増えています。

「理想の男性像」を紹介したネット記事やWeiboの書き込みなどを見てみると、男性に求めるものとして「もの静か」や「柔らかな雰囲気」など、日本でいう草食系とやや共通する要素も多くありながら、「女心がわかる」や「温かみ」といった女性の気持ちを察するコミュ力を求めていることがわかります。

しかしランキング上にも「将来」というキーワードがあるように、自身の将来に対しての「責任感」や「一緒に努力できる」、「向上心がある」といった社会に対してポジティブな意識など、日本の社会との距離を置いた「草食系」とは若干の差異も見られます。

現在、中国社会そのものが常に上を追い求める、いわば「肉食系」。さらに女性の社会進出は日本よりも進んでいることもあり、ビジネスの場で活躍する女性も少なくなありません。

しかし、そんな生活はストレスフル。時には安らぎが必要になります。でもただ優しいだけじゃなくて、やっぱり「頼りがいもある」方がいい、でも命令するタイプは嫌…。

そうした女性たちの意見を取りまとめていくと、単に優しい草食系というよりは、女性を受け止める包容力とスマートにエスコートできるエレガントさを兼ね備えた姿が浮かび上がります。

また「結婚」というキーワードが上位にあります。

日本では「彼氏探し」は中学生、高校生でもテーマになりますが、中国では「早恋(早期恋愛)と言われ、保護者から厳しい指導が入ってしまいます。

そのため恋愛も大学以降、もしくは就職後というケースが多く、年齢的に見ると「恋愛」→「結婚相手探し」となる傾向があります。

結婚はやはり現実的に

ではそんな彼女たちの結婚に対するお悩みを見てみましょう。

結婚に対する悩み グラフ

まず上位に来たのは、なんと「夢」というキーワード。結婚が夢なのか、それとも夢のような結婚なのかはわかりませんが、結婚というキーワードにはやはり「理想」があるようです。

ちなみに中国では多額の費用をかける「派手婚」が主流です。基本的に披露宴のみとなり、円卓1テーブル当たり4,000元前後が相場ですが、少なくとも1回の披露宴で10テーブル以上行います。そこにケーキや、夢に描いた装飾や催しなどを含めると、数十万元(10万元=160万円)にものぼることがあります。さらに、そこにドレス費用や指輪の金額がプラスされます。

もう一つ大きな費用がウェディングフォト。日本とは違い、やや「変身写真」に近い、巨大アルバム形式のものが多く、ここにも数千元から数万元をかけるカップルも多いです。

日本の沖縄県でも以前、こうしたブライダルフォトの呼び込みを行い、訪日観光客誘致を行っていました。

近年はチャペルブライダルにあこがれる女性も多く、ブライダル市場は相変わらずの活気を見せています。

しかしそれ以下は、やはり現実的。「生活」、「家庭」、「費用」と、実際の生活における問題が並びます。結婚式は夢でも、結婚生活はリアルにとらえているようです。

実は頭の痛い問題「オフィスファッション」

こうした女性たちの魅力をより引き立たせるのはファッション。そこで最後に、女性のファッションについての悩みを見てみましょう。

日本ではリクルートスーツのような、ゆるやかな「常識」的オフィスファッションがありますが、中国では比較的「フリーダム」。最近はオフィス用のファッションやコーディネートを紹介するメディアも増えましたが、日本の感覚ではお目にかかれないファッションで出勤する若手スタッフの話題が、現地日本法人経営者間の雑談でも登場します。

ではそんな中国オフィスファッションの悩みを見ていきましょう。

【グラフ】オフィスファッションに関する悩み

【グラフ】オフィスファッションに関する悩み

悩みのポイントは「色使い」と「組み合わせ」。

男性であればスーツにシャツ、ネクタイで済みますが、女性はなかなか大変。特に前述のように「オフィスではこんな感じ」という通念がないので、より悩ましいようです。

最近は女性用スーツなども売られていますが、特に新卒などは「何を着ていくべきか」で悩むようです。

ちなみに、日本のファッションについて「コーディネートが難しい」といった声がSNSなどで見られます。

日本のアパレルファッションに対してよくある評価としては「単品ではあまり目立たないけど、ほかのものと合わせれば映える」というもの。

日本のファッションはいくつかのアイテムを合わせてコーディネートできるようにデザインされていますが、それが中国では悩みのタネになっている様子。そのため、1品で見栄えよく見える欧米系のファストファッションを選択していくようです。

【グラフ】オフィスファッションのコーディネートに関する悩み

【グラフ】オフィスファッションのコーディネートに関する悩み

コーディネートに関しても悩みはほぼ同じですが、チェックしていきたいのが「優雅」や「セクシー」に見えるようなイメージが好まれるという点と「ストッキング」。

中国の女性から聞かれるのは、破れる、伝線しやすいといった国内のストッキングの品質。日本のストッキングが人気なのもそのためです。

チュチュアンナの「伝線しにくい発熱ストッキング」やトレインの「女の欲望ストッキング」などが「買ったランキング」でも常連化しています。

トレイン「女の欲望ストッキング」のランキング推移

トレイン「女の欲望ストッキング」のランキング推移

悩める「少女」? 個性的ファッションのジレンマ

さて、オフィスファッションおよびコーディネートに関するお悩みで登場する「少女」というキーワード。これは「少女っぽいファッション」という意味。広義では「ゴスロリ」や「アマロリ」といったロリータファッションも含まれます。

なぜこれが悩みになるのでしょうか?

Weiboを見てみると2種類の書き込みがあります。一つは「仕事だからロリータファッション着れないわ」派。

これは比較的若い女性で、ロリータファッション愛好家。「さすがにオフィスでこれは着れないわ」という理性派で、「着たいけれど着れない、その時間がない」という書き込みが見られます。中には「仕事辞めたわ!よしロリータだ!」といったような、着られる喜びを爆発させるクチコミも(仕事を辞めたのはファッションのせいではないと思われますが…)。

もう1種類は「オフィスに着てこないでよ派」。こちらは、オフィスに堂々とロリータファッションでやってくるのを見た、非ロリータファッション愛好家の声。

「もう30手前の同僚が毎日ロリータっぽいコーディネートで会社に来るの。どうにかして!」

ちなみに筆者は上海の日系企業が集まるオフィスビルで、20代半ばと推測されるOLさんが、ややファッショナブルなセーラー服っぽい服装で歩いているのを見かけ、「あぁ、この方の日本人上司はたぶん困っただろうな…」と勝手に推測したことがあります。

より魅力的に見せたい、しかしそこには通念ではなくて自身の「個性」も表現したいという、現代の日本の若者に通じた意識があるようです。