【訪日中国人】これからの訪日観光は全国の神社巡り?―「行った」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。
今回は2018年8月22日〜8月28日「行った」ランキングから、日本の伝統的な宗教的な場所、「神社」ニーズについて紹介します。
まずランキングトップ10はこちら。
今週の注目Word:「神社に行った」
今回注目するのは、行ったランキングに必ず入っている、全国各地にある「神社」です。
「神社」は、常時ランクインされる人気の観光スポットです。全国各地にある神社を訪れることを楽しみにしている中国人観光客が意外に多くいるのは驚きです。神社の何が彼らを魅了するのでしょうか。
中国人好みの観光スポット
歴史や文化を好む中国人にとって日本の神社仏閣はうってつけの観光スポットです。代々受け継がれてきた伝統的な建築や、周りを囲む美しい自然の風景が見られるのも魅力のひとつです。
また、何百年も前の建築物が当時の姿のまま保存されていることにも感動します。
これは中国では時代が移り変わるたびに建築物などが破壊されてきた歴史があるためで、昔と変わらぬ姿を現世でも見ることができることに驚きと感動しかないのです。
さらに「お守り」も神社を訪れる際のお目当てのひとつになっているようです。可愛らしく種類も豊富なお守りは中国人観光客にも人気で、記念に買っていく人も多いようです。
お守りの写真に商売繁盛や縁結びなど、どんなエネルギーが注入されているのかの解説付きでSNSにあげられていることから、神社を訪れた際には自分や家族のためやお土産としてお守りを買っていくようです。
中には、お守りの中には何が入っているのかをしっかりと紹介している人もいるほどで、それに対して「白紙じゃないんだ」「心がこもっている」「パワーを感じる」などのコメントが寄せられているのも非常に興味深い内容です。
日本の神社には神様がいない?
日本全国いたる所にある神社。中国人観光客もそれらの土地を訪れた際には足を運んでいるようです。
中でも明治神宮や厳島神社など、有名な神社は観光名所でもあり、SNSにもよく投稿されていることもあるので、多くの人が訪れています。
そんな中国人観光客が神社を訪れた際に、神様が祀られていないことに疑問を感じるそうです。
中国ではほとんどの廟には人物をかたどった神様の塑像が祀られています。さらに廟の名前も「観音廟」「孔子廟」など、神として祀られている人物の名前が付いているほどです。
しかし、日本の神社では神像を見ることはほとんどありません。
さらに神社の名前も伊勢神宮や春日大社など、地名が用いられていることがほとんどです。また、日本の神道は自然崇拝がメインになることから、動物や植物を神の化身と考えているため、日本の神社では神像が見当たりません。
つまり日本人と中国人との神様に対する認識の違いがあるためなのです。
日中の対立の象徴のような靖国神社も、一部の中国人の中に参拝希望者がいるようです。
その理由も「噂の靖国神社を見てみたい」「有名な場所に行ったことを自慢したい」など、意外に興味本位な気持ちで訪れているのには、対日イメージが和らいでいるためなのでしょうか。