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【中国人気商品】 2019年1月~3月、中国消費者が最も「買いたい」日本商品は? ~クチコミ件数で見てみよう~

中国市場攻略のためには中国消費者の心の動きを把握することは必要不可欠、ということで2019年1月~3月の「買いたい」ランキングを振り返っています。前回、2019年Q1のTOP20を俯瞰しましたが、今回はその20商品のクチコミ件数、および1年前と比較を行ってみようと思います。


▼前回は
【中国人気商品】 2019年1月~3月、中国消費者が最も「買いたい」日本商品は? ~トレンドViewerデータでチェック~


上位のクチコミ件数も安定した伸び

まずは2019年1月~3月「買いたい」ランキングTOP20のクチコミ件数を見てみましょう。参考までに、2018年Q4の件数とも比較してみます。

【グラフ】2019年1月~3月の「買いたい」ランキングTOP20のクチコミ件数

このデータを見てみると、2018年の第4四半期から件数が減少しているのは「DHCメリロート」、「雪肌精」、「Goo.Nやわらかフィットパンツ」の3商品のみ。しかも、ごくわずかな減少にとどまっており、安定的な人気を見せています。

 

その中で明確な伸びが見てとれるのは「ファンケルブルーベリー」。2018年Q4と比べても、5位から3位へと上昇しており、徐々にクチコミ件数を伸ばしていますが、特に春節の訪日シーズンに合わせてクチコミが伸びているようです。

1年前からTOP2は変わらず。注目は「ケア」グッズ

では、この数値を1年前と比べてみましょう。ちなみに2018年第1四半期のTOP20と比べてみると、以下のようになります。

【表】2019年1~3月と2018年1月~3月「買いたい」ランキングTOP20

順位 2019年Q1 2018年Q1
1 ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ
2 DHC メリロート DHC メリロート
3 ファンケル ブルーベリー 雪肌精
4 香りつづくトップ 無印良品 文房具
5 お菓子(スナック菓子、チョコ菓子、キャンディー等) 薬用ハンドエッセンス(コラーゲンウォーター配合)
6 アンナザルベ・エース ワコール 女性用下着
7 薬用ハンドエッセンス(コラーゲンウォーター配合) お菓子(スナック菓子、チョコ菓子、キャンディー等)
8 無印良品 文房具 東京ばな奈
9 サンテ ボーティエ CCクリーム エアリーフィニッシュ リミテッドキット
10 キティーちゃんグッズ CASIO BABY-G
11 サンテPC 香りつづくトップ
12 雪肌精 ベビーカー
13 リフターナ コンセントレートマスク GOO.N やわらかフィットパンツ
14 Je l’aime(ジュレーム) AM シャンプー/トリートメント モイスト&スムース UNO洗顔料
15 CASIO BABY-G サンテPC
16 ばら園 ローズコンディショナーRX 象印 魔法瓶
17 GOO.N やわらかフィットパンツ オペラ マイラッシュ
18 東京ラブソープ 腕時計
19 コスメデコルテ 化粧液 パフ・スポンジ専用洗剤
20 腕時計 ホワイトラベル 贅沢プラセンタのもっちり白肌パック

1年前と比べても「ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ」は高い人気を誇っており、さたにその人気度合いを伸ばしていることが見て取れます。

人気KOLだけではなく、一般ユーザーによって、SNS上でその効果が紹介されるという点が波及効果を生んでいるものと考えられます。

 

さらにダイエットサプリである「DHCメリロート」。こちらも、利用者の効果がSNSなどで拡散されており、それを見た消費者の「買いたい」が高まり続けていると予想できます。

 

TOP2に関してはまさに不動の様相。いずれも女性の「使いやすいコスメ」、「ダイエット」という2大ニーズを満たす商品で押さえられている状況です。

【グラフ】2019年1月~3月「買いたい」ランキングTOP20の2018年1~3月とのクチコミ件数比較

ここでも上位2商品の強さが際立ちますし、昨年から商品の入れ替わりが起こってるため、クチコミ件数も昨年に比してほぼすべての商品で大きく増加しています。

 

そのなかでも、もっとも「安定した人気」を誇っているのは「雪肌精」です。

1年前と比べて、クチコミ件数に大きな変化は無いのですが、それが継続しているという点は注目すべきポイントです。

クチコミ件数を伸ばすということも非常に重要なのですが、安定した人気を植え付けるということも、中国市場では難易度の高い、重要な事項。「雪肌精」はその好例といえるでしょう。

 

ただ、ここで注目する点は、ニキビケアの「アンナザルベ・エース」、女性のセクシャルケアの「東京ラブソープ」といった、より具体的な悩みを解決するためのケア商品、そして「Je l’aime(ジュレーム) AM シャンプー/トリートメント モイスト&スムース」や「ばら園 ローズコンディショナーRX」といった、ややラグジュアリー感のあるヘアケア商品が上位に上がってきているという点でしょうか。

 

5年ほど前の「爆買い時代」では、まずは「化粧品」、「ブランド品」、「家電」など、大きなセグメントでとらえられていた日本の商品ですが、すでにそれも過去の事。

中国消費者は自国内では解決できない、もしくはより効果が高く、かつ安心して使うことのできる「お悩み解決商品」を求めるようになっています。

また「香りつづくトップ」のような、日用雑貨においても同様のことが言えると思います。

 

ニキビや髪のパサつきなど、細かな悩みに特化した商品は、日本国内には数多くありますが、中国ではそこまで細分化されていないことが多いのです。

またこうした生活に密着した商品の情報を、日本在住の中国人留学生やビジネスマン、またそうした日々の生活の傍らソーシャルバイヤーを行っている人たちから入手し、興味を持っているケースが多くなっています。

 

今後はこうした中国消費者の「より細かな、具体的な悩み」を解決できる商品が、多くの可能性を秘めていると思われますが、まさにそこは日本のお家芸ともいえる領域。中国市場での拡大にも希望が持てると言えるでしょう。

 

次回は2019年Q1の人気商品を「コスメ」セグメントに絞って見てみたいと思います。