【中国社会振り返り】 2018年中国中で「錦鯉」が大暴れ! 2019年も注目のマーケティングに?
編集長「中国トレンドExpressユーザーの皆様」
編集A「新年あけまして」
編集長&A「おめでとうございます~!」
編集長「いや~年越しは本当にめでてぇ気分になるな~。」
編集A「おめでとうございます~!!!あれ、編集長、いつもみたいに傘でボール回さないんですか?」
編集長「なんでだよ。あの兄弟芸人じゃあるまいし。」
編集A「そうですよねぇ、これでギャラが同じなんて…。」
編集長「同じじゃねぇよ!そもそもここの読者層でこのネタで笑うユーザー何人いるんだよ。」
編集A「っとまぁ、今年もこんな感じで進めてまいりますが、ぜひぜひ中国トレンドExpressをごひいきにお願い申し上げます。」
編集長「おうっ、勝手に進めるか。」
編集A「2018年は中国市場でも本当にいろんなことがありました。そこで今回は、2018年に起こった社会的事件や、市場を騒がせたマーケティングなど、中国市場を知るために不可欠な情報を改めて見ていきたいと思います!」
編集長「台本上はオレのセリフなんだが…。」
編集A「それでは、編集長どうぞ!」
編集長「えっと…じゃあ、どうぞ。…って、全部お前が言っておいて、ここでオレに何を言えと!?」
2018年中国中が追いかけた「錦鯉」を探せ!
編集長「まずマーケティング手法で盛り上がったのは“錦鯉”だったな。」
編集A「よかったですよねぇ、錦鯉。オーソドックスな紅白とか、ちょっと黒味の多い昭和三色とか、ちょっと変わったところで九紋竜とか…。」
編集長「いや、錦鯉の種類ってほとんどの読者知らねぇから…(意外に趣味がシブいな、コイツ)。2018年にAlipayが打ち出した、宝くじ型キャンペーンだよ。」
編集A「みんなで転載していって、最終的に当選した1人に協賛企業からの景品すべてが送られるってやつですよね?」
編集長「お前のボケはわかりにくい!」
「錦鯉」イベントは、2018年9月29日から10月7日にAlipay(支付宝)が自社のWeiboアカウントを使って押し出した新しいイベント。
錦鯉イベントのWeiboを転載することで、1名に商品が当たるというものですが、その商品が非常に豪華。AlipayがWeiboで多くのブランドに商品協賛の参加を呼び掛けたことから、中国国内ブランドだけでなく、数多くの国際的なブランド、しかも化粧品からアパレルといった商品だけでなく、航空会社の航空チケットや高級ホテルの宿泊券など、商品の総額を合わせると「100万元を超える」と言われる規模の物でした。
さらに、それがWeiboを転載した人の中の「たった1人」にあたり、商品を総取りできるというもののため、異常な盛り上がりを見せたのです。
まさに中国中がこの巨大な「錦鯉」Getに向けてWeiboの転載を行い、最終的に記事閲覧数は2億を超え、また1週間の転載数も300万件を突破するというビッグイベントへと発展しました。
普通の女子が一気に100万フォロワー越え
編集長「これ、最終的に当選者出たんだよな?」
編集A「はい、ユーザー名“信小呆”って女の子です。この人、発表と同時に一気に有名になって、Weiboのフォロアー100万人超えちゃったみたいですよ。」
編集長「一気にKOLだな。ただ、その時、ネット上で変な声があったよな?」
編集A「あ~、出来レース疑惑ですね?」
編集長「アリクラウドにxinxiaodai.com(信小呆の中国語発音表記と一致)っていうドメインが10月4日に登録されていたって話だったな。」
編集A「そうです。それで“当選者があらかじめ決まってたんじゃないか”って声が上がったんですね。でもAlipay側は否定。今は特に大きな騒ぎにはなっていません。」
編集長「なんか、彼女、日本にも観光に来たらしいな。」
編集A「いいですよね~、商品開けるところも動画配信してたり、楽しそうですね。ってか編集長、彼女のWeiboチェックしてるんですか…。」
この錦鯉イベント、2019年は?
編集長「で、これって参加した企業にはどんなうまみがあるんだ?」
編集A「とにかく知名度アップや自社Weiboアカウントへの呼び込みですね。だって、中国の消費者がガンガン関連情報を転載するわけですから。」
編集長「なるほどな。自社のWeibo上で“錦鯉イベント参加します”って発表すれば、それだけで注目されるわけか。」
編集A「そうみたいですね。あと、Alipayもまたブランド価値を上げたようですね。一週間でイベントの転載数310万。でもかかったお金はWeibo広告の50万元だけだったみたいです。」
編集長「ローコストで大きな効果か~発想は面白いな。」
編集A「2018年末はもう中国のあちこちで錦鯉が飛び跳ねていたらしいですし、2019年も続くんじゃないでしょうか?」
編集長「おそらく、ダブルイレブンみたいな国慶節シーズンの風物詩になるかもな。」
編集A「じゃあ私にもチャンスがあるかも。さっそく新潟に行ってきます!!」
編集長「…新潟は本物の錦鯉の養殖地な。いや、そのボケ、わかりにくい!!!」