中国女性のホンネVol.9~商社勤務のRosyさんの場合
Text・Photo:配島亜希子
江蘇省出身のRosyさん(33歳)は、日系大手商社に勤務するアラサーの独身女性。「中国人はすぐに転職する」と言われる風潮の中、1社目の同社に勤続8年と長く勤めています。
日本語はビジネスレベルで、“N2”と呼ばれる日本語能力試験(JLPT)2級を取得。月収は7500元(約12万円)と上海の平均水準。プライベートを満喫しながらも、一人暮らしに淋しさを覚えている彼女。今一番欲しいものは“結婚指輪”だそうです。
今回の取材対象者のプロフィール
氏名:Rosy
年齢:33歳
出身:江蘇省
婚姻状況:未婚
月収:月収7500元(約12万円)
勤務先:日系大手商社
部署/勤務年数:財務部、勤続8年
学歴:南京師範大学(学士)
家族構成:父母、兄
生活状況:家族は江蘇省在住、本人は賃貸で一人暮らし
趣味:ダンス、フィットネス
資生堂「エリクシール(ELIXIR)」一筋8年
ファッション誌の読者モデルのようにスタイル抜群のRosyさん。週に3回、終業後に会社の近くにあるフィットネスジムに通っています。
勤続8年というように、変化をあまり好まない性格の彼女は、化粧品でも25歳からずっと資生堂「エリクシール(ELIXIR)」を愛用。
中国人の間では「エリクシール(ELIXIR)」はエイジングケア化粧品として人気で、また“歴史あるブランド”として資生堂への信頼も厚いです。
「コスメ自体にあまり関心がなく、それほど気にしないということもあり、スキンケアにはこれを使い続けています」と言う。
「日本の基礎化粧品は中国人の肌に合っていると思います。色々試しましたが、『エリクシール(ELIXIR)』が一番私の肌に合っていると感じます」と、彼女だけでなく、日本ブランドを支持する中国人は少なくないそうです。
ノーメイクで出社は当たり前、できるだけ自然体でいたい
じつは彼女、普段はほとんどノーメイクで過ごしています。カラーメイクどころかベースメイクもしていません。平日でも化粧水と乳液、それにUVカット効果の高いBBクリームを塗るだけの基本的なスキンケアのみで家を出ます。「社外の人を交えた会議がある日などはちゃんとカラーメイクまでします。もちろん、デートや友人と遊びに行く予定の日も」と、普段合わない人や特別な予定がある日だけメイクし、大体週2日くらいの頻度だそうです。
十数年前はノーメイク、いわゆる“すっぴん”が多かった上海。今でも“すっぴん”を良しとする傾向はあり、彼女もその一人。
「日本の女性はいつもメイクをしていて綺麗だと思いますが、私はできるだけ自然体でいたい。それに常にお化粧していたらお肌にお休みがないでしょう?」と言います。
もちろん上海のような大都市では、しっかりとメイクしている女性は多いですが、日本と比較したらやはり少ないでしょう。
コスメの購入は100%確実な免税店で
「アルマーニ(ARMANI)」のファンデーション、「イブ・サンローラン(YSL)」や「ディオール(Dior)」の口紅など、メイクには様々なブランドを使っています。
友人のおススメで買った韓国ブランドの「AGE20’s(エイジトゥエンティース)」のクッションファンデーションはお気に入りの一つ。その名の通り、20歳のような肌に仕上がると話題で、2014年から4年連続で韓国のファンデNo.1を記録しています。
口紅などは友人からのお土産がほとんどで、もらったものをそのまま使っているそう。
「コスメ類は日本人や旅行好きな友人に頼んで、免税店で買ってもらっています。免税なので安いし、100%正規品ですから安心です。私も東京や大阪へ行った時、デパートやドラッグストアで免税して買いました」とのこと。
上海在住の人は海外旅行によく行くので、欲しいコスメは毎回誰かしらに頼むことができ、ネットやコスメカウンターで購入することはほとんどないそうです。
中国人は自分用や友人のために免税店で多くの化粧品を購入しています。しかも国外だけでなく中国国内の免税店でも同様です。
上海の空港では、出国ゲートを通過した先にある免税店で化粧品やタバコなどを購入しようとレジに行くと、「持って行きますか?預けておきますか?」と聞かれます。
