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【中国人気商品】Viewerの人気商品を小紅書(RED)で読んでみよう!~コスパ良すぎの化粧水篇

Text/松本果歩

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。

今回は2019年7月24日~7月30日の「ECサイト人気日本商品」ランキングから、『日本酒の化粧水』の人気の理由について、今中国の体験共有&ECアプリ「小紅書(RED)」における同商品に関連した投稿を見ながら分析してみたいと思います。

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2019年7月24日~7月30日の「ECサイト人気日本商品」ランキング

今週の中国人気商品:「日本酒の化粧水」

今回は「ECサイト人気日本商品」ランキングで20位にランクインしている『日本酒の化粧水』に注目したいと思います。

この『日本酒の化粧水』は1659年創業の老舗の日本酒メーカー、菊正宗が製造している化粧水です。

まだ化粧品などなかった時代には日本酒で肌のお手入れをしていたことから着想し、お米と麹と酵母の成分を生かした品質が魅力です。

1本あたり500mlと大容量ですが1,000円以下であるということ、さらに500mlの中に一升瓶(1,800ml)分のアミノ酸が含まれていることも保湿効果に影響を与えていると考えられています。

 

中国からも、ECサイト経由で毎日のスキンケアのために購入する方が多く、中国の比較サイトで45種類もの保湿化粧水を比較し、「約800円の『日本酒の化粧水』は、10,000円以上する化粧水よりも高い保湿力を有している」と結論づけられたことからも話題となりました。

では、小紅書(RED)を開いてみよう!

中国消費者に話を聞くと出てくるのが「聞いたりWeiboで見た商品を小紅書(RED)で氏名検索してチェック」という使い方。

早速、CTE編集部でも「日本酒化粧水」と入力してみると、検索キーワードの横には1,772件の記事が掲載されていることが表示されました。なかなかの数字です。

「日本酒~」と打ち込むとすぐに化粧水ほか関連キーワードが現れる

まずはざっと下まで記事のタイトルやアイキャッチ画像を眺めながらいると、あることに気づきます。

それは、たしかに菊正宗の「日本酒の化粧品」の画像が並び、商品名がタイトルに表れているのですが、同時に他社の競合商品とともに紹介されています。

 

それは「ナチュリエ ハトムギ化粧水」。

株式会社イミュが販売している、中国における爆買い商品として衰えない人気を得ている商品です。

同商品は菊正宗の「日本酒の化粧水」よりも10年も前の2002年に発売されている、まさにロングラン商品。

その人気商品と肩を並べる商品として、「日本酒の化粧水」は認識されている様子なのです。

中国のユーザーが好むのが「比較検討レポ」。そのためアイキャッチも2本を並べた写真、タイトルも日本酒の化粧水を紹介しなが「ハトムギ化粧水」という言葉も見える。

理由となっているのが、いずれも「リーズナブル」であるということ。小紅書(RED)上でも「白菜価(中国では白菜や大根は安さの代表格)」と呼ばれ、高コストパフォーマンス商品として注目されています。

 

またさらに、東京在住のユーザー「ASAIU」さんの投稿を読むと、いずれも「保湿成分」を詠い、また「敏感肌にも使える」点が訴求されていること、そして外見のパッケージなど、いずれも「似ている」という言及がありました。

しかし、この投稿で注目したいのが「成分が似ている」とも書かれている点です。つまり「天然ハトムギ」と「日本酒(発酵させたお米)」は似ていると認識されているようで、消費者の興味も「じゃあどっちがいいの?」という点に絞られるらしく、小紅書(RED)上にはこの両者の比較体験レポートが数多く挙げられているのです。

「ハトムギVS日本酒」戦争、軍配はどちらに?

さて、この両者の戦い、どちらが優勢かという、まるでお菓子の「〇けのこVSき〇こ」戦争にも似たバトルが小紅書(RED)上で繰り広げられていますが、実際に見てみると、「双方を試しながら使っている」という消費者がほとんど。

 

投稿内容を見てみても、双方のメリットを揃えて上げている内容が多く、どちらかをディスる内容はほとんど見られません。

確かに「日本酒派」、「ハトムギ派」といった消費者もいますが、一般ユーザーの多くは「自分にはこっちが合っていた」という程度。

 

日本酒派の意見を上げてみると

  • ハトムギ水より保湿効果がもっと良い(張維在東京 男性)。
  • ハトムギ水より保湿効果があり。元は日本酒なので、保湿力高い他に抗菌作用もあり。ニキビ消しに効果あり(苹果先生(アメリカ))
  • 肌に優しくて保湿が良い(沐小凉(北京))

と、やはり高い保湿効果に対して高評価を与えている様子です。

それぞれの体験を詳細にレポーティングしている投稿も

しかし中には、

「ハトムギ化粧水は春夏にオススメ、美白効果もあり。日本酒化粧水、付ける→洗う、肌はモチモチ、毛穴も小さくなった。次の日もみずみずしい」(糖糖two)

といったように、双方の特色を生かしながら、両方を使い分けるツワモノも。

 

双方ともにロープライス・高品質の商品だけあって甲乙つけるのは難しく、「だったら両方使ってみよう」という消費者が大部分なのかもしれません。

中国消費者のスキンケアフローに組み込まれての人気

さて、これらの投稿を見てみると、「日本酒の化粧水」にしろ「ハトムギ化粧水」にしろ、同じような使われ方をしていることがわかります。

 

それは「水膜」と「二次清臉」です。

 

「水膜」とは、市販のパック用の紙を使用し、市販の化粧水などを含ませて使用するパックのこと。市販の化粧水をそのまま使うだけでなく、真珠パウダーを加えるなどアレンジするのが楽しいのだそうです。

 

また「二次清臉」はメイクを落としのクレンジングをした後、でちゃんと化粧が落ちているか不安に感じ、安い化粧水をコットンに含ませ、顔を拭くことを言います。

この時に使うのはリーズナブル化粧水で、その後、メイクが完全に落ちたのを確認した後で、高価な化粧水で肌を整える、というのがパターンだと言います。

 

こうした消費パターンにおいては、たっぷりと気兼ねなく使える安い化粧水が求められます。

『日本酒の化粧水』はそうしたリーズナブルさだけではく、同レベルの商品と比べても、より高い保湿力を体感できるという付加価値が加わったことで、中国消費者から愛されていることがわかります。

 

まさに中国消費者の生活パターンにぴったり合った化粧水として根付いたというわけです。こうした、日本人では気づかない中国消費者の利用習慣をきちんと把握することで市場開拓の道は広がっていくでしょう。