中国トレンドExpress

【中国消費】中国のバレンタイン消費はアジアNo1? 裏には中国男性の奮闘と、小紅書(RED)?

春節ももはや終盤戦。「大きな商戦が終わった~」と気を抜いていませんか? 中国では上半期にも数多くのイベント、商戦が待っています。直近でやって来るのは「バレンタイン」。

中国でもバレンタインは大都市圏を中心に商戦として定着を見せています。「でも、ウチお菓子メーカーじゃないし…」と思うなかれ。中国の男性たちには、多様な商品のサポートを待っているのです!

近年の中国バレンタイン事情を分析します。


▼関連記事
【中国消費】中国イベントカレンダー2019年(上半期版)で中国市場向けプロモーションのタイミングをCheck!


欧米の習慣を踏襲している中国のバレンタイン

日本でも一大商戦として展開されている「バレンタイン」。日本では女性から男性へチョコレートを贈ることが習慣となっていますが、本来は恋人同士や夫婦で、お互いにプレゼントをする日。

では中国は?といえば、こちらは国際慣例を踏襲したパターンで、プレゼントに関しても大きな決まりはありません。

中国でバレンタインが大きくクローズアップされるようになったのは、10~15年程度と日本に比べて長くはありませんが、北京や上海と言った大都市の80後・90後にはすでに「年中行事」として浸透しており、ここに向けての商戦も展開されています。

日本と異なるのは、一般的に「男性から女性に贈る」というのが定番(お互いに贈りあうこともあるが、女性からのみというのはほぼ見られません)。

というのも、中国ではこうしたイベント時には男らしさを表現するべきものであり、知力や経済力を総動員していかにして女性の心をとらえるのか、というところが評価対象になるのです。

人口構成でも、男性が女性よりも多いことから、ある意味「女性に選択権がある」という事情もあるのかもしれません。とにかく、中国男性はプレゼントを考え、ロマンチックなディナーを手配し…と対応に追われることになるのです。

中国バレンタイン消費はアジアNo.1?

気になるのは中国の消費者がバレンタインにどのくらいの消費をしているのか?というところ。

ここで少し古いデータですが、中国バレンタイン消費に関するデータをご紹介。

2017年バレンタインデーに中国の経済誌『第一財経』が、クレジットカード会社「マスターカード」の調査結果を引用していました。

それによると、中国のバレンタイン平均消費は「310ドル(約3万4000円)」と、香港や日本を抑えてアジア・太平洋エリアでは最高額なのだとか。

 

日本の場合は、前述のように「女性から男性へ」、「チョコレート」を送ると定義づけられているため、消費されるチョコレートの数は多くとも、平均消費はそれほど高くはなりません。

しかし海外では双方でプレゼントをすることが習慣となっているため、男性から女性、女性から男性双方へのプレゼント品目も調査されています。

その調査ではアジア・太平洋エリアでは、男性から女性に贈るプレゼント平均金額は、女性が男性に送るプレゼント予算より25%ほど多くなっており、その商品の1位は男性から女性へは「花束」、女性から男性へは「アパレル・レザー商品」となっているそうです。

中国でもバレンタインシーズンになると街中の花屋さんも大忙し。特に「真っ赤なバラ」は定番で、その時期には若干値段も上昇するとこと。

ただ、最近は赤だけでなく青や黒に染めたバラの花束もあちこちで見ることができます。そこには「他人と同じものを送っても飽きられるので、とにかく珍しいものを」(上海市30代男性)という男性の思いがあるようです。

▼参考資料
平均2130元,中国内地情人节消费居亚太第一 出所:鳳凰網(中国語)

おススメプレゼントはREDに聞け!~口紅で差をつけろ~

そんな、少しでも他との差をつけたい中国の男性諸氏、いかにしてプレゼントの知恵をひねっているのか20代の中国男性に聞いてみました。

その回答は単純明快。「小紅書(RED)に聞いた」とのこと。試しに小紅書で「情人節」と検索すると、確かに女性向けのプレゼント情報がたくさん掲載されています。

小紅書で「バレンタイン プレゼント」で検索した結果。花束などのおすすめプレゼントが並ぶ。

もちろん花束もあるのですが、目にとは入ってくるのは化粧品、なかでもイヴサンローランの口紅が上がってきます。

実は前述の『第一財経』バレンタイン消費に関する記事でも、「女性向けプレゼントの狙い目は口紅」と紹介されています。

特に「YSL(イヴサンローラン)」の口紅の中国国内での人気は高く、80後や90後の女性たちの中でも多くのファンがいることで知られています。

バレンタインプレゼント検索で表示されたイヴサンローランの口紅。プレゼントおすすめ商品として紹介されている。

2019年も1月29日にバレンタイン向け商品を香港で売り出しましたが、すぐに小紅書上で紹介されています。

YSL以外ではアメリカの「TOM FORD(トムフォード)」も注目を集めるブランドとなっているようですが、そこでも一番の人気商品は口紅。女性の「自分へのプレゼント」、男性の「大切なパートナーへのプレゼント」として、口紅が最優先商品となっていることを感じさせてくれます。

 

バレンタインの花束は、もはや当たり前。女性からのより高い評価で周りと差をつけるのは、情熱的な色で口元を彩る「口紅」となりそう。

はたして今年の中国バレンタイン、男性の努力に対して中国の女性はその魅力的な唇で微笑んでくれるのでしょうか?興味は尽きません。