中国トレンドExpress

【中国人気商品】中国人もハマる「ガンプラ」、フィギュア人気も後押し-「買った」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。今回は2018年11月7日~11月13日 日本で「買った」ランキングから日本では40年の長きにわたって、世代を超えて愛されるアニメグッズについて、中国での人気の理由を分析してみたいと思います。

まずは最新のランキングから

2018年11月7日~11月13日 日本で「買った」ランキング

今週の中国人気商品:「ガンダムプラモデル」

今回は日本で「買った」ランキング12位の「ガンダムプラモデル」に注目し、中国でのガンダム人気について考えてみたいと思います。

ちなみに同商品は、すでに2015年の「買った」ランキングに姿を見せており、その後入手ルートの問題か「買いたい」が上回っていましたが、現在は「買った」ランキングをジワジワと上げてきています。

こうした人気キャラクターのプラモやフィギュアは、まだ中国では手に入りにくい商品であるため、訪日の際に購入されるケースがほとんどです。

「ガンダムプラモデル」は「ガンプラ」と言われ、1980年の発売以来、子どもから大人まで幅広い年齢層の男性の心を鷲掴みにきてきた組み立て式のプラモデルです。アニメの世界を再現した繊細な造形美がアートとしても評価されており、今では日本だけでなく海外でも高い人気を誇っています。

量販店や専門店はお宝の宝庫

アニメのガンダムは、中国では「高达」と訳されており大人気!

「ガンプラ」は、歴代シリーズのアニメ作品のファンに加えて、中国での“オタク”ブームとともに注目を浴びたフィギュアファンの双方が買い求めた結果、爆発的な人気となっています。

玩具を扱うヨドバシカメラやビックカメラ、ホビー専門店には、訪日外国人らが多数訪れ、お目当ての「ガンプラ」を、文字通り山積みにして購入していきます。

「ガンプラ」を吟味しているひとりの訪日中国人に「ガンダム好きなんですか?」と声をかけてみました。

すると、「はい。日本人もガンダム好きでしょ?でも、実は『トランスフォーマー』は見たけど、ガンダムのアニメはあまり見たことがなくて、ガンプラの方に興味があるんです」。(トランスフォーマーとガンダムが、ごっちゃになっていることが少々気にはなります・・・)

「中国では手に入らないのですか?」と聞くと、「中国にも売っているけど、正規品も個人輸入品のどちらも日本の価格より1.7〜2.5倍くらいするので、日本で買うことにしています。中国では販売されていないものがたくさんあるし、何よりセール品も結構あるしね!でも、実は組み立てるのがあまり得意ではなくて…。最近は買ったまま、箱ごと飾っているんです。ガンプラの製作代行業者もあるから、製作を頼もうかと思っているんですよ(笑)」と、話してくれました。

2日間で6万人を動員した「ワンフェス上海」

「ワンフェス」とは「ワンダーフェスティバル(Wonder Festival)」の略称で、造形メーカー海洋堂が毎年の2月と7月に開催する世界最大の「ガレージキット」のイベントです。

メインとなる内容は、プロ・アマ問わず、自分で製作した模型造形物を展示・販売するイベントで、1日5万〜5.5万人が訪れるという人気ぶりとなっており、来場者は日本人だけでなく、世界中から毎回多くの造形物ファンが訪れています。

近年は特に中国圏のファンが増加傾向にあり、ついに今年4月、海外初となる「ワンダーフェスティバル2018上海」が中国・上海で開催されました。現地の報道によると、2日間でなんと6万人を超える来場者があり、中国国内ではまだまだフィギュアは根強い人気であることを証明しました。

「ガンプラ」が中国国内でも知られる存在となったのは、先述の“オタク”ブームで市民権を得たフィギュア人形の存在があってこそ。「ワンフェス」は、今後も中国国内で定期開催されることが決まっており、しばらく中国での「ガンプラ」人気は続きそうです。


▼関連記事
【中国コンテンツBiz】 オタクグッズからアートへ 中国の新消費者もがっちりつかんだ「ガレキの祭典」!


最新シリーズは海外を意識!?

「機動戦士ガンダム」が2019年にTVシリーズ放送開始40周年を迎えることを記念して、2019年から2020年にかけて「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」を始動することが11月21日に発表されました。

プロジェクトのコンセプトは「BEYOND(ビヨンド)」で、「すべてのものを超えていく」という意味だそうです。公式サイトには、冒頭に下記のメッセージが添えられています。

『1979年より展開し続けてきた「ガンダムシリーズ」は、作品数も増え、支えてくださるファンの方々の世代や国、嗜好も多様化してまいりました。

この40周年の節目にガンダムは、個々の作品の枠を超え、国境を越え、世代を越えて、幅広い方々にその魅力を届けていきます。

ひとりひとりの好きなガンダム、そしてまだ知らないガンダムを通じて、それを受け取ってくれた人々に新たなつながりが生まれることを願って。』

—「ガンダム40周年プロジェクト」公式サイトより—

 

新シリーズのストーリーはもちろん、様々なイベントが企画されているようで、日本のみならず、中国、そして世界中のガンダムファンにとって楽しみな1年になりそうです。


▼参考
ガンダム40周年プロジェクト」公式サイト