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【中国人に人気観光スポット】イズー動物園 中国口コミランキングより

トレンドExpressでは、個別の企業様向けにカスタマイズした中国クチコミ分析調査を行っています。

今回は実際の調査事例「静岡県向け中国SNS分析」を例に、具体的な調査項目と、調査・分析の結果わかった訪日中国人の関心のありかについてご紹介し、改めて調査・分析の意義とポイントはどこにあるのか総括したいと思います。

すでに本サービスを採用いただいたお客様についても、改めて調査項目についての理解を深める機会としていただければと思います!

基本的な調査項目 ~ソーシャルビッグデータの守備範囲

まずは、基本的な調査項目についてご紹介します。

調査項目 概要
露出推移分析 クチコミ件数推移増減の時期や理由を把握
話題内容分析 クチコミの内容を分類して内容を把握。地域であれば「観光・スポット/グルメ/交通/宿泊/買い物」、製品やサービスであれば「製品情報/販売情報/使用感想/プロモーション情報」などで分類
製品呼称分析 中国独特の呼称がないか調査、プロモーションにおける製品・サービス名の統一を図る
ポジネガ分析 クチコミの内容をポジティブ、ニュートラル、ネガティブに分類、その推移も確認する
頻出関連語分析 指定したキーワードとともにつぶやかれているキーワードを抽出してランキング化
属性分析 クチコミを投稿したユーザー年代やエリアなどの属性分析

今回ご紹介する静岡県の調査においては、主たる目的を「ブランド戦略構築及びインフラ整備やコンテンツ生成・プロモーション施策のための基礎資料作成」としており、ターゲット像の明確化インサイトを得るといった点をご要望されていました。

そこで、実際の調査では、上記の項目について幅広く調査・分析を行っています。

1位の〇〇動物園、その理由もビッグデータにお任せください

続いて、実際に調査した結果確認された、静岡に関するクチコミ件数の推移をご紹介しましょう。

グラフ:静岡に関するクチコミ件数の推移

静岡に関するクチコミのピークは、国慶節や春節ではなく、5月の労働節のあたりとなっており、短期間の旅行先に選ばれやすいと言う仮説も成り立ちます。また、5月以降はクチコミ数を維持しながら8月に増加を見せており、6~8月の夏休みを利用した卒業旅行や家族旅行先として検討されている可能性もあります。

今回の調査で特筆すべきは、今までの思い込みを覆すようなインサイトが得られた、スポットクチコミ頻出関連語ランキングでした。今回はそのTOP5をご紹介しましょう。

順位 スポットクチコミランキングTOP5 クチコミ数
1位 イズー動物園 2,131
2位 三保の松原 2,091
3位 富士山 1,329
4位 ちびまる子ちゃんランド 1,168
5位 河津桜まつり 689

調査対象SNS:新浪微博、WeChatパブリックアカウント部分、掲示板など中国SNS全般
調査期間:2015年10月~2016年10月

みなさんは「イズー動物園」をご存知でしょうか?

イズー動物園は、静岡県賀茂郡河津町にある日本最大の爬虫類・両生類の動物園で、今までの動物園、水族館では出来なかった飼育体験や見学の仕方をご提案する体感型動物園です。

中国のSNSでは、このイズー動物園の一体何が注目されていたのでしょうか? その理由を探るべく、続いて「静岡県」のキーワードと一緒によく現れる頻出関連語をチェックしてみたいと思います。

順位 頻出関連語TOP5 クチコミ数
1位 三保の松原 12,312
2位 カタツムリ 8,499
3位 砂浜 6,124
4位 動物園 4,443
5位 富士山 3,099