多くの乗客が出発前に免税品を爆買いし、そのまま空港に預け、帰国した際に受け取っているのです。到着便が重なると、到着ロビーの“免税品受取カウンター”は長蛇の列です。
一番信用できる情報源は「WeChat(微信)」のモーメンツ
「例えば、マスカラが欲しいと思ったら、まずは友人に直接聞きます」と、友人や知り合いからの口コミや情報を一番に信用しているRosyさん。
彼女の情報収集のメインツールは「WeChat(微信)」で、主にモーメンツや公式の“購読アカウント(訂閲号)”を参考にしています。
「ネットは便利ですが、盛ってる情報などもかなりあるので、やみくもに流されないようにしています。モーメンツが一番信頼できます」と言います。
ちなみに、今や中国人の生活に欠かせない「WeChat(微信)」ですが、2020年1月時点での月間アクティブユーザー数(MAU)は11.5億人、「LINE」の5倍以上となりました。
また、月間アクティブユーザー数(MAU)3億人を突破し、日本でも人気のショート動画アプリ「抖音/Douyin)」ですが、彼女はまったく見ないそうです。
同アプリ、当初はティーン世代を中心に人気でしたが、今ではやや年齢層が上がり、24~30歳がユーザーの40%を占めているといいます。しかし、30代以降には響かないところがあるのかもしれません。
恒例「鞄の中をみせてください」
大きめのバッグを持ち歩いているRosyさん。
中から最初に出てきたのは「ボーズ(Boze)」のスピーカー。「ベリーダンスの音楽を流すので」と、スポーツウエアやダンスシューズも入っており、本インタビューの後にフィットネスジムへ行くとのこと。水筒にはいつもお湯を入れて持ち歩き、体を冷やさないようにできるだけ温かいものを飲むようにしているそうです。
白いポーチには身分証(日本のマイナンバーカードに相当するカード)や交通ICカードが入っています。
今まで当シリーズでインタビューしてきた女性たち同様、財布はありません。
キャッシュレス先進国の中国、今はスマホ決済が主流ですが、一部の大手スーパーチェーンや家電量販店、コンビニではすでに顔認証決済が導入されており、スマホさえ必要ない時代の到来も近いかもしれません。
ほかには、「ディオール(Dior)」の口紅、ハンカチ、カードキー、それに電動バイクのカギ。会社と自宅、フィットネスジムの往復には電動バイクを使っています。
中国では、電動バイクは免許不要、ヘルメット着用や自賠責加入などの義務もないため、日常の移動手段として非常に普及しています。
オフィスやマンションにはコンセントを備えた駐輪スペースもあり、また家庭用コンセントで充電できるので、オフィス内でバイクのバッテリーを充電している姿なども見られます。
欲しいモノは“結婚指輪”、なぜ手に入らない?
ちなみに、30歳を過ぎたころから結婚願望が強くなったそうです。親からも結婚を急かされています。「一人暮らしをして長いですが、やっぱり淋しいし、結婚というより家庭が欲しいです」と言います。おおらかでオープンな性格の彼女ですが、これほど熱望しながらもなぜチャンスが訪れないのでしょう?
「女性が強くなり、男性は消極的になり、みな結婚が難しくなってきているのだと思います」と彼女は言います。物価が年々上昇している都市部では、結婚や育児への経済的余裕がないからと、積極的になれない男女がいます。
また、女性が男性同等の経済力を持ち、精神的にも独立していることも原因の一つかもしれません。男性はそんな女性の高学歴・高収入に怯み、女性は自分より高条件の男性が見つからないのです。
結婚せずに自由を満喫したいという女性も少なくはありません。確かに、結婚しにくい時代なのです。
自然体で飾らず気さくなRosyさん。華やかなイメージが先行しますが、会話の端々に堅実な面が伺えます。「人生は常に勉強」、「勉強は未来への投資」と努力を惜しまない彼女の目標は、「毎日少しずつ進歩すること」。
日本と同じく、“結婚できない”、“結婚したくない”という男女が増加する時代の中、結婚・出産を前提に30代のライフプランを描く彼女、その努力が1日も早く実ることを祈っています。