すでに硝煙立ち上るダブルイレブン 2020年はSNSの動きも深く読むべし
中国ですでに始まっているのが「W11(双十一)」に向けた戦略。ブランド、ECサイトはすでに動き出しているが、今年はライブ機能を有するSNSもW11という決戦に向けての戦略を張り巡らし始めている。
今回は現時点で気になるSNSの動きをまとめてみた。
中国版インスタの転換期。ECはあきらめる?
まず動きを追いたいのが「小紅書(RED)」である。
「中国版インスタグラム」ともいわれ、一般ユーザーが写真とともに自身の「体会」、すなわち体験・経験をシェアするSNSとして人気を集めている。
特にコスメに関しては、「実体験をベースにしたクチコミ」重視する中国消費者にとっては重要な情報源となっている。
中国女性消費者にとっては必須SNSとなっており、すでにブランドにとっても消費者向けの情報発信を行う上で必ず攻略せねばならない拠点となっている。
その小紅書もライブに関しての動きを見せている。
それは「Taobaoとのリンク」という一手である。
そもそも小紅書は独自でECを展開していた、TaobaoやT-Mallにとってのライバル的な存在であった。
しかしここにきて、小紅書で情報発信を行っているユーザーの内、トップKOLのライブにおいてはTaobaoの当該商品へのリンクを認める方向へと舵を切った。
その背景はやはり「どうあがいても三巨頭に及ぶことはない」ことが明確である以上、発信メディアとしての役割に徹するという割り切りがあるように見える。
実際に同社のECもそれなりに注目されていたが盛り上がりに欠け、逆にメディアとしての能力が評価されていた。
同時に「動画」においても新たな施策を展開している。
小紅書では基本「写真」と「テキスト」が主流で、動画に関しては1分~5分が上限とされてきた。
それを一定条件を満たしたユーザー(KOLなども含む)に関しては15分まで認める、というレギュレーションを発表した。
こちらの背景は、主力となっているコスメ情報では「品質の同化」が激しく、いわゆる「種草」投稿においては、商品が共通していれば投稿間の差別化がほぼないという状況が続いていた。
いわゆるクリエイティブのマンネリ化だったわけである。
こうした状況の打開策として優良なクリエイティブ能力を有するユーザーに、より能力を発揮してもらおうという狙いがある。
しかし同時に、あるサイトを意識しての施策という見方もある。
そのサイトとは「B站」こと「Bilibili動画」である。
「サブカルの聖域」が世俗に染まるのか?
では、そのBilibiliはどのような施策を打ってきているのだろう?
この続きは無料会員に登録すると読むことができます。