中国トレンドExpress

中国で人気の日本商品を小紅書(RED)で読んでみよう!~ダイエットサプリはリアルさが命!篇

日中に関わらず、女性の悩みのひとつが足のむくみ。仕事の疲れや生活リズムの崩れなどによって、気が付けば…。ということもしばしば起こってしまいます。

そんな女性の悩みを解決する日本のサプリメントが、海を越えた中国でも大人気。数多くの投稿がSNS上にアップされています。

今回はそんな女性の味方サプリ人気から、消費者に注目されるSNS投稿について考えていきましょう。

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。

 

今回は2019年9月18日~9月24日の「買いたい」ランキングから、女性の悩みである「足のむくみ」を解決している人気サプリ「DHC メリロート」を、今中国の体験共有&ECアプリ「小紅書(RED)」における同商品に関連した投稿を見ながら分析してみたいと思います。

小紅書(RED)についてはこちら
【中国SNS】今さら聞けない『RED(小紅書)』とは?
(さらに多くの中国人気商品情報が必要な方は有料記事が読めるデモアカウント登録へ)

まずランキングトップ10はこちら。

今週の中国人気商品:「DHC メリロート」

ダイエットを解決するサプリメントは数多くあれど、長きにわたって中国の女性に支持されているが「DHC メリロート」です。

メリロートとは、ヨーロッパからアジア地域に自生している芳香性物質クマリンを豊富に含んだマメ科のハーブで、身体の余分な水分をスムーズに外へ排出する手助けをしてくれると言われています。

今回紹介する「DHC メリロート」は、メリロート抽出エキスにジャワティーエキス、イチョウ葉、トウガラシを配合した、むくみなど身体の水分対策に効果が期待できるサプリメントです。

小紅書(RED)検索で見える浸透ネーム

ではさっそく、同商品を小紅書(RED)で調べてみることにしましょう。

メリロートの中国語訳を百度(Baidu)などを使って調べてみました。どうやら「草木樨」というらしく(樨は植物のもくせいのこと)、まずは「DHC 草木樨」というキーワードで検索してみます。

すると検索でヒットしたのは…わずか6件。

では、同商品の中国での愛称である「痩腿丸(脚痩せサプリ)」と打ち込んで検索してみるとて、なんと2800件もの投稿がヒットします。

 

やはり、商品愛称というもが刺さると、ぐっと親近感も増し、検索されるようです。

リアルな「使用記録」投稿を読んでみる

さて小紅書(RED)で検索をかけて表示されたものの中で、トップに上がったのがハンドルネーム「傻乎乎龙猫立正」さんの投稿。なんと6600もの「いいね」が押されており2495ものコメントが寄せられています。

同商品の投稿は数多くありますが、多くは数百の「いいね」の物が多く1,000いいねを超える投稿はあまり多くありません。

今回はこの投稿を少し細かく読んで、なぜ注目されているのかを見てみましょう。

 

この投稿で注目すべきは「2018年3月18日更新」と明記されて以降の投稿です。

2月24日に左右両足の太もも、ふくらはぎの太さを計って記録、その後なんと2018年2月28日から、ほぼ毎日自身の食事回数、歩いた歩数、体重、そしてDHCメリロートの服用回数や数を細かく記入していっていることです。

 

実際に服用をはじめて約1週間後の3月3日には、再度両足の4か所の太さを測定。「細くなっている!」という喜びの声が書きこまれています。

 

さらに引き続いて「活動記録」が羅列された後、3月6日の測定でも明らかな「ダイエット」効果が認められ、測定数値とともに歓喜の言葉が書きこまれています。

 

しかし、重要なのはここから。

3月7日から11日までは歩数、食事回数のほか「体重に変化なし」という言葉が続き、3月11日の測定では「リバウンド!」という言葉とともに、6日に比べてやや増加した測定値が…。

ただそれだけではなく、「この期間、外のランニングを欠かさずにしているから、かえって筋肉が付いたのかも」、「座ったり横になっている時間っも長いのも関係しているかも」、さらには「痩腿丸の服用法を変えたせいかも」と、考えられる原因についても自己なりに分析。

最後には「それでも足のスタイルは多少良くなった。これがこの12日間の最大の感想」と締めくくっています。

ここまで読むと、この投稿が人気を集めた理由がわかると思います。

それは、「きわめてリアル」だからであるという点。

 

この「DHC メリロート」の紹介は、上記のように2000件を超える投稿がありますが、記事の中に誇張、大げさな表現はまったくなく、淡々と事実が羅列されている投稿、ここまで刻銘なドキュメンタリー投稿はあまり多くありません。

 

ちなみに、最終的には「お姉さんに子供が生まれて(子守を)手伝わなきゃいけなくなったから」、「時間が無くって投稿書けないから、ここまで!」と、ダイエット報告は終了してしまいますが、これだけでも消費者にとっては十分に参考になる情報となったようです。

ダイエットサプリ乱立の中で

さて、中国では美や健康への意識が高まっていますが、そのなかで「ダイエット」や」「スタイル矯正」分野のニーズが一層高まっています。

 

その背景にあるのは芸能人に加えてKOLなどが見事なスタイルをSNS上にアップ、前SNS時代に比べて日常的にそうした画像を目にするようになったことで、否が応でも女性の闘争心や危機感に火をつけている様子が見えます。

上海在住の20代女性も「小紅書(RED)、Weibo、Wechat。どれを開いても1枚はスタイルのいいKOLやブロガーの写真が目に入って来るから、どうしても意識してしまう」と語っています。

情報化社会特有の「欲求増大」なのでしょうか。

 

トレンドViewer「買いたい」ランキング・美容・ダイエットサプリに関するクチコミ件数を一部抜粋してみると、2019年の上半期には約15万9000件の書き込みがありますが、それは2年前、すなわち2017年同時期の6万4000件の倍以上の伸びをみせています。

 

【グラフ】2017年~2019年それぞれ上半期の「買いたい」美容・ダイエットサプリクチコミ件数の推移

これは、それだけ中国消費者のダイエットサプリニーズが高まっていることが背景にありますが、それに伴いSNS上で日本ブランドに限らず、数多くのダイエットサプリの広告が目につくようになったようです。

 

とはいうものの、中国の消費者が知りたいのはもちろん「この商品は本当に売れるのか」ということ。

特にサプリメントは購入するという経済的なリスクと同時に、服用することのリスク、つまり副作用、体への適応性など健康面も考慮します。

 

そのため単純に「このサプリいいよ~」という情報を見ても、おいそれと購入はできません。誰か、「服用してどうだったのか」を細かく知ってからでなければ、決心がつかないのです。

 

その点、今回注目した投稿は、そうした消費者の情報ニーズを十分に満足させた投稿と言えるでしょう。効果や成分の訴求はもちろんながら、「包み隠さず伝えるリアルな情報」こそが消費者の心を動かすのです。