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中国で女王、女神が溢れる大商戦!注目の「婦女節」キャンペーンを追う① ~中国の「婦女節」って何?~

「3月8日は何の日?」という質問に回答できる日本の方は意外に少ないと思います。毎年3月8日は「国際婦人デー」。女性の権利を保護することを目的として国連によって定められた国際的な記念日です。

近年は日本でも女性の権利や職場環境改善のためのフォーラムなどが行われていますが、それに向けたキャンペーンやイベントはあまり多くはありませんし、一般の家庭にまで影響することは少ないと思います。

しかし、中国では一大イベント。社会的活動にとどまらず、一大商戦としてリアル店舗、そしてEC大手が鎬を削る巨大な商戦へと成長しています。

中国トレンドExpressでは3月に行われた注目商戦「3・8婦女節」イベントを上海でリポート、全3回でお届けします!


【動画】中国検索エンジン「百度」でも3月8日は「婦女節」仕様のトップページに

そもそも「国際婦人デー」って? 中国で定着した理由

この「国際婦人デー」の起源は20世紀初期、「女性の政治的自由と平等のために戦う」ことを目的に、多くの活動が行われたことでした。

以来、世界20か国以上で公式の祝日と定められており、それ以外の国でも、祝日とされてはいませんが幅広く認識されています。

 

中国の国際婦人デーのイベントは1924年、広州で開かれたものが最初です。

その後1949年、中華人民共和国が成立すると、女性は「長く封建社会で差別されてきた存在」としてその権利を擁護、社会的地位向上に努めます。

建国年の12月には3月8日を正式に「婦女節」と定め、今日まで「男女平等」のスローガンのもとに多様なイベントが行われるようになったのです。

 

この中国の「婦女節」、どういったことが行われるかと言いますと、まず職場では「女性は半休」という制度。また以前は国から、現在は働いている会社から女性スタッフにお花やケーキといった、ちょっとおしゃれなプレゼントがあったり、シャンプーなどの日用雑貨が配布されたりといった特典が付いてきます。

つまりは3月8日に女性スタッフ向けに特別なサービスを行うのが、会社の福利厚生として根付いているのです。

昔は会社と言っても国、行政の一部分であったことから国が行っていた福祉政策(婦女節時に女性に生活物資をを支給する)が引き継がれているのです。

それだけでも「なかなかいい」印象があるのですが、中国の女性にお話しを聞くと「モノよりギフトカードや買い物で商品券のほうが…」(会社勤務・80後女性)という声も。

福利厚生の在り方も現実に即して変革が求められているようです。

ある中国会社では国際女性デーで女性社員ためのお祝いブランチイベントを開催

 

会社だけでではなく「家庭内」でも女性へ「感謝」のオンパレード

3月8日、女性への優遇が行われるのは会社だけではありません。

実はもっとも大きい優遇サービスは「彼氏」や「旦那」からのものだったりするのです。送られるのは特別なプレゼントや美味しいランチ・ディナーのお誘い。もちろん、費用はすべて男性負担であるのは言うまでもありません。

しかし、急速で進化している中国社会。実は「今どき婦女節にプレゼントや食事なんて…」という若者も増えてきている様子。

では何が人気なのでしょうか?

それは、もうわかりきっていることですが「キャッシュ」!

最近は男性が直接に彼女や奥さんへWeChatで現金を振り込むのが主流になりつつあるのです。さらに一部の女性は、その画面をキャプチャし、WeChatのモーメンツで発信。つまりは「いいでしょ~」というアピールで、中国語ではこれを「晒幸福(shai xing fu)」(幸せを晒す※)と呼んでいます。

ちなみに金額でよくあるのが「520元」。これは5・2・0の中国語発音「wu er ling」が「我愛你」(wo ai ni)とよく似ていることによります。

そうした会社、家庭内以外でも生徒さんから女性講師へ、住んでるマンションの管理人から女性の住人全員へお花のプレゼントもよくある話。街ではバレンタインデーを思わせるような、薔薇の花を売る姿も多く見られたりと、普段仕事や家事、育児に奔走する女性の歓心を買うべく、男性諸氏はバレンタインにも劣らぬほど知恵を絞っている様子なのです。

「婦人」ではなく「女王様」とお呼び!~女性向け巨大商戦へ~

さて、そんな中国婦女節の上海、街を歩いていると「婦女節」ではなく「女王節」、「女神節」といった言葉が目に飛び込んできます。

「あれ?婦人節って名前変えたっけ?」とも思うほど。

 

実は最近の中国の女性は「婦女(婦人)」と呼ばれることを嫌がる傾向があるのです。特に90後世代にとっては「婦人=洗濯+掃除+くすんだ老け肌のおばさん」といった印象を受けるらしく、「婦人と呼ばないで!」という声があがり、大学生を中心にネット上で新しいネーミングが上げられました。

 

その中で登場したのが「女王節」と「女神節」。

 

ちなみになぜ「女王」なのか。

「女王」とはまさに女性の最高位権利の象徴。「この日は私が一番!自分を愛し、愛され、そして貢がれるべきなの!」とおう、ある種の「可愛いわがまま」宣言なのです。

 

そんなイマドキの中国女子の宣言に飛びついたのが、そう中国EC最大手の「アリババ」。

すでに醸成されていたネットでのショッピング習慣に乗り、2017年に「3月8日」を「女王節」と名付けて、新たな商戦を展開しました。

ここに「中国婦女節商戦」が誕生、3回目を迎える今年もアリババ系列のTaobao、T-Mallをはじめ、大手ECサイト、さらにはリアル店舗が鎬を削る商戦へと成長したのです。

 

次回は上海の街中で見た3・8婦女節商戦キャンペーンをレポート、分析してみたいと思います。