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【中国人気】日本の店頭で見れない商品も中国では大人気に-「EC人気商品」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。今回は2018年4月18日~4月24日の「ECサイト人気商品」ランキングから、中国の若者に消費者に人気のコスメアイテムに紹介します。

今回の「ECサイト人気商品」ランキングトップ10は以下の通り

2018年4月18日~4月24日の「口コミ数」ランキング

 

今週の中国人気クチコミ:「目もとショット アイトリートメントクリーム」

今回は「ECサイト人気日本商品」ランキングで6位となった目元ケアの人気アイテム「目もとショット アイトリートメントクリーム」に注目したいと思います。

同商品、「EC人気商品」には2015年9月に登場(下図、黄色の線)。その後徐々に順位を上げ、2016年1月20日の週にはトップ10入り。以後、長期にわたってトップ10圏内にランキングしています。

また「買った」ランキング(下図、赤線)ではそれより早く、訪日観光客によって購入されSNS上に登場していました。その後いったん順位を大きく下げますが、すぐに回復しています。

 

「目もとショット アイトリートメントクリーム」ランキング推移

アイケア用品は今、美容・コスメ業界で注目されており、さまざまな新しいケア用品が続々販売されています。「買った」「買いたい」「EC人気日本商品」ランキングでもアイケア用品が多数ランクインしており、今後も注目必至のアイテムです。

中国でバカ売れ!しかし日本では…?

この「目もとショット アイトリートメントクリーム」を展開する「Cosmetex Roland」は、天猫国際のインターネットモールで旗艦店を運営するなど、中国国内での販売を積極的に行なっています。

先日、ファン・ビンビンさんの酒粕パック投稿で話題となった中国の越境ECアプリ「小紅書(RED)」内でも多数のショップが同アイテムの取り扱いをしており、その口コミ投稿は写真付きで100以上見ることができます。

保湿効果、クマ防止に定評があり、販売価格も70元(約1190円)前後と比較的リーズナブルなことから20代の女性を中心に愛用者が多いようです。

ECサイトの売れ筋はかくのごとし。では訪日外国人たちも購入しているのか、店頭での反応を調査するために訪日外国人が多く訪れるドラッグストアに行ってみました。

しかし、アイケア用品がズラリと並ぶ陳列棚を探しても、「目もとショット アイトリートメントクリーム」が見当たりません。スタッフに尋ねてみましたが、取り扱いはないとの返事。

別のドラッグストアチェーン2店舗でも訊ねてみましたが、やはり取り扱いはありませんでした。

中国国内で販売実績もあり、話題のアイテムのひとつであると知っている身としては、訪日外国人が訪れる主要店で取り扱いがないのは勿体無いなと思わずにはいられませんでした。

日中双方のトレンドチェックで効果的な販売促進を

国境を越えた販売プロモーションの難しさは、やはり中国国内の人気商品が日本でメジャーとも限らず、日本の人気商品が必ずしも中国国内で売れているわけではないというところ。

調査に行ったドラッグストア店頭で、ファン・ビンビンさんが「小紅書(RED)」で紹介した「pdc ワフードメイド 酒粕パック」の有無を訪ねる訪日外国人の姿を見かけましたが、未だ店頭では欠品の模様。

この商品は発売当時、酒粕を使った商品として日本でも話題となっていましたが、結果的に「ファン・ビンビン効果」で、日本よりも先に中国国内で爆発的なヒットとなりました。

この一大ブームにより、ユーザーに対するプロモーションやアプローチの方法によって、日本で販売している商品を中国国内でヒットさせ、訪日外国人の買い物リストにアイテムを加えることができる証明となりました。

「目もとショット アイトリートメントクリーム」は、筆者が訪ねた日本のドラッグストア店頭では見つけることができませんでしたが、中国国内では確実に売れている商品です。

中国国内のECサイトの利用者と訪日外国人の「欲しい商品」は必ずしも同じではありませんが、訪日外国人をターゲットにするインバウンドの担当者及び、日本製品を中国国内向けに販売するアウトバウンド担当者は、双方のトレンドをさまざまな角度から注視する必要があります。