調査対象SNS:新浪微博、WeChatパブリックアカウント部分、掲示板など中国SNS全般
調査期間:2015年10月~2016年10月

2位の「カタツムリ」、4位の「動物園」が、イズー動物園に関係しているキーワードです。

経緯は不明ですが、数年前、現地のWEBメディアにイズー動物園のカタツムリに関する記事が露出しており、それがSNSで少しずつ拡散していったのが原因のようです。編集部で百度の検索をかけたところ、2014年5月のニュース記事が見つかりました。SNSでの情報拡散を狙うためには、一次情報となりうる記事の露出をおさえることが重要ということがわかります。

また静岡といえば「富士山」と思われる方も多いと思いますが、今回は5位にとどまっています。反対に、頻出関連語の1位が「富士山」だった県はどこでしょう?もうお分かりの方もいらっしゃるでしょう、そう山梨県です。今回は静岡だけでなく、競合比較として中部エリアの県も調査しており、今後のブランディングの方向性に役立つ情報が得られる結果となったのではないでしょうか?

番外編 ~日本の動物園クチコミランキング!

先ほどイズー動物園が出てきましたが、他の動物園はどの程度注目を集めているのでしょうか?ここで番外編として、日本の動物園に関するクチコミランキングTOP5をご紹介したいと思います。

順位 動物園名
1位 旭山動物園
2位 上野動物園
3位 天王寺動物園
4位 京都市動物園
5位 多摩動物園

調査対象SNS:新浪微博
調査期間:2017年2月1日~2017年7月31日

「日本 動物園」に関するクチコミ自体がまだまだ少ないのが現状ですが、その中でも1位の旭山動物園は訪日中国人の「行った」ランキングにも入っています。「動物が近い、また来たい」という好意的な書き込みがありながらも、その順位は下降傾向のようです。

実はもう1つ「行った」ランキングにランクインし、順位も上昇傾向の動物園があります。それは神戸にある王子動物園です。新浪微博を覗いてみると「日本の三大パンダ動物園」としてクチコミがありました。王子動物園、そして上野動物園、和歌山のアドベンチャーワールドは日本でパンダを展示している三大動物園であり、パンダを貸し出している中国からの訪日中国人の関心が集まっているのかもしれません。

もちろん中国の動物園にもパンダはいますが、「中国ゆかり」のものを見たいという動機が見えてきます。「日本に来てまで」という声も聞こえそうですが、新浪微博ではそれを話題としている訪日中国人がいるのも事実です。

これらの動物園も、イズー動物園のように拡散元となる一次情報をおさえることで、訪日スポットとしての人気をさらに高めることが可能かもしれません。

まとめ ~調査結果の活用方法と調査を成功させるための秘訣

以上の「静岡といえば富士山」というイメージを覆した、この調査結果はどう活用されたのか、読者の皆様の気になるところではないでしょうか?

今回はいろいろなインサイトが得られたため、これらをタスクに落とすべく地元の複数企業を巻き込んでワークショップが開催され、いくつかのプロジェクトチーム発足に向けての動きがあるようです。調査を調査で終わらせないために、調査・分析結果をもとに周囲を巻き込んだアクションが必要との共通認識があるのでしょう。

改めてまとめとして、クチコミ調査を成功させるために何が必要か、整理してみたいと思います。

これまであった事例の主な目的としては、

  • 自社製品や他社製品について、その評判、情報や製品の入手経路、ユーザーの満足度、使用頻度、使用方法などの把握
  • キャンペーン設計のための事前調査と効果測定調査
  • 市場動向調査

など、多岐にわたります。これらの目的を明確にすることはもちろん重要です。

その上で調査結果の仮説を構築し、そのあとのアクション(プロモーション施策、インフラ整備、受け入れ態勢の強化など)をあらかじめイメージしておくことが調査精度の向上につながります。

まとめると、「目的の明確化」、「仮説の構築」、「アクションの検討」の3項目が重要な決定事項となります。
トレンドExpress社では、お客様の調査の目的に沿ってこの3項目について、仮説の構築や知りたいことに最も近いキーワードの設定、その後のアクションプラン設計までお手伝いしています。


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また今後も引き続き、調査事例を積極的にご紹介していきたいと思います。どうぞご期待ください!