【中国消費】中国イベントカレンダー2019年(上半期版)で中国市場向けプロモーションのタイミングをCheck!
間もなくやって来る2019年。来年は対中国ビジネスもさらなる盛り上がりを見せる予感です。その戦いを有利に進めるためにも、今から2019年のイベントスケジュールをチェックしておきましょう。
中国の歳時記について~中国の暦の基礎知識~
中国の歳時記はすなわち商戦と一体化している例が多いのですが、日本の企業が戸惑うのは、「あ、あのイベント、今年は何月何日だっけ…?」ということ。
すでにご存じの事ながら、中国では「新暦」と「旧暦(農歴)」の2つの暦が使われています。新暦とはいわゆる「太陽暦」で、普段私たちが使っているカレンダーの事。
「旧暦」とは「太陰太陽暦」というもので、1カ月を30日、1年を360日として計算している暦。日本でも明治5年まで使われていたものです。
中国では伝統的な歳時記に関しては旧暦で、国際的なイベントに関しては新暦で祝うのが習慣。そのため、春節だけでなく端午、七夕、中秋、重陽などはすべて旧暦で確認する必要があります。
新暦が365日なのに対して旧暦は360日なので、旧暦のイベントは毎年新暦での日にちが変わるのです。
ただ注意が必要なのが、旧暦でも季節と暦を合わせるための調整が行われます。新暦では1日追加ですが、旧暦では「1カ月」追加され、1年が13カ月になるのです(閏月)。
こうした2種類の暦の併用、そのタイミングを計るために、中国のカレンダーはほとんど2種類の日にちが併記されています。中国の歳時記を正しく把握するためには、中国国内用のカレンダーを購入されるのをお勧めします。
2019年上半期、注目のイベントは?
では、2019年上期のイベントを見ていきましょう。
2019年上半期の中国イベントカレンダー
新暦 | 旧暦 | イベント |
---|---|---|
1月1日 | 元旦 | |
2月4日 | 腊月三十 | 除夕(旧暦の大晦日) |
2月5日 | 正月初一 | 春節 |
2月14日 | 情人節(バレンタインデー) | |
2月19日 | 正月十五 | 元宵節 |
3月8日 | 三八婦女節(世界婦人デー) | |
3月12日 | 植樹節 | |
3月15日 | 世界消費者権利デー | |
4月5日 | 清明節 | |
5月1日 | 労働節(メーデー) | |
5月12日 | 母親節(母の日) | |
5月20日 | 網絡情人節(ネットバレンタイン) | |
6月1日 | 六一児童節 | |
6月7日 | 五月初五 | 端午節 |
6月16日 | 父親節(父の日) | |
6月18日 | 618(JD.comの日) |
続いて注目すべきイベントを上げていきましょう。
・春節(新暦2月5日 旧暦正月初一)
これはすでに外せないイベントです。これまでは一家団欒というケースが多かったのですが、昨今は海外旅行を楽しむ人も増えており、日本でも中国からのインバウンド最大の商戦になっています。
公休は前日4日(旧暦腊月三十 大除夕)から7日間。有給休暇と合わせて10日ほど取得する人も多いようです。
・情人節(バレンタインデー 新暦2月14日)
西洋のイベントですが、昨今は大都市の若者を中心に参加する人が増えています。日本では女性が男性にチョコレートを贈る日ですが、中国では「男性が女性にプレゼントやサプライズを送る日」です(後述)。また3月14日には「白色情人節(ホワイトデー)」があり、女性からささやかなプレゼントが男性に送られます。
・三八婦人節(新暦3月8日)
国際婦人デーという女性の権利を守る国際的記念日。この日は女性は半日お休みとなります。以前は百貨店やモールで女性向けのアパレルや化粧品のセールが行われていましたが、近年、EC業界も盛りあがっています。「女王節」と別名がついた、女性向けの商材を売り込む商戦です。
・315消費者権益日(新暦3月15日)
3月15日は各種メーカーが最も恐れる「315消費者権益の日」。消費者の正当な権利を守るため、中国の各部門が企業(主に消費材メーカー)の不正を摘発します。コピー商品や劣悪商品のほか、中国国内の基準に合致していない海外商品、消費者を騙すサービス業などが摘発対象となります。
当日は中央電視台(CCTV)で特別番組が放送され、違法業者や不合格製品・サービスなどの摘発の模様が報じられます。
・母親節(母の日 新暦5月12日)、父親節(父の日 新暦6月12日)
日本でもお馴染みの母の日と父の日。主に家庭で母親や父親にプレゼントを贈る日になっています。特に母の日のほうが浸透しているようで、この日には「子供は母親にプレゼントし、旦那が家事をする」日なのだとか。翻って父の日では「子供が父親にプレゼントする」日なのであって、奥さんからは「特にない」ことの方が多いようです。
・網絡情人節(新暦5月20日)
台湾の歌手・范晓萱が歌った『数字恋愛』という曲の中で「520」を「我愛你(愛してる)」と表現したことから、21世に入って突然始まった謎のイベント。イベントの来歴は不明ながら、ネット上で若者を中心に盛り上がったことから、メーカーや小売りも商戦として活用しています。
・六一児童節(新暦6月1日)
国際児童デーという、子どもの権利を守るためのイベントで、基本的に学校はお休みになりますが、子どもたちは行政のイベントに駆り出され、政府の役人の前でダンスなどを披露することが多くあるようで、一部の親からの「祝う側と祝われる側が逆転していないか?」というツッコミもネット上でささやかれます。
この日は親が子供におもちゃなどを買い与えることが多いようです。
・618(新暦6月18日 JD.comの日)
中国EC商戦における前半の盛り上がり「618」。この日はJD.comだけでなく、中国の大手ECがダブルイレブンに次ぐ勢いでキャンペーンを展開。ここでの成果によっては来るべきダブルイレブンを有利に進めることも可能になります。
中国イベントの裏側に中国男子の努力あり…。
さて、ここで特筆していきたいのが、これらイベントの「被害者」となる存在がいることです。
それは「中国男子」。
中国の男女にかかわるイベントは基本的に過ごし方に違いはありません。すなわち「男性が女性にプレゼントをする」や「豪華ディナーなどのサプライズをする」ということ。
上半期でいえば「情人節(バレンタイン)」、「三八婦人節(恋人、妻、母など)」、結婚していれば「母親節(母の日)」、そして「網絡情人節」と、最大4回。
さらに下半期には「中国式情人節(七夕)」や「聖誕節(クリスマス)」、また当然のことながらパートナーの誕生日や既婚者であれば結婚記念日などなど。どう考えても1年間で10回近いイベントを迎えることになります。
「中国の人はがつがつ働く」、「収入アップに積極的」と言いますが、こうした事情を鑑みれば、中国の男性が経済面の充実を求めるのも理解できるのではないでしょうか…。