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【中国人気商品】「日本製だから」だけじゃない、タイガー魔法瓶が指名される理由-「買いたい」ランキングから

Text/松本果歩

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。

今回は2019年5月22日〜5月28日の「買いたい」ランキングから、日本の水筒型「タイガー魔法瓶」の人気について分析してみたいと思います。

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まずランキングトップ10はこちら。

今週の中国人気商品:「タイガー魔法瓶」

今回は「買いたい」ランキングで3位にランクインしている「タイガー魔法瓶」に注目したいと思います。

「タイガー 魔法瓶」のランキングはここ数ヶ月の間は常に10位以内に入る人気っぷり。過去3年間で見ても100以内に常にランクインしています。

日本で「タイガー」ブランドといえば、炊飯ジャーや電気ポットのイメージも強いですが、中国で特に注目されているのは保温機能付の「水筒」。日本のいわゆる「魔法瓶」は中国人観光客が日本へ観光する際に必ず買い物リスト入りする商品となっています。

ちなみに、中国語では「保温瓶」と言いますが、日本語では「魔法瓶」と呼んでいる、そのネーミングセンスにも中国人は惹かれるようです。普通の保温瓶より素晴らしいような印象を与えるのだとか。

日本とはちょっと異なる中国の「水事情」と「水筒事情」

とはいえ、もちろんタイガー魔法瓶が人気なのはその名称のせいだけではありません。

そこには、日本とは少し異なる中国の「水事情」、そして「水筒事情」が関係してきています。

 

まずは中国の「水事情」について。

中国人は、いわゆる「お冷」を飲みません。中国の飲食店では、日本のように氷入りの水が提供されることはなく、基本的にはお茶、もしくはお湯が「お冷」代わりに出されます。

 

その理由は、よく言われているように、中国の水道水はそのまま飲むとお腹を壊してしまうことがあるから。必ず加熱をした上でお湯として、あるいはお茶として提供するのが一般的です。

お水を飲む場合や提供する場合にはペットボトル入りのミネラルウォーターを利用します。

 

中国の「水筒事情」は、そんな背景もあり、普段飲み物を持ち歩く際にも冷たいものよりも暖かいお湯やお茶などを水筒に入れることが多いのです。クコの実入れお湯はOLの必須アイテムですし、小さな子どももお湯の入った水筒を持ち歩いています。

 

しかし、子どもから大人まで保温機能のある水筒を持ち歩く習慣があったにも関わらず、これまで中国で販売されていた水筒は、ステンレス製のシンプルで地味な無地のタイプのみ。せいぜい色がついている程度で、それも1色のみが基本でした。

「タイガー魔法瓶」人気となったきっかけは「絵本っぽさ」?

そんな中、ある中国人が「こんな水筒を買った」とweiboにアップしたところ、中国人の間で大人気に!それがタイガー魔法瓶の販売している、こちらのカラフルなライオンのキャラクターがプリントされた水筒でした。

それまで無地でシンプルな水筒が当たり前で保温性や水漏れなどの機能面しか気にしていなかった中国人消費者にとって衝撃の可愛さだったようです。

 

中国人好みの絵本のように華やかな色合いに、男の子も女の子もどちらが持っても良い「ライオン」のキャラクター。子どもを持つ親たちはみんな、このキャラクター魔法瓶をこぞって求めるようになります。

 

中国人が海外旅行をする際、多くの人は旅行前に3か月から半年くらいかけてどこに宿泊をするのか、移動手段はどうするのか、何をしたいのかなど徹底的にリサーチをします。そんな中国人の「したいことランキング」の1位は常に「買い物」ですが、子どもがいる家庭の中では旅行で「買いたい」ものリストにこのタイガー魔法瓶のライオンの水筒が常にランクインしています。

 

もちろん、タイガー魔法瓶以外にも可愛らしいキャラクターがプリントされた水筒は日本にいくつかあります。

中国ではいくつかの水筒の機能面を徹底的に比べているサイトがあるほど。

こちらに掲載されているタイガー魔法瓶製の水筒はライオンの柄ではありませんが、タイガー魔法瓶・象印・サーモスなど日本メーカーのものを含む10個の水筒の機能面について、水漏れテストや耐久性、洗浄のしやすさ、材質の安全性などを独自に調査しています。

 

このサイトでは10個の中でもタイガー魔法瓶の水筒が最も機能性が高いと結論付けています。

その理由は2つ。

  1. やけど防止機能がついている
  2. 飲み口はストローではなく、太い筒である

さらに真空層が二重になっているため保温性能が高いことや、表面のキャラクターがシールではなくプリントされていること、カバー付きで刺繍がほどこされているなども人気の理由。

 

10個の水筒を比べているこちらのサイトからも分かるように、タイガー魔法瓶だけでなく、日本メーカーの他ブランドである象印やサーモスも「安全性が担保されている日本製」ということで中国では人気があります。

 

しかしブームの火付け役である「ライオンの水筒」の象徴である「タイガー魔法瓶」のブランドイメージは根強くあり、タイガー魔法瓶の水筒を指名する中国人は多いようです。

さらに、「タイガー魔法瓶が大気圏突入!?」のニュースは、「宇宙にも行けるほどの技術力がある!」とweiboでも大きな話題となりました。

ブームの火付け役であるという印象、そして宇宙にまで進出しているというブランドイメージの影響は計り知れないようです。