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【セミナーレポート】中国市場攻略の第一歩!SNS活用事例~中国SNS運用の胆とは~(2)微信(WeChat)と微博(Weibo)、よくある失敗例

中国市場攻略の第一歩!SNS活用事例~中国SNS運用の胆とは~(1)では、中国でSNSがいかに重要なポジションを占めているかを確認しました。本記事では中国で圧倒的シェアを持つSNSである微信(WeChat)と微博(Weibo)についてみていきます。

微信(WeChat)と微博(Weibo)の最大の違いは、利用目的とアカウントに対する意識!

まずはそれぞれのSNSのユーザーの「利用目的」を見てみましょう。「図解中国トレンドExpress」Vol.77で調査したところ、以下のような結果が出ています。

グラフ:Wechat利用目的シェア分布:仲間との交流としう内向きなコミュニケーションがWechatの特徴

図:徴博利用手目的シェア分布:開かれた外に向かっての情報収集や発信、シェアが微博の特徴

 

微信(WeChat)は「中国版LINE」といわれるように、クローズドで友人とのやりとりに使われるツールです。友人や知人との交流を目的とした利用が8割に上ります。

一方で微博(Weibo)はニュースや情報の収集に使われています。情報収集のためにアクセスされるSNSなのですから、情報の拡散に適していると言えるでしょう。

企業のアカウントは、微信は1:1の、微博は1:Nのコミュニケーションであることを理解して発信、ファンと交流する必要があります。

SNS運用は「目的」をぶらさずに~各ステップの「失敗事例」~

さて微信(WeChat)そして微博(Weibo)の基本特性を把握したところで、両者に共通した、中国SNSを活用したマーケティング活動における、よく見られる失敗例についてまとめたいと思います。

実は日本企業でSNS活用に成功している組織はほとんどいないのです。どんな点に失敗しているのでしょうか?

上記の問いに対する回答は「開設しただけで更新できていない」あるいは「更新しているけどフォロワーが増えない」、その結果として「売り上げが伸びない」ということです。

「中国市場ではSNS活用が必須」という認識は広まりつつあります。でも「SNSを活用する理由」は何でしょうか。SNSの「アカウント開設」ではなく、SNSを活用して「売り上げをあげる」ことのはずです。そのための各ステップ、つまり「アクセスを増やすこと」そして「更新すること=コンテンツを作ること」について具体的なタスクを確認しながら、つまづきやすいポイントをまとめました。

アクセスを増やす=フォロワー数を増やす、だけど…

アクセスを増やすというのはフォロワーを増やすことですが、この時一番やってはいけないことは「フォロワーを購入すること」。購入したフォロワーはその先にユーザーがいないことも多く「ゾンビフォロワー」と呼ばれます。

特に微博(Weibo)での広告配信はフォロワー数に比例した額が課金されますので、実際には存在しないファン(フォロワー)のために、出稿に対して高額な費用が必要になってしまうというデメリットすら生まれます。

また日本のSNSでは一度アカウントをフォローしてくれたファンはそのままフォローを外さない傾向にありますが、中国のSNSではアカウントに興味のなくなったフォロワーはすぐにフォローを外すということも押さえておくべきです。

コンテンツ作りは言葉のわかる中国人に任せればOK? NO!

自社に中国人スタッフが一人いて、その人に運用を任せてしまう、という事態はよく見られますが、これは失敗です。例えば自分が、日本語をかけるからという理由だけで、突然Facebookページの更新を任せられたらどうでしょうか? ファンに刺さる面白い内容を作っていくことができるでしょうか?

その運用を任せた中国人がコンテンツ作りのプロでなければ、「中国人に運用を任せる」というのは賢明な手段ではないでしょう。

では、面白いコンテンツとは何でしょうか。それはSNSのユーザー、フォロワーといった「観客」が求めているもの、です。反対に一番NGなのは「会社のオフィシャル感」+「企業情報」です。求めていない情報を発信してくるアカウントはフォローされなくなります。コンテンツの作り手は、ユーザー、ファンが求めている情報をかぎ分ける嗅覚が必要です。

運用のプロ? 運用代理店との付き合い方

それでは、中国のSNS運用は、プロつまり運用代理店にお願いすればいいのでしょうか? 実はここにも落とし穴があります。

運用代理店は確かにSNS運用のプロです。しかし「任せっぱなし」という姿勢ではいつまでたっても代理店頼みのSNS運用から脱却できません。

お客様に対して「全部お任せください!」という代理店は、突き詰めれば「支援」になっていないとすらいえるかもしれません。「クライアントが独り立ちできるよう導く」ことが本当の支援と言えるのかもしれません。

 

以上、微信(WeChat)と微博(Weibo)の特徴について、ユーザーの目的という点に着目してご紹介し、あわせてSNS運用でのよく見られる失敗例とその対処法を見てきました。続く記事では微信(WeChat)の閲覧アカウントとサービスアカウントについて解説いたします。

 

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