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【中国人気商品】まるで整形したみたい!〜「EC人気商品」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。

今回は2019年4月3日〜4月9日「EC人気商品」ランキングから、中国のSNS上で「ニセ整形」と呼ばれるあの便利アイテムの人気について分析してみたいと思います。

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まずは最新のランキングから。

2019年4月3日〜4月9日「EC人気商品」ランキング

今週の中国人気商品:「素肌タッチのふたえテープ」

今回は「ECサイト人気商品」ランキングで20位にランクインしている「素肌タッチのふたえテープ」に注目したいと思います。

 

名前の通り、素肌に馴染む肌色のふたえ用アイテープです。メイクなしでも気付きにくいし、ブラウン系のアイシャドウ(自然メイク)とも相性バッチリだそうです。

テープなので、初めて使う人でも簡単にふたえに変身できます。

容量は30回分と90回分があり、30回分はほぼ全てのドラックストアで販売しています。価格も350円前後とお手頃設定になっており、日本へ観光に来る時などに試し買いしやすくなっているようです。

 

上記のランキング推移画像を見ると、2017年7月中旬頃にクチコミ件数が大きく上昇しています。

またアットコスメの情報を確認すると、この商品の初発売日は2013年11月で、2017年10月に追加発売されています。

ひょっとしたら中国国内の消費者が使用した人たちの口コミを見て、ECサイトで大量購入になったのかもしれません。

ソーシャルメディアで火がついた整形メイク

2012年頃、整形メイクで一夜注目された「ざわちん」は中国のWeiboでも話題になっていました。

 

彼女の登場は、今まで自然メイクが主流だった中国の女性たちに、新しい風を巻き起こしました。

「醜い女性はいない、いるのは怠けものの女性だ」。

これは中国に昔からあることわざですが、以前はスキンケアに全力を尽くしていた中国の女性たちは、彼女に触発され、さらに努力を重ね、メイクをするようになってきたのです。

 

さらに近年、ライブ動画サイトの登場やショートムービーアプリの人気は、変身メイクブームを盛り上げます。

代表的なのは抖音(ドゥイン。TikTok本家版)で、15秒の変身前と変身後の動画は大流行。特に若い年齢層の多くが真似をして変身動画をアップはじめました。

美への追求は目元に。メイク経験の低さをカバーする便利グッズ!

こうした社会の変化が起こる中で、顔の変身でもっとも分かりやすい「目」の変化に注目が集まり、日本のこの便利アイテムの人気に火がついたようです。

 

実際日本では、まぶたに皮膜を作ってふたえにする液体タイプが人気です。それは、より自然で、バレないからです。

しかし、中国の女性の間では、簡単に使えるものの「作っている」のが目立つテープタイプが主流となっています。

ではなぜ中国の女性はまだ片面のテープタイプを使うのでしょう?

 

理由は中国の女性はまだ化粧の初心者だということ。

日本の女性は中学生や高校生の時から、美容やファッション雑誌を読んで、つけまつ毛やふたえを作って経験を積みますが、中国ではその時期は大学受験のために勉強一直線で、化粧などもってのほか。そのためメイクのスキルが足りていないのです。

 

WeiboやREDを見ると、同商品は「本当に“手残党”(中国のネット用語:手が不器用の人たち、の意)のための商品!」と大絶賛しているのが見られます。

日本には、まだこういった美容に関連する便利アイテムがたくさんあります!日本の女性にとって当たり前のモノは、中国の女性にとっては「神器」になる可能性を秘めているということなのです。