中国で人気の世界のアパレルブランド 2017年度ランキング
日本でも政治、金融、ファッションと中国ニュースを聞かない日はないのではないでしょうか。経済の発展めざましい中国では、ファッションのレベルもどんどん上がっています。
The Global Language Monitorが毎年発表している「世界ファッション都市ランキング」2015年版では、香港が12位、上海が15位にランクインしています。
1位パリ、2位ニューヨーク、3位ロンドンという3強から始まるこのランキングでは、東京は10位に、シンガポールが14位にランクインしているほかは、38位にムンバイが現れるまで北米、欧州、ロシアの各都市が並びます。
こういった結果からも、上海はアジアからランクインした数少ない都市であり、その経済成長のスピードを考えてみても今後日本のようにファッションを楽しむ女性が増え、アパレルのマーケットが中国全土に広がっていくことが予想できます。
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2017年Q2ファッションブランドランキングTOP50
では、現地20代前半女性、つまり「中国女子」たちが好むファッションは一体どのようなブランドから構成されているのでしょうか。
本日は、中国の大手メディア赢商網のビッグデータセンターと漢博ビジネス研究院の共同調査による「2017年第2四半期ファッションブランドランキングTOP50」から、TOP10を紹介します。
ファッションブランドランキング(2017年第2四半期)
1 | ZARA(ファストファッション)(スペイン) |
---|---|
2 | ユニクロ(ファストファッション)(日本) |
3 | Skethers(スポーツウェア/シューズ)(アメリカ) |
4 | H&M(ファストファッション)(スウェーデン) |
5 | 熱風(ファストファッション)(中国上海) |
6 | ONLY(カジュアル/トレンド)(デンマーク) |
7 | adidas neo(スポーツウェア/シューズ)(ドイツ) |
8 | MO&Co.(カジュアル/トレンド)(中国広州) |
9 | VERO MODA(カジュアル/トレンド)(デンマーク) |
10 | SELECTED(ファストファッション)(デンマーク)※メンズメイン |
このランキングは、購買層を分けて調査した結果ではないため、年齢別や性別の人気は推測の域を出ませんが、上位ブランドをキーワードに新浪微博で検索してみると若年層からの支持も大きいようです。
SNSでは圧倒的にユニクロが人気、中国発祥の「熱風」に存在感
それぞれのブランドの支持層や支持の理由に違いはあるのでしょうか? 各ブランドのSNS運用や人気商品、アイテムのテイストについて確認してみました。
まずはトップ2の新浪微博公式アカウントのフォロワー数です。ZARAは74万人に対し、ユニクロはなんと1032万であることがわかります。(2017年10月30日現在、以下すべて同じ)
ランキングではユニクロは2番手に甘んじていますが、注目度は非常に高いといえるでしょう。
ユニクロに関する投稿内容には店舗での試着写真やコーデ写真が多く目につきます。中でもイネス・ドゥ・ラ・フレサンジュのコラボレーションコレクションは中国でも好まれているようで、「普段使いできて、着心地が良く、値段も高くない」とコスパの良さが評価されているようです。また、ユニクロのCMを話題にしている人も多く、動画への注目度の高さがうかがえます。
TOP50のうち、いわゆるレディースブランドは14社、そのうち9社を中国の国内ブランドが占めています。TOP10には、5位に上海発祥の「熱風」がランクインしました。
同ブランドの新浪微博公式アカウントのファンは99万人と、数でいえばZARAを上回っています。天猫はもちろん、Doubanや人人網といったSNSの更新も行っており、魅力の全方面的な訴求に余念がないという印象です。
熱風には、ZARAよりもカジュアル、カラーバリエーション豊富でありながらその色はONLY(次節にて解説)よりも少し鮮明、ユニクロと比べるともうひとひねりされたデザイン…といった商品が並びます。セクシーさを減らし元気さをアピールしたい女子にマッチするバランスといえるのではないでしょうか。
学生からメンズまでロックオンする日本未上陸デンマークブランド
6位「ONLY」、9位「VERO MODA」、メンズ専門ですがトップ10にランクインした10位「SELECTED」という3つのデンマーク発祥ブランドがランクインしています。実は、これらすべて大手アパレル企業であるBESTSELLERのオリジナルブランドです。
欧米ではZARAやH&Mに次ぐ知名度を誇りますが、日本には店舗がまだ店舗はありません。モードな雰囲気を演出しながらもカジュアルな感覚で身に着けることができ着心地も良いとして、中国女子にも受けているようです。
ONLYの対象年齢は15歳~25歳。トレンドを押さえながら、カラフルでカジュアルかつガーリーなスタイルが学生の支持を集めているようです。新浪微博のアカウントのフォロワーは32万人、かなり注目度の高い海外ブランドといえます。
VERO MODAの新浪微博公式アカウントのフォロワーは11万人、ターゲット層はOLとあって、色味を抑えたオフィスに合うスタイルが基調です。どちらかというと「オフィスカジュアル」な雰囲気のラインナップだということが、新浪微博にアップされるコーデ画像からわかります。
ONLY、VERO MODAのほか、このランキングには入っていませんがcachecache、La Chapelle、Etam、ZARAなどを合わせて、「25歳までに1度は通りたいブランド」と定義している女子もいるようです。
今や人口14億人の中国の市場、その成長の余白を期待する数々のブランドが中国に進出しています。今回「世界ファッション都市ランキング」で東京は辛くも上海の上位につきましたが、前年には上海の後塵を拝しました。
日本に出店していないブランドが、東京よりも先に上海で成功を収めることもざらです。数々の外資ブランドとの切磋琢磨も手伝い、ドメスティックブランドもより中国人消費者に選ばれるデザイン、価格、そして商品を身に着けることの価値を提供していくことでしょう。
今回のランキング結果には、キレイ目、カジュアル、スポーティと多岐にわたるテイストのブランドがひしめきあっており、その多様性は中国全体のファッションセンスが底上げされていく可能性を感じさせます。今後の中国におけるアパレル方面のトレンドの行方には、要注目となりそうです。
参考:
世界のファッションのランドマーク — ファッション都市ランキング(出典元:グローバル・ランゲージ・モニター) 英語
最重要!2017年上半期アパレルブランドレポート登場(出典元:EEFF.NET) 中国語
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