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【訪日中国人】日本の国民食が中国の人民食に!?―「食べた」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。

今回は2018年8月15日〜8月21日「食べた」ランキングから、大人気の「スイーツ」から、中国で広がる日本の国民食に注目して分析します。

まずランキングトップ10はこちら。

2018年8月15日〜8月21日「食べた」ランキング

今週の注目Word:「カレーライス」

今回注目するのは、食べたいランキングの上位に入っている「カレーライス」です。

日本の国民食・カレーライスが、中国でも人気になっています。スーパーではカレールーを手に入れることも可能ですが、家庭で作るというよりは、まだまだ外食でカレーライスを味わうのが主流です。インド発祥のカレーですが、日式カレーが受けているのには訳がありそうです。

日本の国民食・カレーライスが中国を席巻中

カレーライスは日本人にとって身近な料理のひとつです。本格カレーをお店で食べられるほか、家庭でも毎週のように食卓にのぼる料理で、日本の国民食と言われるほどです。

カレーがもともとインドの料理であることは誰もが知っています。

でも、中国人からすればインドで生まれた料理が日本で広く親しまれていることを疑問に感じるようで、中国メディアの中には、インドから海を渡ってもたらされたカレーがどのようにして日本の国民食になったのかを考察する記事を掲載するものがあるほどです。

また、日本のカレーショップ「COCO壱番屋」が上海の中山公園に1号店を出したのは2004年。

カレーを中国の国民食にすることを目指しての出店といわれ、今では中国各地に店舗展開しており、若者を中心に支持されています。

ただ、日本のようにカレーを黙々と味わうというよりは、カレー以外にサイドメニューをいくつも注文して食事する中華スタイルが中心のようです。どうもカレーがウケているのは、カレーライス以外にカツカレーやカレーうどんなど、豊富なメニューを楽しめることにもあるようです。

訪日時には欠かさず本場の日式カレーを

前出のCOCO壱番屋の思惑が的中し、ちょっと高めの料金設定でありながら、日式のカレーライスはホワイトカラー層が少し憧れるオシャレな食べ物として受け入れています。なので、訪日の際は本場のカレーライスを食べたい中国人観光客が後を絶たないのです。

日本でカレーライスは庶民の味であり、シンプルな材料を用いて作られていることを理解した上で、日本のカレーはオーソドックスなカレーライスと、スープカレーの2種類に大別することも理解している人が多くいるようです。

そんな本場のカレーライスを訪日時に食べようと、SNSを通じて情報収集。微博や微信では店情報はもちろん、写真と料理評論家ばりの解説付きでアップされているので、より自分好みの味を追求しやすいのです。

自分で作ってみる人も微増中

最近は動画サイトで作り方やレシピを公開していることもあり、自分で作ってみる中国人もわずかですが増えています。

家庭では一時間ほどでできてしまう手軽さと、各々の家庭の味があることを知って、Myカレーを作ろうと奮闘してみたり、牛肉や鶏肉、豚肉、ジャガイモや玉ねぎなど素材にこだわってみたり、キャラカレーや華やかなトッピングでSNS投稿に勤しむ人も少なくありません。

またリンゴやハチミツを使って味に深みを出すテクニックも口コミで広まっています。

さらに中国で友人宅などに訪問した際、子ども相手に子供カレーを作ってあげると非常に喜ばれ、カレーによっていわゆる「日中友好」が成し遂げられるのではないかとも錯覚することもあります。

今や中国ではカレーライスは手軽に楽しめる料理のひとつになりつつあり、国民食、いや人民食になる日もそう遠くないかもしれません。