中国トレンドExpress

【アンケート】夏休み、訪日中国人が来る前に知っておきたい!(2) 100人に聞いた、日本で「高く感じる商品」

帰国したらタダ同然!? 半数が高いと感じるのは「フルーツ」

続いて、中国より日本の方が高いと感じる商品について質問しました(複数回答可、カッコ内は回答者人数)。この設問に対する回答結果は以下のような結果になりました。

▼調査概要はこちらから確認ください。
【アンケート】夏休み、訪日中国人が来る前に知っておきたい!(1)100人に聞いた、日本で「高く感じるサービス」

【グラフ2】中国より日本の方が高いと感じる商品

1位は半数以上の方が回答した「フルーツ」(55名)となりました。

新浪微博の書き込みでは、「日本から(中国に)帰国すると、果物はタダみたいに感じる」「日本では金のように高級な果物」「日本では果物はお金持ちの食べ物だね」「食べるのがもったいない」「心からその高さを感じる日本の果物、バナナが6元(99円)食べるのもったいない」といった内容がみられます。

中国では果物は基本的に500g(一斤)いくらという単位で売られており、旅先で少量購入することで余計に割高に感じているのかもしれません。

確かに1本99円のバナナは日本でも高級な部類に入りますが、観光地やカフェ、コンビニでは珍しくない価格ではないでしょうか。中国では果物は基本的に500g(一斤)いくらという単位で売られており、ECモールの天猫(Tmall)からバナナの価格を確認すると4~10数元/500gとわかります。一般的なバナナは140g程度だそうですので、6元/500gのバナナは1本あたり1.68元(27.72円)で、一本単位で販売していないこともあって価格差が目立ちます。

少量を購入するという習慣のあまりないのが中国の消費習慣です。購入できる分量が増えれば単価が下がるというような値段設定はもしかすると、訪日中国人にとって目を引かれるものになるかもしれません。

参考:バナナのカロリー(出典:簡単!栄養andカロリー計算)

価格への評価は〇〇でも男女差なし…理由はアイメイク人気?

中国トレンドExpressの調査によると、昨今訪日中国人の間でスーパーやコンビニの人気が高まっていますが、こういったスポットで食品を購入している旅行者もいるようです。書き込みを見てみると「スーパーは閉店前に行くと安くなる」といった現地の事情に精通したものや、「日本のコンビニ、おいしくてまた食べたくなっちゃうグルメ!」という書き込みでチルド飲料、ヨーグルト、サラダ巻、おにぎり、カップ麺など具体的な商品をいくつも紹介するものがありました。コスパを意識していることや日本のお惣菜やインスタント食品の味付けが訪日中国人の心をつかんでいる様子がうかがえます。

2位「ソフトドリンク」(34名)以下には、3位「化粧品」(18名)、4位「お酒」(17名)、5位「電化製品」(14名)、7位「お菓子」(13名)などが並びます。それぞれを選んだ回答者の属性に特徴はあるのでしょうか?実は今回のアンケートでは回答に選んだ項目による年齢や性別の偏りはあまり見られませんでした。たとえば2位の化粧品を「高い」と感じるとする回答にも男性が10名含まれています。女性の買い物に付き合う際に、そのように思われたのかもしれません。

また一方で、化粧品に関しては男性の関心が高まっている可能性もあります。最新のECセール「618」での天猫(Tmall)の売り上げに関するニュースでは、「目力」に関する商品を購入する男性は増えており、カラーコンタクトは女性の1.5倍、アイラインも男性消費者が多く、00後男性の20%が天猫(Tmall)で化粧品を購入しているとの内容も報じられています。

5位「その他」(14名)には、おもちゃ、書籍・写真集、靴、野菜、ゴルフクラブや釣り道具などが挙げられており、幅広く日本の商品に注目している様子がうかがえました。

参考:天猫618からわかるビジネスパワー:消費昇級からブランド昇級へ(出典:網易新聞) 中国語

まとめ ~中国では今、「消費昇級」が起きている!

以上、日本の「サービス」「商品」の価格設定についての訪日中国人の感覚を、アンケート結果から見てきました。多くの訪日中国人にとって、「交通費」や「フルーツ」は非常に値段が張ると感じられているということがわかりました。

ただし、「安ければよい」という考え方は、中国全体で「消費昇級」が起こり、人々が消費のレベルを上げている今、特に訪日旅行を楽しむような一線都市、新一線都市の消費トレンドからは姿を消していると考えてよいのではないでしょうか。

前項で紹介したニュースによれば、中国では今「消費昇級」により消費レベルが上がっている最中であり、3,000元(49,500円)のダイソンのヘアドライヤーなどがECモールユーザーの「日常に使われるアイテム」となっているといいます。

こういった高額なブランド品を日常使いするような消費者が拡大している今、旅先の日本で提供されるサービスや商品の金額が質に見合っていると思われれば、「高い」という感想は抱かれないのかもしれません。訪日中国人の不満解消のヒントの一つが、ここにあるのではないでしょうか。

※本文中は全て1元=16.5円で換算。

 

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【アンケート】夏休み、訪日中国人が来る前に知っておきたい!( 3)また買いたい!日本の生活用品