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【ダブルイレブン】一番人気は「日本商品」! 2018年ダブルイレブン人気ブランド速報(輸入品篇)

日本の大手ECサイトの年間売り上げを1日で稼ぎ出す莫大なオーダー金額に、日本のメディアも大きく報道した今年のダブルイレブン。中国国内で販売展開を行っているメーカーはもちろんながら、近年注目される越境EC分野でも、直前に中国発となる「国際輸入品博覧会」の開催もあり、より高い関心を集めていました。

今回はT-Mall発表のデータから2018年ダブルイレブンにおける「海外商品」人気ランキングを見ていきましょう。

T-Mallの速報値では、今年のダブルイレブンで人気だった商品、産地国別で見ると以下のような結果となっています。

【表】2018年ダブルイレブン輸入品ブランドランキング

順位 国名
1位 日本
2位 アメリカ
3位 韓国
4位 オーストラリア
5位 ドイツ

ごらんのように日本が1位を獲得。爆買い以降、日本商品に対する評価が高まっていますが、昨今は両国関係の改善もあり、日本の商品へ興味が向いているようです。

では、購入されたブランドはどのような結果となったのでしょうか?越境モデルにおける人気ブランドTOP10を見てみましょう。


輸入品セグメントではTOP10に日系3社

【表】2018年ダブルイレブン輸入品ブランドランキング

順位 ブランド
1位 Swisse(オーストラリア)
2位 KAO(花王)(日本)
3位 Moony(日本)
4位 Aptamil(ドイツ)
5位 Dr.Ci:Labo(日本)
6位 MartiDERM(スペイン)
7位 A.H.C(韓国)
8位 bio island(オーストラリア)
9位 GNC(アメリカ)
10位 Move Free(アメリカ)

残念ながら1位はオーストラリアの健康サプリメーカー「swisse」に譲ったものの、2位に「花王」、3位に「moony」、そして5位に「ドクターシーラボ」と、日系3社がTOP5ブランドの内、3つを占めており、日本勢の人気の高さを示しています。

1位となった「swisse」はオーストラリアに拠点を置く健康食品・サプリメントのメーカーで、オセアニアだけではなく、ヨーロッパや中国など、幅広い国に輸出されています。

中国では2016年に越境ECアプリである「網易考拉(KAOLA)」に代理権を与えて販売を始め、2017年には“あの”中国トップ女優であった「ファン・ビンビン」がイメージキャラクターを務めるなど、中国市場開拓を行ってきたブランドです。

 

また同じくオーストラリア勢ではサプリメントメーカーである「Bio island」が8位にランクイン。

同社は北京に法人を設立していますが、ソーシャルバイヤーを活用した販売も積極的に展開している形跡が確認できています。

このようなオーストラリア勢は、近年急増している中華系移民のネットワークを通じて商品の情報がもたらされることが多く、中国国内でも非常に多くの情報が得られるブランド。それゆえに中国消費者の「ダブルイレブン買い物リスト」に入りやすい商材となっているのです。

 

2位、3位は日系2社。ここはまさに「紙おむつ戦争」と言ってもいいかもしれません。

「花王」のメリーズは、紙おむつ爆買いの第一号ともいえる商材で、今でも「日本の紙おむつと言ったらメリーズでしょ」という中国消費者も少なくありません。

両社は11月11日正午までは激しいデッドヒートを繰り広げており、横並びの状況がT-MallのWeibo公式アカウントの中間報告で見えていますが、最後は先達たる花王が振り切った形となりました。

5位となった「ドクターシーラボ」は、すでに日本における爆買いブランドとして知られています。特に毛穴を小さくする「ラボラボ スーパー毛穴ローション」は、訪日観光客の「買い物リスト」入りを果たす、極めて人気の高い商品となっています。

ベビー&健康は海外製品から?

こうして見てみると、越境ECで人気となっている商材にはある特徴がみられます。

それは「ベビー向け」と「健康」。

Weibo上にはダブルイレブン直後から「これ買ったよ~」というクチコミが多くアップされていますが、特にベビー用品などをアップしている投稿を注意深く見てみると、子供服などは中国国内ブランドや海外ブランドの中国国内商品などが見られますが、粉ミルクや紙おむつ、また子供用のオーラルケアなどの商品は「T-Mall Global」での購入であるケースが多く見られました。

Weibo上で公開された消費者の購入商品。子供用の歯磨き粉を「海外旗艦店」で購入している。

子供服などは国内店での購入。

実際に今年のダブルイレブンのベビー・マタニティセグメントTOP10を見てみると、主に「子供服」や「グッズ」の中国国内ブランドが並び、粉ミルクや紙おむつなどは上がってきていません。

「ダブルイレブン」はもちろん「普段高いものを割引価格で」買うイベントですが、同時に「普段使うものを安く買い込む」イベントでもあります。

継続的に使用する海外商品を安く買い込むのに最適なのです。しかし、そこで妥協できないのが「安全性」や品質の問題です。

特にサプリメントなどの健康商材や紙おむつなどの赤ちゃん向け商材は、より高い「安心・安全」が求められていることから、商品が安くなるダブルイレブンにおいても品質に安心感の持てる「越境」分野に注文が集中すると考えられます。

今後はこうした特徴をとらえつつ、越境モデルもしくは中国国内での販売などの戦略構築が必要になってくると思われます。