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【訪日中国人】体験型+αで伝統和紙に夢中! 「○○したい」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。

今回は2018年8月8日〜8月14日「○○したい」ランキングから、地味ながら注目されているある伝統産業に目を向けます。

まずランキングトップ10はこちら。

2018年8月8日〜8月14日「○○したい」ランキング

今週の訪日Word:「紙漉きをしたい」

今回注目するのは、○○したいランキングでジワジワと上昇している「紙漉きをしたい」です。

こちらは急激なブームではなく、まさにクチコミで少しずつ順位が上がっているのが見て取れます。どのくらい人気かというと、「○○したいランキング」では、「ドラマ、映画、アニメの聖地巡りをしたい」や、「新幹線に乗りたい」、「着物を着たい」などよりも上位にランキングされているほどなのです。

順位 ○○したい
11 握手会に参加したい
12 鹿を見たい
13 和菓子を作りたい
14 スキューバーダイビングをしたい
15 舞妓さんになりたい
16 紙漉きをしたい
17 人力車に乗りたい
18 お城に住みたい
19 利き酒をしたい
20 砂丘を見たい

もともとの発祥は中国。今は日本で体験型インバウンド

中国四大発明の一つに紙がありますが、その紙が日本では美しい和紙となって中国人観光客を魅了しています。近年様々な体験型旅行が主流となりつつありますが、紙漉きを体験したい人が増えています。

「紙」が発明されたのは中国の後漢時代で、官廷の役人だった蔡倫という人が、木の皮や麻などの植物繊維を砕いて漉いたのがはじまりと言われています。

それまで使われていた竹簡や木簡と比べてもはるかに優れており、書写のための画期的な材料であることが認められた、現代につながる製紙技法の誕生でもありました。この製法は、610年に高句麗を通して日本にも伝えられました。現在ある和紙は、この紙を改良したものといわれています。

日本では「和紙」へと発展し、そのクオリティとデザイン性で世界中の人を魅了。今では日本各地で外国人向けの紙漉き体験が行われています。

中国SNSで情報収集。外国人対応の紙漉き体験

和紙の産地は北海道から沖縄まで全国各地に広がっていて、歴史の長い産地もあれば、近年始めたばかりという所もあります。そのため意外にも紙漉き体験ができる場所は全国各地にあるようです。しかも外国人観光客に対応している教室も少なくありません。

WeChatWeiboにアップされた紙漉き体験を見て、日本へ旅行する際にその教室へ行ったり、中国にある海外旅行ツアーサイトで紹介されている紙漉き体験に申し込むのが主流のようです。

紙漉き体験を中国SNS上に上げる人のほとんどは、制作工程を何枚もの写真と説明文をつけて紹介する細やかさと丁寧さがあり、自分も体験してみたいと思わせるものばかりです。

紙漉き体験+αが人気の秘密

簡単な和紙の説明を受けてから紙漉き体験に入っていくのですが、「紙漉きをしたい」と思わせるには、体験+αの仕掛けがあることが分かりました。

ただ単に紙漉きをするのではなく、ある場所では季節の草花を一緒に入れて漉いたり、ポストカードサイズの和紙を作り手紙を書いたりしています。

紙漉き体験自体にストーリーがあることが受けている要因のようです。また、古き良き日本文化の歴史が伝わる内容であり、体験している本人が何よりも楽しいと思えるところが中国人観光客のハートをがっちりとつかんでいるようです。