急成長する中国「ウィスキー」市場 ジャパニーズウィスキーにも注目が集まる

ヘネシーやバカルディといったブランドを傘下に持つ世界最大の酒業グループDiageoで中国市場総監を務める林玠峰氏は「中国のスピリッツ市場規模は世界1位。しかしながらウィスキーの浸透度についていえば、他国に後れを取っていた」と中国洋酒市場を語っていましたが、今、その状況が変わりつつあります。

1月30日付『週末画報』では、中国ビジネスメディア『胡潤百富』創始者ルパート・フーゲワーフの中国ウィスキー消費調査報告と、同氏の「きわめて猛スピードで発展している市場、5年前に比べて中国ハイエンド消費者のウィスキー興味度合いは85%も上昇。洋酒人気のトップに立っている」とのコメントを報じました。

また、冒頭のDiageo中国市場総監の林氏も先のコメントに続けて「中国のハイエンド消費者の増加およびウィスキー知識の普及によって、ウィスキーが徐々に浸透し始めており、中国スピリッツ市場に占めるウィスキーの量も明確に増加している」と語り、中国ウィスキー市場の成長を述べています。

スコットランドウィスキー協会によると、ウィスキーの本場たるスコットランドでは、2002年から2016年の14年間でスコットランドシングルモルトウィスキーの輸出量が増加を続けており、2016年には総輸出量1.14億ボトルと、2002年の143%増にまで達しているとのことです。

中国でも2017年6月時点までのシングルモルトウィスキーの販売額が4510万ポンド(2016年同期比36%増)と、過去最高を記録するなど、非常に興味深い伸びを示しており、世界的なウィスキーブームに中国も後れをとることなく、世界の流行についてきていることが見て取れます。

ウィスキー人気。支えているのは「カッコよさ」?

こうしたウィスキー人気ですが、上海などの大都市で発展したクラブの普及、また根強い欧米志向が影響していると考えられます。しかし、なによりも中国ハイエンド特有の「品味」へのこだわりが一番に影響していると考えられます。

それを示しているのが「シングルモルト」人気。

中国に登場しているウィスキー愛好者のシングルモルト人気は極めて根強いですが、その理由を探ると、「シングルモルト」という名の持つプレミア感がハイエンド消費者の品質へのこだわりにヒットしたこと。またより深い文化教養を求める消費者のニーズと、ウィスキー製造における「麦芽」や「蒸留法」、「蒸留所」といった蘊蓄がマッチしたことも大きいといえます。

もちろんこうした条件を兼ね備えたウィスキーは価格も高いですが、かえってそれがハイエンドの好む高級感を与えています。

林氏はメディアの取材に対し「入門者はまず味。ファンになればるほどブランドの持つ歴史やそれが持つ理念に興味を持つ。特に18年、20年、25年と“じっくりと丁寧に熟成していく”という理念が高級志向の消費者の共感を呼んだ」と語っていますが、要は「高級かつ蘊蓄を持った商品=かっこいい」という意識が中国のウィスキー人気を育んでいるのです。

ジャパニーズウィスキーも定着の兆し

ちなみに、ルパート・フーゲワーフ氏は、ウィスキーの産地への認知度も調査をしています。1位はもちろん「スコットランド」。2位にはハリウッド映画にもよく登場し、ハードボイルドの代名詞「バーボン」の産地であるアメリカ。さらにカナダと続きますが、4位にはなんと「日本」がランクインしています。

トレンドViewerの「買った」ランキングでも「サントリー山崎」が常に1位に位置していますが、朝ドラ「マッサン」に始まるジャパニーズウィスキーブームの波が中国の洋酒市場にまで影響していることが見て取れます。

Diageoでは自社のシングルモルトウィスキー「ザ シングルトン グレンオード」の新パッケージ発表・販促イベントを福建省廈門で実施。その際には180年にもおよぶ同ブランドの「歴史背景」や、85時間から90時間、場合によっては140時間もかける「じっくり丁寧な」製造方法、さらには3年以上寝かせ、中には40年物も存在しているという「プレミア感」を押し出し、ハイエンド消費者の心をつかんだといいます。

中国で成長を続けるウィスキー市場。そこに中国洋酒・輸入酒市場攻略のカギが隠されていそうです。

参考:
借力消费升级大潮,中国威士忌市场逐渐升温(出典:『週末画報』) 中国語

 

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