【インバウンドコラム】「出国税」スタート。中国消費者の反応は?
2019年、新たな年がスタートしました。正月気分がなかなか抜けきれない時期ではありますが、気が付けば中国の観光シーズン「春節」まで、あと1か月足らず。インバウンド業界においては中国夏休み~国慶節へとつながる、ビッグシーズンの到来です。
さてそんな訪日観光シーズン直前、日本の政策に関する情報が中国SNS上でも話題になっています。今回はそんな日本のインバウンドの動きに関する動きと、中国消費者の反応をピックアップしてみましょう。
「出国税」、中国人消費者に聞いてみた。
中国のSNS上で話題になっていたのが「出国税」。
そう、1月7日から施行された、日本を出国する人にかかる税のこと。今後、日本を出て海外に行く(帰る)場合、1,000円の税が徴取されます。
日本を訪れる訪日観光客が3,000万人、海外に向かう日本人数が2000万人程度だとすると、500億円規模になると考えられます。
この税金、使い道などに関しては日本のメディアでいろいろ言われていますが、主には「訪日観光客へのおもてなしサービス」に使われるとのことですから、これによってインバウンドにおけるインフラ整備が整えば、業界にとってもプラスになるのかもしれません。
ところが、気になるのはこの税金が「インバウンドに歯止めがかかるのでは?」という声も。特にインバウンドにおいて最多人数をほこる中国は、こうしたお金の動きには敏感。「プラスになるどころかマイナスになりはしないか…」という心配もあります。
実際、Weiboでは「日本出国税」というスレッドが立ち、関連記事がまとめられています。日本ファンが多い分、やはり関心の高さがうかがえます。
そこで、中国トレンドExpressではストレートに、中国消費者の声を聴いてみました。
結論から言えば、直接話を聞いてみると、「中国の消費者はあまり気にしていない」と思われます(苦笑)。
WeChat通話でインタビューした上海在住の会社員Aさん(30代女性)は「最初1,000“元”ってきいてびっくりしたけど、1,000円って聞いて安心したわ。人民元で60元ぐらいでしょ。上海でちょっと買い物に行っても100元とかかかるんだから、それを考えるとたいした額じゃないわ」。
また、別の30代の男性は「ビザの取得にだって数百元かかるんだよ? 60元って、良心的じゃない?」とのこと。
またWeibo上でも「旅行好きにとっては大した問題じゃない。60元ってミルクティー1杯分でしょ(編集部注:有名店のタピオカミルクティーやチーズクリームティーなどがこのくらいの値段)」といった書き込みも。
さらに、ある40代前半の会社経営をする男性は編集部に対して「これって、日本がそれだけ訪日観光に期待を込めてるってことだろ(編集部注:訪日観光客数が税収を見込める規模に発展したという意味)。その中で最多は中国人。中国すげぇ!」。…なるほど。
出国税のスタートもどこ吹く風。
現在は日本への観光ビザが緩和されたこともあり、訪日観光ムードはますます高まりそうです。