【インバウンド】中国のウイスキー熱 買うだけじゃなくて蒸留所も見学したい!~「行った」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。今回は2018年5月23日〜5月29日「行った」ランキングから、今日本でもブームになっている「あの商品」に関わる人気スポットについて分析します。
まずランキングトップ10はこちら。
今週の人気インバウンドワード:「SUNTORY山崎蒸留所」
今回注目するのは「SUNTORY山崎蒸留所」。実は「買った」ランキングでも長期にわたって1位となっている超人気商品、日本のウイスキー「サントリー山崎」を作っている場所です。
ランキング推移を見ると、2017年7月ごろからじわじわと人気が上がっているのが見えます。
日本のウイスキーを買い込む中国人が多いのは周知の事実ですが、それに比例するように「SUNTORY山崎蒸留所へ行った」という中国人観光客が増えています。これには爆買い以降の中国人観光客の変化が現れたのが理由のようです。
中国富裕層に食い込んだ日本のウイスキー
日本のウイスキー、中でも「サントリー山崎」は「買った」ランキングで常に1位に位置するほどの人気。2018年に入ってからは「買いたい」にも姿を見せるようになり、その人気は衰えを見せません。
もともと外国人から日本のウイスキーは高い評価を受けており日々人気が高まっていますが、朝ドラ「マッサン」に始まるジャパニーズウイスキーブームの波が中国の洋酒市場にまで影響していることが見て取れます。
日本のウイスキーが賞賛され始めたころ、真っ先に飛びついたのは中国人といわれています。ウイスキーは贅沢な飲み物と言われていることもあり、面子がとても重視される中国においては「富の象徴」のひとつとして考えられています。そんなこともあり、気に入ったウイスキーがあればいくらでもお金を出すようなのです。
また、中国ではウイスキーは投資対象としても人気があり、プレミアムウイスキーが出品されるたびに信じられないような高値で落札されています。それを受けて投資目的の中国人が日本へ来ては、在庫が不足している首都圏ではなく、地方にまでウイスキーを買いに回っているという話を聞くほどです。
▼参考
急成長する中国「ウィスキー」市場 ジャパニーズウィスキーにも注目が集まる
体験型へシフトした中国訪日観光客の旅スタイル
同施設は蒸留過程を見学できるツアーも実施しており、外国人にも人気です。
予約制の有料ツアーで、ガイドが付きグループで一緒に歩いて回ります。ガイドは日本語、もしくは英語に対応してくれます。そのほかツアーでは、英語と中国語、フランス語のオーディオを無料で貸し出してくれるので、言葉の問題はないようです。
ツアーの後は テイスティングの時間で、これが一番のお目当てではないでしょうか。山崎の美味しい沸き水を使って、いくつかの飲み方を愉しめるほか、おつまみもすべて山崎由来のオリジナルと至れり尽くせりです。
ウイスキーの製造過程を見ながら、醸造所ならではのウイスキーを味わえるなど、充実した内容のツアーは訪れた中国人観光客によりSNSに詳細がアップされ、「羨ましい」「自分も行ってみたい」「それはいくらで買えるのか」など、コメントも多く付いています。また、トリップアドバイザーなどの書き込みでも、その多くが「質が良く洗練されて素晴らしい」と高く評価されています。
ツアーに参加しなくてもテイスティングカウンターのみの利用も可能(有料、ただし予約が必要)。珍しい限定ウイスキーや蒸留所ならではの原酒など、ここでしか味わえないウイスキーの試飲が可能ですが、すべてストレートでの提供でおつまみなどの用意はありません。
ツアー参加後にオリジナルウイスキーやグラスなども販売しているので、しっかりそれらも購入します。
ウイスキー作りのこだわりを目の前で存分に体感できることが、中国人観光客を魅了している理由ではないでしょうか。