【訪日中国人】日本のビールは中国人の口に合うの?-「食べた」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。今回は4月25日〜5月1日の「食べた」ランキングから、これから美味しくなる、あの飲み物についてのニーズを探ります。
まずランキングトップ10はこちら。
訪日中国人に人気:「日本のビール」
今回注目するのは、4月25日〜5月1日「食べたい」ランキングに混ざっている「日本のビール」です。ランキングを見てみると、夏に関わらずビール人気が高いようです。
寿司、焼き鳥、しゃぶしゃぶなど、そうそうたる和食メニューの中にひょっこりとランクインしている「日本のビール」。
中国のビール消費量は世界全体の23%(キリン調べ、2016年)を占めるほどのビール消費大国であり、国内には青島ビールをはじめ、数百の銘柄が存在している国です。
いったい日本のビールの何が中国人に受けているのでしょうか?
日本と中国では美味しいビールの価値観が違う?
世界にはたくさんの種類のビールがあります。そして、それぞれに美味しく飲むのに適した温度があります。日本のビールは、日本人好みに作られているので、冷やすことでより美味しくなるように作られているそうです。だからビールが冷えていないと美味しくないと感じる人が多いのかもしれません。
そこへ冷えていないままビールが出てくると、がっかりしてしまいますよね。しかし中国では、その出し方がもてなしのひとつとして考えられています。
日本のようにキンキンに冷えたビールは日系の居酒屋以外では、あまり口にすることができないかもしれません。日本と中国ではビールの飲み方が違うのです。
あのキンキンに冷えたビールは日本人の好みに合わせているからこそ味わえるのです。ビールの飲み方ひとつで、日本と中国の価値観の違いが表れています。
中国各地にあるビール会社では地元独自のビールを作っており、今では中国はビール生産国として世界最大となっています。しかし全体的に味が薄いために、訪日の際に味わった日本のビールを支持する人は少なくありません。
日本のビールが中国人観光客の口コミから話題に
中国人は食事や宴会の際に、ビールからスタートし白酒へ移行する飲み方が主流です。そのため他国でビールをたしなむのは比較的入りやすのかもしれません。
そこで体験した日本のビールのことをネットユーザーたちが微博や微信で紹介し話題になりました。中国国内で日本のビールを飲む人も増えてはいますが、キンキンに冷えたビールや「とりあえずビール」のような日本人の飲み方に興味をそそられるようです。
SNSへの書き込みには次のようなものがありました。
「日本に行ったら、必ず飲まないといけないのは○○ビール!」
「日本に行くと必ず居酒屋に行って、ツマミを食べながらビールを飲む」
など、まるで日本での必須アイテムのひとつのようにビールが紹介されているのです。
また、「○○ビールが限定パッケージを出した」「○○では期間限定で青いビールが飲める」「京都では抹茶ビールが味わえる」など、日本で見つけた最新情報を熱心にアップしているユーザーも多くみられました。
飲食店で飲むだけでなく、工場見学も人気
最近は体験型の旅行を好む個人旅行客が増えていることもあり、ビール工場の見学ツアーも人気になっています。キリンビールでは全国に9カ所ある工場の中でも外国人に人気の横浜工場に限り、英語と中国語の音声ガイドを用意しています。またアサヒビールでは英語、簡体字、韓国語のウェブサイトがあり、言語ガイド付きのツアーを電話で予約することができます。
いずれも見学ツアー、試飲が無料で体験できるのも嬉しい限りです。できたてのビールを美味しくいただくのは、万国共通なのかもしれません。
日本のビールは水のように飲みやすく、ライトでありながら味がしっかりとしており、和食によく合います。
日本で食べたい料理のランキングに入っている和食メニューと一緒に味わう、キンキンに冷えた日本のビールは、中国人観光客の喉をたっぷりと潤しているようです。